ネタ元は
伊関友伸のブログ
http://iseki77.blog65.fc2.com/blog-entry-1703.html
です。
いつも大変お世話になっております。
国主導による
医療費抑制が
人員、体制の
圧倒的な不十分さから
多くの地方の工夫すらぶち壊し、
僻地医療は崩壊していきます。
その結果は、
国が望んだ医療費の削減に直結する
「病院数、ベット数の削減」
です。
地方医療が荒廃し、
国は重い通りに
医療費の出費が抑えられて
笑いが止まらないことでしょう。
http://www.373news.com/modules/pickup/article.php?storyid=4101
鹿屋市での小児科の夜間・休日救急医療を開業医が当番制で担当している「鹿屋方式」が崩壊の危機だとして、関係者が25日、同市役所で意見交換会を開いた。今後も各自治体が地域医療の現状を把握し、共通認識のもとで対応を検討することで一致した。
鹿屋市では2001年以降、「鹿屋方式」を採用。近年は同市外や救急以外の患者が当番医を訪れ、受診患者数が増加している。会議は、負担増で救急患者への対応ができない現状への対策を求める開業医の声を受けて開かれた。
大隅半島の首長や議会議長、各地区の医師会、県や消防など約60人が出席。鹿屋市医師会の池田徹会長は「大隅半島の多くの病院が医師不足で、大隅の救急医療は崩壊寸前。医師、行政、市民が一体となって救急医療のあり方を考えなければならない」と話した。
鹿屋市や市医師会などは今後、市民も交えて会議を開く方針。市医師会は既に、公設公営の夜間急病センター(仮称)の早期設置を求める要望書と約2万5000人分の署名簿を市に提出している。
鹿児島県内の小児科をめぐっては、霧島市立医師会医療センターの小児科が4月から休診、南さつま市の県立薩南病院は7月から休診の予定。
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周りから一杯患者が来て、
素晴らしいはずの「鹿屋方式」も
崩壊寸前、
という事ですね。
医療費抑制の前には
どんな工夫も
洪水の濁流のような急患で
すべての苦労は押し流される、
といったところでしょうか。
さて、
ここで取上げられている
「鹿屋方式」とは
なんぞや?
2004年に中国新聞が
「鹿屋方式」について取上げています。
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役割分担で急患に対応
小児科医不足 診療を工夫 中尾院長「鹿屋方式」を講演
http://www.chugoku-np.co.jp/kikaku/child/news/040310b.html
2004.3.10 中国新聞
小児科医が不足した地域の小児救急医療の在り方として、鹿児島県鹿屋市にある県立の鹿屋医療センターの取り組みが注目されている。時間外の小児患者はまず地元医療機関が対応し、入院治療などが必要な重症患者のケースは同センターの小児科医が対応する「鹿屋方式」とも呼ばれる。センターの中尾正一郎院長がこのほど、広島市内であった広島小児救急研究会で講演した。
(伊藤一亘)
■まず地元の輪番医/重症なら総合病院
「鹿屋方式」とは、時間外の小児患者をまず地元の内科・小児科輪番医が診断、重症患者の場合に、総合病院である同センターの小児科待機医が治療に当たるシステムだ。二〇〇〇年からスタート。時間外の小児患者の大部分を占める軽症者を輪番医が担当することで、センターは本当に緊急性の高い重症小児の救急治療に対応できる。
広さ東京並み
中尾院長の赴任以前、同センターは軽症、重症にかかわらず、すべての小児患者を受け入れていた。そのため、入院治療が必要な重症小児に対応しきれず、約二時間かけて鹿児島市内まで搬送されるケースが多かったという。
同センターのある大隅地区は、広さが東京都に匹敵する。その中で唯一の小児科の入院施設だ。「地元医療機関では対応できない重症者や高度医療を担うために税金を投入された病院。しかし、地域の中核施設として役立っていなかった」と中尾院長。それなのに、当時の二人の小児科医の超過勤務は月に百時間を超えていた。「限られた小児科医を酷使している」とショックを受けた。
新たに開業も
地元医師会と話し合いを進めた結果、「鹿屋方式」にたどり着いた。輪番医には独自の小児急患マニュアルを配布し、病状に不安があればいつでも同センターに連絡できるようにバックアップ体制を整えた。
当初は反発もあった。しかし、中尾院長は「救急治療が必要な重症患者が出たとき、センターが受け入れできずに困るのは、輪番医自身だから」と説明。現在、医師会からは「現実的にはベター」との声が強い。
鹿屋方式以前の九九年度と二〇〇二年度を比べると、同センター小児科の時間外患者数は二千三百十二人から千三百四十七人と約四割減少。一方で、時間外入院は百四十三人から二百五十四人に増加した。「二時間かけて鹿児島市に搬送される子どもがそれだけ減ったということ」。同センターのバックアップ体制を頼りに、新たに開業する小児科医も出てきているという。
時間外が増加
輪番医とセンターの役割分担で、地域の小児救急体制は整った。だが、センターの医師三人で待機医を受け持つ体制は、卒業後数年の若い医師のおかげで維持できているのも事実。中尾院長は「以前より小児科医が疲れなくなったというだけ。まだまだ地域の小児診療体制という面では不十分」と語った。
核家族化や共働き家庭が増え、時間外の小児受診が増加する一方、緊急治療が必要な小児患者はそんなに多くない。「鹿屋方式」は、現在の小児救急医療が課題を抱える中、対応へのひとつのヒントになりそうだ。
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この「鹿屋方式」システムは、
厚労省が2008年導入の総合医システム
通称、
『カモカのおっちゃんシステム』(笑)
に近いのかもしれません(1)。
同じところは、
1.勤務医が夜に急患を診る。
2.専門以外の複数の疾患を診る。
という点です。
一方、違うところは
1.公的な資格が必要になりそう
2.日地に指定の当番制ではなく、主治医制、つまりは24時間365日いつでも呼ばれる
3.往診もする
4.終末期もする
という、
「鹿屋方式」以上の奴隷システムです。
「鹿屋方式」ですら
崩壊するのですから、
これでは
「カモカのおっちゃんシステム」
「カモカのおっちゃん」同様、
「50歳前後で過労で脳梗塞」
必至ではないでしょうか。
国が、
救急医療をつぶそうとしているのですから
これはどうしようもないですよね。
じゃあ、さようなら、
「鹿屋方式」。
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(1)
総合診療に公的資格 時代錯誤の『厚労省幹部 理想の医師は、「カモカのおっちゃん」』