前回からのつづき


アメリカの保険会社の保険に入ると


一体どうなるのでしょう?






アメリカに住んでいるときに


かなり屈辱的な状況に会いましたので、


わたしはこの制度が


とても日本にあうとは思いません。





この文章を読むときの注意点としては、


●メキシコからはアメリカの富を求めて大量の不法移民がいます。

しかし、医療移民としてアメリカ人はカナダに越境し、カナダの社会保障で治療を受けています。

そのため、「カナダに治療に行くアメリカ人は、まるでアメリカに不法にはいるメキシコ人」と揶揄しているのです。


●実は、アメリカの保険会社の保険では、「すべての病気が対応できない」。

一社一社、すべてに辞書のような適応と適応除外の病気があり、

驚くことに保険の多くは歯科、眼科疾患は”治療できない”ことがほとんどです。


大抵はオプションですが、高額であり歯科、眼科のオプションをつけない人も多数います。


●アメリカの自己破産の理由の第2位は、「医療費」です。

病気が治っても、住む家がなくなることも良くあります。

そのまま「ホワイトトラッシュ」(くずのような白人)に落ち込む人も多数います。


●アメリカは外注で、色々なことを「インドにお願いしている」。


旅行会社の予約システム

電気製品のクレーム担当

はたまた

CTやMRIの読影

まで、

無料のテレフォンコールは人件費節約のため、

かなりの確率でインドにつながっています。


だから、アメリカでイボに困っている筆者は、切々と事態を訴えているが

実際は、アメリカ人ではなく、インドの人と話をしているのに気付き、

がっかりするのです。



●実際、家族4人で保険に入ると、

(保険料は州ごとに違うのであるが、)

大体、7-8万円が月の相場でした。


これでも、「眼科」と「歯科(年額10万円まで)」が

入っているので、


すごい”ナイスなコース”、


といわれたものです。


●保険会社と契約している医師でしか、

保険を適応することが出来ません。


素晴らしくいい保険でも、

全然登録医師がいないプランもありますし、

先月までかかっていた医師が


「この病院は来月から君の保険プランから外れるから」


といって、来月からは保険が利かなくなることもザラです。


プランに入っている専門医が、100km以上離れていることも

アメリカではありえます。



と、


この文章では、アメリカ流の


皮肉たっぷりの表現が使われていて、


読むときに額面通りではないことに


気をつけてください。





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2億5,000万人が保険に加入、それでも困窮
それ以外の人には医療危機
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2007/03/post_691e.html

(後半部分)
by テッド・ロール:2007年1月17日Common Dreams掲載

ケチで入らない人もいる。月額500ドル以上の医療保険に入る代わりに、医者にかかる都度に医療費を払うほうが結局安上がりという賭けに出る者もいる。しかし、保険に入っていない4,700万人のアメリカ人のほとんどは、お金がなくて保険に入れないのだ。国家的スキャンダルより尚悪いことに、この国の破綻した医療システムは国際的恥辱だ。ヤケクソになったアメリカ国民数十万人が、他の工業国で一般化している社会福祉システムに寄生するために国境を越えている。

「お前らアメリカ人にはもうウンザリだね!」

ニューヨークの北方、国境沿いにあるカナダの或る病院で、緊急治療室の医者が俺の友人に向かって言った。階段から落ちて腕を骨折した友人は、彼女の運転する車に乗って、マンハッタンから8時間かけてケベックにやって来たのだ。

カナダから見りゃ、俺たちはまるきりメキシコ人だ。

1993年の、クリントン夫妻が保険業界の利益を守るためにややこしくした法案を実現し損なって以来はじめて、存在しないも同然の医療システムを幸運にも修正する機会が巡ってきた。民主党は二つの公約を掲げて議会を支配するに至った。イラクからの撤退と医療システム修正だ。中間選挙の2週間前に実施されたUSAトゥデイ・ABC放送共同世論調査によれば、アメリカ国民の80%が膨大な医療費に不満を訴えている(60%はきわめて不満と回答している)。

実際、膨大な金額だ。2006年、企業が従業員向けに負担する4人家族向け医療保険の掛け金は平均で年額1万1,500ドル(約134万3,395円)で、時給8ドルのフルタイム労働者の年収よりも高い。アメリカ人はこのムカつく医療システムに年間2兆ドル-国防予算の4倍-を支払っている。さらにその費用は年々上昇し続けていて、上昇率はインフレよりも2倍から3倍早い。

助けが必要な人への支援策を敬遠しがちな共和党員でさえ、事態に気づき始めている。共和党中道派のアーノルド・シュワルツェネガー加州知事は、カリフォルニア州に住み保険に加入していない75万人の児童(不法移民含む)向けに、医療保険を提供すると提案して支持を拡大し、さらにその保険を大人にも拡大するとしている。ニューヨークタイムズ紙が社説で言うように、「児童を先にもってきたのは得策である。というのは、子供は総じて健康で、保険料も安いからである。」

世界最高の金持ち国家で、数千万人の市民が自己破産寸前で生きているなんて酷すぎる。抵当流れの25%は高額な医療費が原因というのはご存知?

しかも、二番目の問題として、誰も話したことのないさらに大きな医療スキャンダルがある。2億5,000万人の、幸運にも医療保険に加入できているアメリカ人も、無保険者に比べてそんなに良いわけでもないのだ。

労働者や雇用者は月額平均で465ドルを医療保険会社に支払っているが、保険会社側は契約上のあらゆる怪しい策略を使って支払い要求を斥けている。


加入前の病気?適用外です。

保険プラン内の医者に診てもらうために数時間ドライブするのが苦痛?

じゃあ自分で払ってくださいね。

高額な専門医に観てもらわなきゃいけないくらい異常な症状?

ダメですよ。

慢性の症状には長期的なケアが必要だと思われるかもしれないが、保険担当者にとっては単に支払い拒否の口実を与えるに過ぎない。

どんなことでも運はある。しかし見込みでは、控除額は支払額を上回るだろう。

支払い要求を拒否する合法的な言い訳を思いつかなかった場合でも、保険会社はやっぱり支払いを拒否する。保険会社側は賭けに出るのだ。請求する客のほとんどは、複雑なボイスメールのたらい回しや、不可解なウェブサイト、果てしない待ち時間を前に途方に暮れて、あまりにも弱気になって保険支払い拒否に抗う正当な主張を諦めるだろう。保険会社は、単にあなたに消えて欲しいだけなのだ。

眼科と歯科の問題まで話すのは止めとこう。どちらも保険プランに加える雇用者は減る一方だ。おいおい、目と歯はそんなに重要じゃないってのか?

医療保険を新兵募集の目玉にしている軍隊でさえ、傷病兵の看護任務は果たされていない。2005年12月、ブラッドリー・ブラウン初等兵は、背中の痛みを訴えてオクラハマ州シル基地の陸軍軍医に診察を依頼した。ブラウンがサウス・ベンド・トリビューン紙に語ったところによると、「軍医は抗炎症非ステロイド薬としてナプロキセンを処方し、X線検査のため静脈に染料を注射した。」

それから2週間後、ブラウン初等兵はインディアナ州の緊急治療室に運び込まれ、IgAネフロパシー(腎症)と急性尿細管壊死の患者として命を落としかけていた。二つの症状の原因は「複数あるが、内二つはX線検査用に静脈注射された染料と、抗炎症非ステロイド薬であった。」ブラッドリーは腎臓移植を要求したが、彼を放り出しておいて入院中の給与支払いを拒否した陸軍側は、要求を拒否した。「どうしてこんなことが許されるのか」母親は怒り、軍側の処置の結果として吃音と記憶障害になった息子を助けるよう陸軍側に要求している。「完全な健康体として息子を入隊させたのに、台無しにされてしまった。」

俺の個人的な医療体験では、いくぶん些細な問題だった。左手のイボだ。かかりつけの皮膚科の医師は、そのイボを液体窒素で切除して、150ドル(約1万7,502円)請求してきた。保険適用を請求すると、保険会社は支払いを拒否して簡潔に言った。「非必須処置でした。」それから1時間半待たされて、手紙を3通書かかされ、ようやく血の通った保険担当者と当該の問題について電話で話し合うという特典にありついた。俺は聞いた。「イボを処分しちゃいけないってのは、お宅のポリシーなのか?」

保険会社の担当者は、ベッキーと名乗る女性で、丁寧だが頑固だった。なにしろ、会社は彼女が無神経になるように金を払っているのだ。

「このような処置は必須ではありません。」彼女はそのように答えた(らしい)。

「俺の理解したことを確認すると」俺は説明した。「お宅の主張は、客がイボを抱えたら、イボと共存すべきってことか?」

「そういう意味じゃありません。」

「じゃ、どういう意味だい?」

「その支払い要求は非必須として拒否されたのです。」

「あんたの会社の保険が適用されるイボの切除法ってのは一体存在してるのか?」

まわりくどい議論の後、彼女はついに折れて、どのようなイボであろうと、切除には患者の費用負担しかないことを白状した。

「イボで死にそうだったと言ったらどうなる?」本当の話だ。大学時代、胸にイボが出来た。それから20時間後、俺は緊急治療室で、好奇心一杯の医者達がボンヤリと超殺人イボを見守る中で輸血を受けた。そのイボは動脈に穴を開けて、ガールフレンドの部屋の壁に血を撒き散らした。幸いにも、そして共和党にとっては不幸なことに、俺は起き上がって助けを呼べたわけだ。

ようやく彼女に居場所を尋ねることができた。「私はバンガロール(インド)に居ます」彼女は言った。

「とにかくね、ベッキー、イボが出来ないようにしてみろっての。」

解決策は明白だ。医療保険を国営化すること。医者と看護婦は連邦政府の職員にすること。病院は治療の場にすべきで、企業が株主のために利益を稼ぐ場所にしないこと。

公的医療制度がそんなに過激だというなら、医療費を政府負担にすればいい。


その場合、鍵となるのは、医者と患者の両方から搾取する保険会社を廃業させることだ。

とどまるところを知らないほど企業化された医療保険業界の貪欲さには驚かされる。ユナイテッド・ヘルス・グループ社は現在フォーチュン500社ランキングの37位にいるが、2006年度の純利益は33億ドル(約3,851億円)で、前年比28%の上昇だ。ウェルポイント社の純利益は25億ドル(約2,917億円)で、前年比157%上昇。あなたの給料が28%アップしたのはいつ頃だったっけ?157%?まさしく血のにじむような金だ。保険未加入者や治療不完全のアメリカ人の死で、一体どれほどの利益がもたらされているのか?

これら強欲な存在は石油企業よりも悪い。公共交通機関のある都市に引っ越すこともできるし、ガソリンを無理して買う必要もない。しかし、ブラウン初等兵は何が何でも腎臓移植が必要なのだ。この国は小国じゃない。それくらいの余裕はあるはずだ。(以上)

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>公的医療制度がそんなに過激だというなら、医療費を政府負担にすればいい。

>医者と患者の両方から搾取する保険会社を廃業させることだ。

残念ながら


日本では医療費が政府負担で


保険会社は全くかんでいませんが、


これからそうなります。






おばかな日本政府は、


日本の優れた制度をかなぐり捨てる


覚悟が出来たようです。







日本はすぐこの「最悪のシステム」を取り入れ、


このあとを追うことになるでしょう。






自由診療をめざす日本の医師も、


保険会社との板ばさみになり、


結局は、医師が


「保険会社の犬」


に成り下がる可能性を


常に念頭に置くべきです。





諸手を上げて、


国民皆保険廃止、


医療自由化、


という意見に賛成できないのは


そんな私のアメリカ経験から来ています。