今年のノーベル医学生理学賞が


発表されました。





医学研究において、


通称、”KOマウス”


と言われる遺伝子操作マウスを


使用されている方は


相当数に上るのではないでしょうか。






その土台となる研究でのノーベル賞の受賞です。






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ノーベル賞:医学生理学賞、米・英の3氏が受賞 遺伝子操作原理を発見

毎日新聞 2007年10月9日 東京朝刊

http://mainichi.jp/select/science/news/20071009ddm003030015000c.html

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、07年のノーベル医学生理学賞を米ユタ大のマリオ・カペッキ教授(70)とノースカロライナ大のオリバー・スミシーズ教授(82)、英カーディフ大のマーチン・エバンス教授(66)の3氏に授与すると発表した。授賞理由は「マウスの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使って特定の遺伝子を改変する原理の発見」。その結果、マウスの特定遺伝子の働きを止めたり、別の遺伝子で置き換える「ジーンターゲティング」が可能となり、さまざまな遺伝子の働きが明らかになった。がんや糖尿病をはじめとする病気の解明や治療法開発に役立っている。

 授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金として1000万クローナ(約1億8000万円)が贈られる。

 エバンス氏は81年、さまざまな細胞に分化することができ、万能細胞とも呼ばれるES細胞をマウスで作り出した。哺乳(ほにゅう)類では初の成功だった。スミシーズ氏とカペッキ氏はそれぞれ、染色体上にある遺伝子を別の遺伝子で置き換える手法を開発した。スミシーズ氏はこの手法を使い、貧血や動脈硬化のモデルマウスを作成した。

 さらに、カペッキ氏はマウスのES細胞を活用することで、特定の遺伝子を失った「ノックアウトマウス」を効率よく作成する方法を確立した。カペッキ氏は96年に京都賞を受賞している。

 現在では1万個以上のマウスの遺伝子の操作が可能になった。500種類以上の病気のモデルマウスが作られている。

 ◇革命的な方法論--勝木元也・基礎生物学研究所名誉教授(発生工学)の話

 生き物の持つ性質をよく研究した上での革命的な方法論。受賞は当然で遅すぎるぐらいだ。かつては個体に変異を起こすには精子と卵子に変異を与えて、その子孫を何世代もみていくしかなかった。カペッキ氏らの方法で変異させた個体は、がんや免疫などさまざまな研究に使える。

 ◇スミシーズ氏の妻、前田さんも喜び

 「研究を最初からそばで見ていたので、本当にうれしい」--スミシーズ教授の妻で共同研究者の前田信代・米ノースカロライナ大教授(58)は8日、毎日新聞の取材に「とても名誉なこと」と喜びを語った。

 前田さんは東北大で博士号を取得した後の82年に渡米、ウィスコンシン大でスミシーズさんと知り合った。その後、結婚し、二人三脚で研究を続けてきた。前田さんが、ノックアウトマウスを使って動脈硬化に関係する遺伝子の研究をした時期は、スミシーズさんが「じゃあ僕は高血圧を調べよう」と提案、互いの研究を補った。スミシーズさんは今も毎日、研究室で「学生たちに刺激を与えるディスカッションをしている」という。前田さんは「私も彼もクールなんだけど、研究室はエキサイトしているわ」と話した。【江口一】

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現在では、


ノックアウトマウスのほかにも


ノックインさせたり、条件付欠損や


多くの手法があり、


開業を目指す一医師では、


全くついていけません(笑)。






多くの病気の根本的な原因を突き止めた


画期的な手法であり、

今回のノーベル賞の受賞は


素晴らしいものだと思います。