あらかじめお断りしておきますが、


私はタミフルや製薬会社と全く


利害関係はありません。





異常行動から死去された方には


本当にお悔やみを申し上げます。







報道が過熱するインフルエンザ、タミフルについて。






読売新聞が、同じ日に


別な主旨の記事を載せています。




まずはタミフルを使用しないでも


異常行動が起こりえることについて。




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インフルエンザ14歳男子、タミフル服用せず飛び降り

2007年3月23日3時1分 読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070323i301.htm?from=main3



 西日本で先週末、インフルエンザにかかった男子(14)が、自宅2階から飛び降り、足を骨折していたことがわかった。タミフルは服用していなかった。

 主治医によると、この男子は15日、38度の熱があり、翌日いったん熱が下がったものの、17日未明に自宅2階から飛び降りたとみられ、玄関先で倒れているところを発見された。

 病院搬送時に熱があり、検査でB型インフルエンザに感染していたことがわかった。男子は「夢の中で何かに追われ、飛び降りた」と話しているという。

 タミフル服用後の「飛び降り」事例が相次ぎ、薬との因果関係が疑われているが、服用していない患者の飛び降り例はこれまであまり報告がないという。このケースは来月、厚労省研究班会議で報告される予定。

 インフルエンザの高熱によって幻覚や異常行動が起きることは知られている。薗部友良・日本赤十字社医療センター小児科部長は「全国の医療機関に報告を求め、薬の影響の有無を解明するべきではないか」と話す。

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次に、インフルエンザとタミフルの検証の


浅さを厚労省に問う記事。

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タミフルと転落の因果関係、厚労省「否定的」を撤回

2007年3月23日1時44分 読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070322it12.htm

 インフルエンザ治療薬「タミフル」を巡る問題で、厚生労働省の辻哲夫次官は22日の定例記者会見で、タミフル服用と異常行動の因果関係について「これまで『否定的』という見解をとってきたが、虚心に検討する。今後、判断も変わりうる」と述べ、従来の見解を事実上撤回した。

 また、服用後に異常行動をとりながら死亡に至らなかった負傷事例を分析していなかったことも明らかにした。

 同省によると、転落・飛び降りなどの異常行動による負傷事例は、未成年11件、成年4件。これ以外の死亡事例8件は専門家が分析を加えるなどしていたが、負傷事例は副作用が疑われる情報の一覧表に担当者が目を通す程度だったという。医療機関から今月19日の飛び降りが20日に報告された際、過去の事例を洗い直すまで、同省安全対策課では負傷事例が15件に上ることも把握していなかった。

 辻次官は、「膨大な副作用情報が入ってくるので、死亡事例からチェックしていた。異常行動をひとくくりにして、中身を詳細に分析していなかった」と、対応のまずさを認めた。

 タミフルの副作用が疑われる情報は、2001年2月の発売以来、のべ1763件報告されており、同省は今後、このすべてを検討するという。特に精神・神経系の副作用については、服用の状況や発症の経過を専門家による審議会で詳しく調査する。

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インフルエンザは


基本的に予後良好な疾患で、


症状が落ち着いた段階で


ほとんどの症例で後遺症なく


治癒します。





しかし、すべてではありません。






高熱が引き起こされ、


それに伴う幻覚や精神症状が


引き起こされることが知られています。






またインフルエンザ脳症や


ライ症候群を


まれに引き起こすことが


あります。







現在、日本はインフルエンザに関して


インフルエンザ関連の脳症予防の認識が高い

迅速な診断が行われ、結果として治療薬を大量使用した

全国に包括的な監視体制がある。


という優れた状況にあり、


結果的に


日本はタミフルの世界使用量の


1位であり続けています。




一時は世界シェアの7割を


日本が使用していたのです。


(現在は、それでも3割前後で世界一)












一時期、マスコミで流行った


「ワクチン騒動」


(ワクチンによる副作用を大々的に取上げ、


結果としてワクチン使用量の減少

感染死亡者の増加


という、文盲的な結果になった)




と同様に、


タミフルを使用することで


救命できる乳幼児と、


異常行動をとることで失われる方の検証と、


さらには、


タミフルあるなしでの検討をするべきでしょう。






追加させて書かせてもらいますが、


タミフルの大きなメリットが


全く書かれておりません。





タミフルにて、


インフルエンザの


重症度が軽くなり、


結果的に救命された乳幼児が


多くいるものと思います。





さらに、


軽症化することで


多くの患者さんが入院をせず


自宅で療養できたと思います。


それによる医療費の軽減も


大きなものに違いありません。











これだけ罹患者数が多いと、


どうしても幻覚や異常行動はでます。


これがタミフルと関係があるのか


全くないのか。





科学的な検証が必要だと考えます。






マスコミの皆さん、


あまりにも悪役だと思いこんでいいると


違うかもしれませんよ。












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3月23日付・編集手帳

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070322ig15.htm


 叡智(えいち)の「叡」の字が苦手で、書くたびに字引の世話になる。左側の複雑な部分は何だろう。世話になりついでに字源のくだりを見ると、「深い谷」に「目」を組み合わせたものと説明があった◆字義の通り、科学の進歩とともに森羅万象の隅々まで人間の眼光で照らせればいいが、そうもいかない。目には見えない危険を鼻や皮膚で感じ取り、足もとの「深い谷」を避けねばならない場合もある◆厚生労働省はインフルエンザ治療薬「タミフル」を10代の患者に使用しない方針を決めた。高層階からの飛び降りなど続発する異常行動と服用の因果関係はまだ科学の目では見えないが、嗅覚(きゅうかく)と皮膚感覚に従えば当然の措置だろう◆厚労省にとって難しい判断であったことは認めるにしても、情報の扱い方は腑(ふ)に落ちない。2004年から成人を含めて23件にのぼる異常行動の報告が上がっていながら、これまで公表してこなかった◆使用中止にしないうちはこういう情報は黙っていようね。そう、なぜ中止しないのか、と批判されるからね。使用中止にする時は表に出そうね。そう、なぜ中止するのだ、と批判されないようにね。空耳である。空耳であればいい◆タミフルからはなお目が離せない。科学と人命の深い谷ではなく、体面と保身の深い谷にばかり目が向く「叡」は真っ平である。 (2007年3月23日1時49分 読売新聞)



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こういうように


書くこと自体が、


「ワクチン騒動」


のことの教訓が生かされていない


気がしますが。