以前の「21世紀型スキル」についての記事(★)の続きです。

最近よく耳にする21世紀型スキルというキーワード。
言葉の響きがカッコ良い割に、その意味するところが曖昧だったりして、
色んな人が都合良く解釈してそれを広めている感がありますよね。

興味を持ったので、まずはオリジナルな言葉の定義を確かめるべく、
21 Century Skillという言葉の出所であるOECDの研究報告書を読んでみました。

報告書(英語)のリンクはこちらこれ
21st Century Skills and Competences for New Millennium Learners in OECD Countries

ちなみにOECDは、経済協力開発機構のことで、
教育関連の活動としては、PISAという学習習熟度テストを行っていることで有名ですねニコ

上記報告書は、教育者や研究者向けのガイドラインを作成するために、
OECDが中心となって、デジタル技術の子供の発達への影響を研究し、教育的側面からそれらにどう対応すべきかを検討した結果をまとめたものです。

この検討において、21世紀型スキルとは、
21世紀の知識社会において、力を発揮できる労働者/市民となるのに必要な技能(skill)と能力(competency)

と定義され、二つの側面からの議論が展開されます。
(1)情報的側面
(2)コミュニケーション的側面

情報の側面には、「新しい知識を創造する力」や「問題解決能力」が包含されます。
情報を探し、選び、活用し、新しい情報(知識)をまとめあげるために、ICTが強力なツールになるということが書かれています。

コミュニケーションの側面においても、
意思疎通や共同作業を効率的に進めるために、やはりICTが欠かせないというわけです。


・・・
読んで良かった。
これからの時代を生きていく上では(今も十分そうだと思うけれど)、
多くの情報を吸収、活用し、また国や言葉の壁を越えて色んな人と協力できる能力が必要で、
ITCスキルはそれを助けるツールなわけですね。

「21世紀型スキルの一つにITC活用スキルがある」とか「ITCを使って21世紀型学力を身につける」というような表現に何となくしっくりこなかった私は、
心のもやもやが晴れたような気がします。

子供たちにはITに苦手意識を持たず活用できるように導くことは大事ですが、
くれぐれもそれが目的になってしまわないよう、
自然科学や、言語、社会などの知識があってこそのITCということを忘れないようにしたいと思います。


読んで下さりありがとうございます!
にほんブログ村 教育ブログ 幼児教育へ