やっと、医療の現実に


報道が追いついてきましたね。




でも、


もう遅すぎますが。




--------------------------------

医療クライシス:忍び寄る崩壊の足音/2 過労死基準超える残業

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070124ddm002100022000c.html

毎日新聞 2007年1月24日 東京朝刊



 ◇「次世代が増えないと限界」

 横浜市立大母子医療センターの産科主任、奥田美加医師(40)は、夕方過ぎに病院から自宅へ電話を入れるのが日課だ。小学1年生の長男(7)からは、決まって同じことを聞かれる。「ねえ、今日帰ってくるの?」

 月7~8回当直し、連続36時間勤務や土日の呼び出しは当たり前。自宅で食事中に呼び出され、泣きそうな顔の長男を残して出勤することもしばしばだ。予定外の手術も多く、学会発表の準備などもある。勤務時間は週75時間以上に達する。

 奥田さんは「何とかやれているのが本当に不思議。次世代が増えてくれないともう限界」と話す。しかし、産科は研修医から敬遠されている。神奈川県で06年春に初期研修を終えた600人のうち、産婦人科医を選んだのは10人だった。

 厚生労働省の「医師の需給に関する検討会」の調査では、医師は平均で週に63・3時間働いている。平均的な医師でも月90時間以上は時間外労働をしており、同省の過労死認定基準が目安とする「月80時間の時間外労働」を超えている。

   ■   ■

 「医者なんてろくな職業じゃない」。小児科医を目指し、神奈川県の病院で研修医生活を送る千葉智子さん(25)は高校3年だった99年春、小児科医の父、中原利郎さんから医師への道を猛反対された。

 その夏。「父は過度のストレスを感じている」との心配が的中してしまう。白衣姿で勤務先の病院の屋上から飛び降り自殺した。44歳だった。

 自殺の半年前、小児科部長代理になった。責任が重くなる一方、退職や転職で半減した医師の補充もなく、当直日数が増えた。遺書には「経済大国の首都で行われるあまりに貧弱な小児医療。医師を続ける気力も体力もありません」とあった。

 智子さんは、医師の労働条件を整備しようと、厚労省の医系技官を目指した。しかし、小児科の講義で「小児には発達があり未来があり、病気が治る可能性がある」と聞き、父の思いの原点を感じて心が動いた。父親に認めてもらえるような医師が目標だ。

 労災認定を求めて薬剤師の妻、のり子さん(50)が起こした行政訴訟の判決が3月、東京地裁である。のり子さんは「夫のような悲劇が二度と起きない医療現場になってほしい」と訴える。

 一方、大阪高裁では2月、看護師の過労死認定を巡る訴訟の控訴審判決が言い渡される。

 原告は、01年3月にくも膜下出血で亡くなった国立循環器病センター(大阪府吹田市)の看護師、村上優子さん(当時25歳)の遺族。当時、村上さんが友人に送ったメールには「日勤が忙しくて、帰ったのは22時前でした。寝る時間がほとんどなくってそのまま深夜(勤務)に突入。もう始まったときからふらふらでした」とあった。

 1審判決は遺族側全面敗訴だったが、裁判を支援する会の仲村幸治事務局長は「看護師の職場環境は劣悪。村上さんの例は氷山の一角だ」と訴える。

   ■   ■

 05年秋の米国医師会雑誌に、過労による医師の能力低下を調べた論文が掲載された。週80~90時間働き、夜間の呼び出しもある小児科研修医の注意力などの能力は、週44時間勤務の小児科研修医が飲酒した状態と同じ程度に落ちていた。

 医師不足による過労は、患者の安全も脅かしている。=つづく



--------------------------------

>神奈川県で06年春に初期研修を終えた600人のうち、

>産婦人科医を選んだのは10人だった。



失礼ですが、


1県で新人10人。


「お、多いな」


と思いました(苦笑)。


本当に。


--------------------------------


某巨大掲示板では

このように言われていました。




産科医絶滅史第12巻ー子守唄はもう聞こえない
544 名前:卵の名無しさん [] :2006/06/29(木) 14:42:48 ID:hzvAvzjN0
2006年度産婦人科新規入局者数一覧 - 2ch版

◎北海道4:北海道0,札幌医4,旭川医0
◎東北7:弘前0,岩手医1,秋田1,東北0,山形1,福島医4
■関東:群馬2(女1),独協医,自治医6(女5),筑波4,埼玉医1,防衛医,千葉3(女?),医科歯科,
 北里0,杏林,慶應12,慈恵医5,順天 ,昭和14, 女子医7(4),帝京,東海0,東京14,東京医,
 東邦,日本0,日本医4,聖マ医4,横浜市5
■中部:新潟9?(女3?),金沢0,金沢医0,富山医薬0,福井2,山梨1,信州3,浜松医3(女3),
 岐阜,愛知医0,名古屋10名以上(JOYばっか),名古屋市医0,藤田1,三重0
■近畿:滋賀医1,京都9(女7),京都府0,奈良医1,大阪4(女4),大阪医3,大阪市医,
 関西医2(女?),近畿医,神戸2(女2) ,兵庫医0,和歌山医0
◎中国:鳥取1,岡山5(女3),川崎医2,島根0,広島2(女1),山口0
■四国:香川0,徳島2(女2),愛媛,高知
◎九州・沖縄14:九州2,久留米0,産業医0,福岡0,佐賀2,長崎1,大分2,熊本1,
 宮崎3,鹿児島3,琉球0

--------------------------------


2006年新人産婦人科医は、


北海道で4人、東北で7人、四国で2人(女性のみ)


って、産婦人科医になるのは


人間国宝みたいなレヴェルだと思いますけど(苦笑)。






神奈川で新人産科医10人なんて

すごく多いじゃないですか。












>平均的な医師でも月90時間以上は時間外労働をしており、同省の過労死認定基準が目安とする「月80時間の時間外労働」を超えている。




以前からデータはあったのですが、


過去に新聞各社は、


巧妙に週での労働時間と


月での労働時間を


ビミョウに混ぜて記載していました。





要は、


厚労省の基準では、


もしかしたら


今すぐにでも、平均的な医師は全員過労死するかもしれない


って事ですよね。





さらに問題なのは、


この事実を知っているにもかかわらず


厚労省は全く対策を取らず、


現場での努力に任せているのみ、


という事実です。








都道府県や市町村の事務に


こんな事実は理解できないでしょう。








だから、事務からは


「医者の頑張りが足りない」


って精神論ばかり出てくるんです。









過労死しないように


するには、一刻も早く


戦線離脱しなくてはいけません。