アマゾンより届きました。
誌面構成とかは前回よりも良くなってはいるが、結果的には前回よりも酷くなったという、最悪の本ですな。
前回は読者投稿欄レベルの作例のみで構成されていたから、バカにされるだけで済んでいたが、今回は「大河原コンテスト」の受賞作が載ってしまったがために、比較対象と並んでしまうと言う不幸が重なってしまい、アマチュア感丸出しの、学生のプラモ同好会が文化祭で展示してるみたいな印象になってしまっている。
ライター陣がどう思っているのかは分からないが、「プロモデラー」を名乗るのはおこがましいとしか言いようがない。
正直、創刊当事のBクラブや、タカラのデュアルマガジンレベルのアマチュア感が漂うが、それでもそっちの雑誌の方がマシだと思える。何故なら、あれは当事の大らかな社会事情があった時代の産物であり、またライターや編集者もそれを理解していて、誌面で読者からの駄目出しを紹介して、ライターや編集者が謝罪するコーナーを作るなどしていたからだ。そこまでやれば、ヘタな作例も「ネタ」として笑って許してもらえた時代でもあったのだ。
では、個々に見ていくとしよう。
まずは表紙。感想は一言「なんじゃこりゃ?」である。メインのザクの酷さもさることながら、レイアウトが理解不能。なんでガンダム載せる必要がある?「ライバル」として載せるのなら、背中合わせに置くとかして「ライバルとしての見せ方」をするのが普通だ。レイアウトした奴のセンスがなさすぎ。
で、作例だが、創刊号では遠慮して書いたが、ざく太郎氏のザクが酷すぎるので、今回はいくつか駄目な部分を指摘させて頂く。曲がりなりにも「プロモデラー」を本人が名乗っている以上は、賛否両論合わせて批評は受けるのが筋であるし、本の代金を払った消費者としては代金分の感想や文句を言う権利があると思っているからだ。
本分中に「設定画の再現」とあるが、正直な話、前回のガンダムでも感じたことだが、ざく太郎氏には設定画を読み解く能力が欠けていると思われる。
今回のザクを見ても、設定画を再現したと思う人は少ないと思う。
例えば前回のガンダムだが、「ガンダムの膝は外を向いている」とこれ見よがしに説明しているのだが(みんな気が付かないけど、俺は分かってるんだぜと言っているように感じた)、実際にはまともに再現できていない。確かに氏のガンダムは膝は外に向いている。しかしだ、膝の左右の丸モールドは膝に接続されているパーツなので、膝と一緒に外側を向いているのだが、氏の作例では腿側に付けられているので、腿と一緒に正面を向いているのだ。分かっているようで分かっていない例だと言える。
で、今回のザクだが、「肩がハノ字」。私には設定画を見る限り、肩がハノ字になっているとは思えない。ストリームベースの作例で有名になった表現だが、「らしく見える」という模型表現であり、設定画の表現ではないと思う。
次に違和感だらけの脚。
黄色線で囲った足首の甲だが、設定画を見る限りRがかかっている。しかし作例は何故か直線。また足首全体が高さ不足だし、ムダに前方に突き出しているためにバランスが狂っている。
大腿部を不必要に大型化するのが氏の作品の特徴だ。私は作風だと思っていたが「本人には設定画通り」という勘違いだったことがここで分かった。ムダに大型化したことでスカートが不自然に横に広がってしまっているのも理解不能。中庸でバランスを取るということを考えない人なのかもしれない。
頭の後ろの動力パイプの接続部だが、設定だと頭の下面合わせで付いているのに、作例だと真ん中に付いている。キットだと設定画と同じ位置にあるので、わざわざずらしたことになる。恐らく、頭を幅詰めしたことで、形が合わなくなった動力パイプのために、接続部の位置を動かしてごまかしたのだと思う。
左右で腕やスカートの長さが違うと言うのは、アマゾンのレビューにあった通り。
全体的に手抜きが多い。指もスジボリでお茶を濁さずに再現するべきだし、可動を殺してポーズ固定にするのなら、「可動のための切り欠き」も全部塞いで設定画の形にするべきだろう。
それとプロなら自分の作り方の欠点くらいは読者に説明するべきだと思う。
大腿部を伸ばす(あるいは取り付け位置を変えて大腿部を長く見せる)それが氏の作風なのだが、当然これは模型の全長が上下に伸びることを意味する。18m設定のガンダムなら1/100だと18cmだ。上下に伸ばしたことで19cmとかになればもう「1/100スケール」ではなくなるのだ。「お手軽改造」と読者に勧めるなら、欠点くらい説明するのは他誌でもやっているので、ある意味常識だと思う。
これは創刊号に載ったポーズの話だが、氏の作例こそが「緊張しまくりの直立不動」の典型。
設定画もそうだと言う声もあるだろうが、安彦クリンナップの設定画は皆柔らかい印象を受けるから、再現しきれていないだけ。
あと氏はポーズ付けが苦手なのかもしれない。
今回の作品群の中で一番酷いと思ったのが、グフだった。
ドダイに乗った直立不動のグフ。これはありえないだろう。
新規に作ってこれはない。ドダイが加速でもしたら、バランス崩して後ろに落ちるだろうとしか言い様がない。普通は腰を少し落として「踏ん張った」ポーズを取らせるべきじゃないか。
アニメを見たことないんじゃないかって、感じた。
自分で作れる・作れないは別にして、素人でもこれだけ欠点の指摘はできるのだと言うことを自覚して欲しい。
マスターベーション見せられて喜ぶ消費者はいないことも自覚して欲しいと思う。
表紙を任されるということは、ざく太郎氏はRRメカニクスのエースモデラーであり、また売り方から考えてネットモデラーの代表なのだ。それがこんなお粗末さでは、ブログや投稿サイトで活躍するネットモデラー全体がバカにされかねないので、迷惑なことでもあるのだ。
編集が無能と言う理由もあるだろう。しかしだ、ヘタな見せ方や誌面構成をされたとしても、最終的に恥をかくのはライター自身だ。編集に対して駄目出しはできないと思うが、「これが売りなのでこういう見せ方をして下さい」とか提案はできると思う。
「俺の作品、雑誌に載るんだぜ」って舞い上がる気持ちは理解できるが、「できないこと」を断る勇気も必要だと思う。プロとしてやっていける技術を持たない者が活躍中のプロと対決してもフルボッコにされるのは目に見えているのだ。自分の身は自分で守るしかないと思う。
次回以降もざく太郎氏がメインを張るものと思うので、我等の代表である氏には、より一層の奮起を期待しているので、厳し目の感想を書かせてもらった。
MGサザビー
表面処理を一からやり直してこいと言いたい。
バッシュ
可動部にかなり手を入れているようだが、アクションポーズの写真がほとんどないので、生かされてないか、あるいは大してポーズが取れないかのどちらかだろう。
塗装は私の筆塗りと大差ないので、近親感を覚えた。だけどこの作例はエアブラシ塗装である。
スナッピングタートル
プラモ仙人「なべりん」氏は旧キットをそのまま作る人ってざく太郎氏が紹介してた気がするが、MGグフの腕を使うなど、色々と改造している。だったら、何故前回のバルキリーやエルガイムが無改造だったのだろうか?編集の指示が変わったのか?
ウインガルジー
なべりん氏の作例だが、これが一番好感が持てた。
オーソドックスなキットの雰囲気が出てて、まあ、可もなく不可もなくではあるが。
ガバメント
悪くはないと思うが、元キットの持ち味が殺されてる気がする。
パッケージの完成写真の方が全然カッコいいんじゃないかと感じた。
ザカール
サザビーほど酷くないが、これも表面処理が駄目。
あとキットパーツを使うなら、バリ取りくらいはしてくれや。
ファルゲン
これは何でしょう?
「ファルゲンのような何か」という作品。
以上がライバル特集の作例たち
個人的にはビッグダイXの完成度の高さが凄いと感じた。元キットの写真と比べると、フルスクラッチと言わんばかりに変化している。
で、最後の方の大河原コンテストの受賞作。
こっちをメインにした方が良かったんじゃないかというのが、この本を手にした人の感想になると思う。
ウェーブのE3特集ははっきり言っていらん。
20cm大のキットなのに、アザルトガリアン8万、スリングパニアーバイファム5万とか気の狂った値段の商品を紹介されても、スポンサーに媚びるページとしか思えない。
値段を考えたら、凄いキットで当然なのだが、値段分の価値があるとは思えないからキチガイに感じる。
78000円(税抜き)したボークスのレッドミラージュを買ったが、それみたいな魅力が感じられないのよ。