(常識)
「途上国は自由市場・自由貿易によって富み栄える。」

(現実)
「自由市場政策によって貧しい国が富むことは滅多にない。」

「発展途上国の場合、国家主導の発展期の業績の方が、
その後の市場志向改革期に達成された業績より勝っている。
・・・アメリカを含めた富裕国の全てが保護貿易、
補助金等を組み合わせた政策によって富を手に入れたのだ。
それなのに富裕国は今、
途上国にそうした政策を取ってはいけないと
勧告している。」

1ドル紙幣
「ジョージ・ワシントン」
就任式においてアメリカの衣服を身に着けると譲らず。
(政府調達の透明性に関するWTO違反)

5ドル紙幣
「エイブラハム・リンカーン」
関税を最高レベルにまで引き上げた保護貿易主義者

10ドル紙幣
「アレクサンダー・ハミルトン」
「アメリカの産業のような幼稚産業は自分の足で立てるまで、
政府が保護し、養育しなければならない。」

20ドル紙幣
「アンドリュー・ジャクソン」
工業製品に対する平均関税は35~40%の高率課税。

100ドル紙幣
「ベンジャミン・フランクリン」
「アメリカの製造業は
ヨーロッパとの低賃金競争から
保護されないと生き延びられない。」

チャン氏のまとめによると以上のようになる。

結局のところ、
今日の富裕国のほとんどが、
保護主義、助成金、規制、産業の国有化といった
自由主義に反する政策を
利用してきた事実がある。

国内的には「保護主義推進」
対外的には「市場開放」を訴えるご都合主義に
目をつぶっているのもどうかと思う。

アメリカ紙幣からは
完全なる自由主義等
微塵も感じないのである。