助産所で出産することの危険性は


意外と知られておりません。





また、このトラブルで、


助産所から搬送を受けた病院が


すべての責任を負うような状態になっていることも


指摘されています。




言い方は悪いのですが、


「やりっぱなし」の助産所が


トラブルを抱えて病院に搬送、


裁判、慰謝料、あげくに交通費まで


病院持ちで治療するという


状況になることもあるようです(1)。






「助産所は、何かトラブルがあったときのため


助産行為をするなら、緊急時の搬送する病院を確保しなさい」


そんな当たり前の法律に対応できない


助産所が3分の1あり、


「法改正」を希望しているようですが、


それこそ、私には妊婦さんの安全を軽視しているとしか


思えません。






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助産所の3分の1、提携病院を確保できず NPO調査

asahi.com 2007年10月03日
http://www.asahi.com/health/news/TKY200710020487.html


 全国の助産所の3分の1が、出産時の異常に備えて妊婦を搬送する病院を確保できていないことが2日、NPO法人「お産サポートJAPAN」(矢島床子代表)の調査でわかった。来年3月までに確保できなければ、出産を扱えなくなる。産科医不足などを理由に、提携を断られている事例が相次いでいるという。

 今年4月の医療法改正で、助産所開業の要件として、異常時に対応できる嘱託医と、産科・小児科がある嘱託病院の確保が義務づけられた。

 同法人が9月時点で全国90助産所を調査したところ、嘱託病院を「確保できていない」は34%で、このうち半数は「来春までの確保に向けて交渉中」と回答。「自分の病院の患者で手いっぱい」などと断る病院が多いという。

 同法人は「このままでは来春以降のお産の予約を断らざるをえない助産所が出る」として、医療法の再改正を求めている。

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(2)に

日本産婦人科医会の


嘱託医契約書モデル案
2006年12月 助産所との嘱託医契約について


があります。


意訳ですが、

第5条 (3)無理な出産は適切な時期に、搬送しましょう。遅れて送っても、責任は助産師にありますよ。

第6条 助産行為での訴訟は、助産師がやりましょうね。産科医は責任を持ちませんよ。

第7条 対応できるだけの資金力は必要ですよ。

第8条 2 妊婦を転送して、そのために産所が損したり、信用をなくしたからって、交通費や人件費を病院に請求されても困ります。





「ぜーんぶ責任をなすりつけて、


遅れた搬送、訴訟、交通費や人件費の請求、


そんなものを病院に押し付けているうちは


提携できません」






逆に言うと、


そんなことばかりあったので、


産科の先生方が


出産を取り扱う以上、


きちんとしてください、


と言っているのです。






あまりにも助産所に肩入れのある報道が


多いのですが、


「じゃあ、法改正をして、搬送する病院がなくてもいい」


ということに妊婦さんの賛同が得られるのでしょうか?


はなはだ疑問です。



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追記:


探していたデータを


ssd's Diary

http://ssd.dyndns.info/Diary/2007/10/03.html

の中で見つけました。


いつも大変お世話になっております。





厚労省HP内の資料


産科における看護師等の業務についての意見 日本産婦人科医会

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/09/s0905-7f.html


にあるように


助産所での出産数は

全体の1.0%


そのうち、3割の助産所が提携病院を見つけられず、


つまり、全出産数の0.3%に

影響が出る恐れがある



98.8%の出産を取り扱っている


病院、診療所を壊滅的な状況に追い込んで、


助産所の権利を広げようとしている


厚労省の「医政局看護課」。





さまざまな、通達を駆使して、


助産師の権利を拡大させようとしていますが、


現実問題として


大多数の病院、診療所がその通達によって


廃業、集約化を余儀なくされています。





一体誰のための改革なのでしょう?







>医療法の再改正を求めている。




簡単に言うと、助産所は、


以前のように、

助産所の嘱託病院を、出産と関係ない

内科や眼科、皮膚科でもOKにしてください


と言っているのです。




これで出産の安全が確保できるのでしょうか?


皆さんはどう思われますか?






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(1)
■安全に、が抜けてる 「出産に携わることが本来の役割」--舞鶴医療センター「院内助産所」
http://ameblo.jp/med/entry-10044865488.html


「助産所、廃業の危機…産科医不足補うはずが」 「お産といのちの全国ネット」要望書
http://ameblo.jp/med/entry-10028547071.html


ある助産所からの搬送例 開業助産所と嘱託医問題
http://ameblo.jp/med/entry-10028113233.html


助産所「安全確保に限界」 助産所の安全性確保についての議論
http://ameblo.jp/med/entry-10028061528.html


彦根では「医師1人体制での院内助産院は危険が大きいことが分かった」らしい。彦根産科閉鎖
http://ameblo.jp/med/entry-10026956953.html


違法診療で存在感を増すのか? 「(4)頼りは助産師/不安解消へ 増す存在感」
http://ameblo.jp/med/entry-10025226322.html



(2)

「嘱託医契約書モデル案」 開業助産所、3割ピンチ 嘱託医義務化に確保厳しく
http://ameblo.jp/med/entry-10025441678.html