半ズボンとポスター | 義足ゴルファー 新・アスリートへの道

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義足ゴルファーのマコが試行錯誤しながらアスリートを目指す日々を徒然なるままに綴る日記
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第3回中国・四国障害者オープンゴルフ選手権に参加してきました。

前の日記にも書きましたが、練習もぜんぜん出来ず、ラウンドに至っては今年に入って一度もしていません。こんな状態で出場するのは、他の選手や大会関係者に失礼かと思い、
参加を迷いましたが、参加させていただきました。

結果は、当然と言えば当然の結果でした。
ただでさえ強風吹きすさぶ難コース。しかも大会当日は雪がちらちら舞うほどの寒さ。
南国高知でこんな寒さを想定していなかった僕は、いつも通り半ズボンで参戦。
あまりの寒さに集中力はなく、ただただ寒さから逃れるためにはどうしたらいいかばかり考えていました。死ぬかと思った。。。

大会にはマスコミも多く取材に訪れます。
彼らは文章や映像、写真を通じて、障害者ゴルフの活動を世の中に伝えていただきます。
その際に読者や視聴者の多くに印象を残すのは映像と写真です。

障害を持つ人がゴルフをのびのびとする姿は多くの人の印象に残ります。
ただ、特に写真だとゴルフスイングの一部を切り取るわけなので、その写真によってはプレイヤーが健常者なのか障害者なのか分からないのです。

そのために、片腕でのスイングや、義足とわかる格好でのラウンドというのが、とても分かりやすく広報効果という視点では大事になります。

そうした理由からも、DGAでは義足のゴルファーには半ズボンでのプレーを推奨しています。
もちろん強制ではありませんので、長ズボンでプレーしている方もたくさんいます。

僕はなるべく大会中は半ズボンでプレーしています。普段は半ズボンでプレーする機会もないですし、大会中なら別に義足を出すのは気にならないからです。

でも、今回のように寒い日は考えてしまいました。とにかく半ズボンでいるのが寒くてつらかったのです。

「ああ、もうこんな寒い日は無理して半ズボンでなくてもいいかなあ」って考えがよぎりました。
でも、試合後にある方の言葉を聞いて、やはり大会中は半ズボンでいた方がいいなと思いなおしました。

その言葉とはある障害者プレーヤーからかけられた言葉でした。

「私はマコさんのポスターを見て、この会に参加することにしたんです。初めて見た時は本当に衝撃的だった。私も障害を持っているけど、足も腕もある。ちょっと疲れたり、身体が痛かったらそれを言い訳にしてたけど、マコさんのポスター見て、私はもっと頑張らないといけないって勇気をもらったんです」

そのポスターはこちらです。

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2年前の第一回中国・四国障害者オープンゴルフ選手権の際に、モデルとして起用してもらいました。
こうした言葉をかけられたのも、半ズボンで義足を出してプレーしていたからでしょう。
やはり義足むき出してゴルフをプレーしているはインパクトがある。

ゴルフは大好きだし、基本的には好きでやっている。こうした大会に出るのも自分が出たいから出ている。

だけど、この活動に積極的に参加することで、もしかしたら世の中になにがしかの影響を与えることができるんじゃないか?自分がプレーしていることを世の中に知ってもらうことで、障害を持ってもゴルフができる、好きなことができるということを知ってもらうことで、何かその人やその人の周りの人の未来が変わるのでは?そう信じてやってきました。

今回、いただいた言葉で、ああ信じてやってきたことは間違いじゃないんだなと実感し、すごくうれしい気持ちになりました。

今回の大会、スコアも悪くて自分が情けなくて、落ち込んでいたけど、大会後に元気をもらってしまいました。

やはり参加してよかったな。