今日届いたので見てみた。


結論から言うと、「好きだから私は今後も買うけど、一般的に見たら買う価値はない」というレベルの本だ。


ざく太郎さんの作例が目当ての人は、本を買わずに氏のブログを見た方がはるかにマシだと思う。



http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00BJMAWQU/ref=oh_details_o02_s00_i00?ie=UTF8&psc=1



基本的なことはAmazonのカスタマーレビューがほとんど代弁してくれてるのが、個人的に感じたことを少々。


モデルアートらしくない本だというのが一番大きい。

私個人の感覚なのだが、「プロ意識が高い玄人集団」それがモデルアートの紙面から感じる印象だ。

当然それは編集や構成にも現れていて、ホビージャパンや電撃ホビーマガジンのハウトゥ本が子供騙しに見えるほど、模型に対する造詣が深く、「何を見せたい・何を伝えたかい」かが如実に伝わってくる、プロとしての矜持に溢れた本ばかりをリリースする会社だと思っている。


だが、この本はどうだろうか。

編集者が違うのか、キャラクターモデルの知識がなく、勝手がわからないというもあるだろうが、それを差し引いてもお粗末すぎる。

例えばバルキリーやエルガイムは無改造のストレート組みだが、半端なことをやっている印象しかないのだ。他の雑誌のように、今風のスタイルに変換する、現在のマテリアルでアップデートする、そういうことをしなくても「無改造でも昔のプラモは魅力に溢れています」というようなことを伝えるのが目的とも思えないし、それを感じることもできない。ただ単に「どう料理していいか分からないから、とりあえずそのまま組んでみました」的な、適当なやっつけ仕事にしか見えないのだ。

何か目的があるのかもしれないが、それを伝えることができてないのが、モデルアートらしくない部分と感じる。


個人的には1/100ザブングルの変形に期待していたのだが、おかしなプロポーションにゲンナリだ。

「なんでボックスアートのプロポーションで作らんのよ」って言いたい。

また私の一番嫌いな調理法で仕上げられているのも痛い。

私個人はアニメの絵や設定画のスタイルや線を尊重するタイプだ。そのため可動範囲を拡大するためにデザインをアレンジしたり、設定にない切り欠きや分割を作るのは「負け」みたいに感じているので、余計に拒絶反応が起きてしまうのだろう。



そして最大の欠点は、私の毛嫌いする「アマチュアブログ特有の駄目な部分」が前面に押し出されている点だと思う。プロ意識の欠如というか、甘い・ヌルイという、「自分に対する厳しさ」がないのだ。

ブログで載せる分には「趣味の物だから」という言い訳も通るだろう。だが本として出版し、有料で販売する以上は「人様に見せる最低限度の体裁」と言うものがある。

それが欠如した本は「プロの仕事」としてお金を取っていい訳はないのだ。


次号以降に期待するが、これが改善できないなら2,3冊で廃刊ってことになるだろう。


まあ、私ごときヘタクソが言うのも僭越なのだが、本の値段に対する率直な意見なのでご容赦願いたい。