いち元JW2世の社会復帰方法 ー思想とキャリアの再構築まで
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メメント・モリ ― 人生の終わりを意識する

自分が40歳を過ぎたことに加え、子どもの成長を目の当たりにするからか、人生振り返りモードになることが時々ある。

 

そうした中で、こんな訃報を目にした。

投資家の瀧本哲史さん死去

 

直接、同氏を存じ上げていた訳ではないが、いくつかの著書を通して学ばせてもらうことが多かったので衝撃だった。享年47歳。

 

ずば抜けて優秀な頭脳やキャリアに目が行きがちだが、同氏を直接知る人たちによる人物評や感謝の言葉に、氏の厳しくも暖かい人柄が偲ばれる。

 

長生きリスクが叫ばれる日本で、こんなに有能で日本社会の将来のために尽力してきたような人物が、なぜこうも早く召されてしまうのかと、ひとり勝手に理不尽さを覚えてしまう。と同時に、自分は今死んでも後悔ないか、という問いも自ずと浮かんでくる。

 

下記に、瀧本氏の著書の一部をご紹介します。これから人生を立て直したい人にもお勧めしたいですし、「ミライの授業」は子どもにも将来読ませたいと思っています。

 

 

 

ミライの授業 ミライの授業
1,620円
Amazon

 

 

たもさんの『カルト宗教信じてました。』を読んだ件

今更ながらKindle版で買って読みました。とてもよかったです。

 

 

読んで感じた感想をつらつらと。ネタバレあまりしない程度に。

 

・たもさんと自分の年齢が1つ違いなので、出てくる話題が世代的にめちゃ共感

 

・たもさんのお母さんと自分の母親の反応パターンがかなり似ていて苦笑(主婦でJWになった人あるある)

 

・息子さんの手術にあたって「自分の命を全部あげてください」と祈るくだりは、自分も二児の父なのでウルっと来てしまった

 

・漫画には描かれていないが、たもさんは真面目で頭が良い(13歳でバプテスマを受け、教理を真面目に理解し、模範的な2世だった等)

 

・しかも美人と思われる(そう描かれていないが、開拓者学校で今の旦那さんに見初められ、難局がありつつも結婚に至っている)

 

・夫婦で離れるにあたって、たもさんが幼少期を過ぎた5年生くらいからJWに入ったことと、旦那さんもバランス感覚の良い人だったことは、かなりプラスに働いたと思われ、とても良かったなあと感じた。ここで意見が合わずに辞められない夫婦(特に旦那)が多い気がする

 

・覚醒してから「自分は何をしていたの?」のくだり、その後の感情の起伏は、自分も経験したので共感

 

・「ハルマゲドン来る来る詐欺」は笑った

 

あとがきで、「覚醒させようとして信者に読ませるのはやめた方が良い」は、さすがだなと思いました。同感です。

 

色々書きましたが、手放しでお勧めできます。特に真面目にやってきた2世は共感するところが多い気がします。

 

 

平成の終わりと美智子皇后陛下との思い出

いよいよ、今日で平成が終わります。

譲位による改元になることで、これほどの祝賀モードで迎えられるのを見るにつけ、今上天皇・皇后両陛下の日本国民への想いの深さに改めて頭が下がります。

 

僕には、非常にささやかですが、美智子皇后陛下との思い出があります。

 

中学生のある日、その日は学校行事の振替休日で休みでした。一方、世の中は平日ですから休みは自分たちだけでした。

 

その日、ふらっと自転車で散歩に出ると、大通りに警察官が数メートルおきに配備されていて、物々しい雰囲気になっていました。比較的のどかな地元でこんな様子を目にすることは滅多になく、何事かと思っていたところ、どうやら天皇陛下が自動車で通過するらしいことが分かりました。

 

生でお目にかかるのは初めてだったので、歩道側で通過を待ってみることにしました。平日のため周囲には警備の警察官の他には誰もおらず、本当に自分だけが車道わきの歩道にポツンといる状況でした。

 

10分ほどして、陛下を乗せた車ご一行が目の前を通りました。僕がいる歩道側は、車から見て左側だったので、後部座席には美智子様がお掛けになっていました。僕の目の前を通過するのにかかった時間は、おそらく数秒だったでしょう。でも、美智子様は民間人が道路わきにいるのを見て、手を振ってくれました。僕のほかには誰もいませんので、まさに僕に手を振ってくれたと言って良いでしょう。

 

でも、JW2世の僕は立ったままで手を振りませんでした。そんなことをしてもらえるとは思っていなかったのもありますが、JW2世としてどうして良いか分からず何もしないことを選んだとも言えます。「手を振ることがJWとしていけないこと」だと明示的に言われていた訳ではありません。しかし、何らかの尊崇の念を示すことが憚られる思いがあったのも事実です。巡回監督なら手を振るのか、支部委員なら手を振るのか。僕は振らないような気がしたのです。

 

同時に、手を振り返さなかったことで、失礼なことをした気がしたこと、美智子様が自分のような者にも手を振ってくださったことに少しの気持ちも返さなかったことに後悔の念も覚えました。なので、こんなタイミングでもそのことを思い出すのでしょう。非常にささやかと言えばささやかですが、JW2世でなければ決して起こらなかった忘れられない出来事です。

 

皇室に対しては僕自身は下記のちきりんさんの考えととても近いです。

驚くべき思慮の深み

 

NHKスペシャルをはじめ、今上天皇・皇后両陛下の歩みと思いを振り返る番組を見ると、改めてどれだけ日本国民のことを考えてこられたのか感謝の念に堪えません。今後は少しでもお体を休ませご自身のための時間を過ごして頂きたいとそれだけを願います。

社会復帰の道:採用面接者が重視するポイント

40歳にもなると、大抵は15年~20年の社会人生活を送ったことになるので、仕事に関連した経験知はそれなりにたまってきます。

 

私の場合、30歳前後までは、「採用面接」といえば、専ら自分が企業に申し込む文脈で使う言葉でした。また、JW2世として21歳まで開拓奉仕をしながら仕事をし、その後、大学進学するなど明らかに普通と異なる経歴だったため、それがどう響くのかいつも気にしていました。

 

それが、30代半ば頃から採用企業側で面接する事が増えるようになり、新卒採用・中途採用ともに何十人と面接・面談してきました。また、私より数百倍の数の応募書類を選別し、百倍は一次面談もしている人事担当者とも話して感じた点を含め、採用を左右するポイントについて書きたいと思います。

 

 

1.一番大切なことは、「一緒に働きたいと思う人か、周囲の人たちと上手くやっていける人か」

中途採用の場合、採用側はかなり具体的で明確な期待役割を既に持っていることがほとんどです。つまり、そこに限定されたパズルのピースに当てはまる人物を探しています。そこにピタッとはまる人というのは、最終的に上の問いにYESと言えるかどうかに帰着するとも言えます。

 

上記の問いは好き嫌いの話をしているようにも見えますが、それだけではありません。「スキル面での不足がなく、チームとして上手く連携でき、会社のパフォーマンスを加速させてくれるか」という機能的な意味も含まれています。というか、むしろそこが最初はチェックされます。

 

ちなみに、埋めるべきパズルのピースが決まっているということは、中途採用の応募者にとっては運の要素が大きいことを意味します。なので、書類選考や面接で何社か落ちたからと言って、いちいち落ち込む必要は無いことが分かります。

 

 

2.学歴は仕事力の基礎体力として参考にはする。ただし、年齢が上がるに連れてその割合はどんどん小さくなる

上記1の問いを明らかにするため、採用者はいくつかの要素に分けて確認しようとします。自分の場合は、「これまでの成果>仕事への姿勢・スタイル>ポテンシャル能力」の順で重視することが多いです。30歳以上であれば、仕事の実績があることが多いのでこの順番で確認できますが、20代だとまだ実績がない場合もあります。その場合はポテンシャル能力を見るのに学歴は確かに参考になります。

 

それでも、自分が採用面談する時は学歴だけで採用を決めたことは一度もありません。それ以上に、仕事に臨む姿勢がどうだったか、どういう人間性か、をずっと重視してきました。それらの要素の方が仕事に与える影響がずっと強いことを知っているからです。

 

 

3.意外と社会人としての振る舞いができない人も珍しくない

これは、人事から聞いて知ったことですが、中にはいわゆる社会人としてのマナーに欠けた行動を取る人もいるようです。約束の日時に来ない、オファーレターにサインした後(=契約書にサインした状態)になって、やっぱり取り消したいと言ってくる人の話も聞いたことがあります。また、誠実な人柄が伝わるような受け答えができない人も、経歴の優秀さに関係なく一定の割合で存在します。この点、元JWは好印象を与えやすい人が多いのではないかと思います。

 

 

4.採用側が求めていないこと

・手書きの履歴書・職務経歴書(作成時間のムダでしかないと思います)

・スーツにネクタイ着用で面接に来ること(Tech系は特にそうだと思います。伝統的な日系企業はまだネクタイ着用を求めるでしょう)

・へりくだる姿勢(自然体が一番です)

・開始5分前の到着(遅刻も事前連絡があれば、それほど気にしません。こちらも日常の仕事で忙しいので)

 

4の項目については業種によるバラつきは大きい気がしますが、上記の要素を求めたことは一度もありません。

 

なお、「社会人経験後に大学進学している事」については、背景を尋ねてくる企業ももちろんありましたが、その事自体をネガテイブに捉えられたとは感じませんでした(むしろ、企業によっては行動力とか計画達成力の評価材料とみなされることも)。

 

投資家・山本一郎氏がクリスチャンだった件

かつて「切込隊長」の名前でブロガーとして知られ、現在は投資家・文筆家の山本一郎氏がクリスチャンであることを最近知りました。下の記事でバプテストと書いているので、プロテスタントのようです。

 

「おまえ、noteぐらいやっとけよ」と若者に煽られる選ばれし者の記憶

 

---(抜粋)---

 途中、高校でジャミラと呼ばれた高橋さんという教師からキリスト教について学び、これは自分の心のよりどころにするべきと深く考えてバプテストに帰依したのも、担任の河内さんに「山本一郎は能力をもてあましているから」と高校からの留学を薦められたのも、慶應義塾が「自分で考えて行動する人間を育成する」というありがちだけどガチでそういう育て方をしている塾風をしみこませているバックグラウンドがあるからだと思います。親父もお袋もキリスト教には強い反対をしました。

でも、自分は神とともにあるのだ、自らが処すことのできないすべては神の導きであるのだ、放蕩息子である私は誰から指さされることなく神が見ておられる自分の信念に基づき善しとしたことに命を燃やすのだと思えるようになったとき、憑き物が落ちたかのように長かった反抗期を終え、余裕をもって自分の中学時代を振り返ることができ、慶應の暖かさを肌で感じ、前に進んでいくのだと思い切ることができたのです。

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2000年代前半からブログを見ていた自分としては、当時から、独特のリズムでありながら読みやすく分かりやすい文章もあってよく読んでいました。その時の自己紹介に「童貞を攻撃的に死守」などと書いてあったことが印象的だったのですが、今回納得できました。

 

上記のクリスチャンになった話のほかに、母親を受け入れられず冷めた目で見てしまう思い、中1から高2まで鬱々とした日々を送ったことなどにも少し似た点を感じました。

 

一方で、山本一郎氏にも今は3人のお子様がいらっしゃるように、自分にも今は2人の子どもがいます。自分の子どもが中学生・高校生になる頃、自分は子どもたちと良い関係を築けていられるのだろうか、とも思います。

 

山本氏のように実社会でも希望の仕事に励むことができ、家族をきちんと養い、周囲との健全な関係を保てるのであれば、クリスチャンを続けるのも何ら問題ないので良いなあと思います(ただ、僕はもうどこかの組織宗教に属することはないでしょうけども)。

 

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