夢物語〜 Dear J 〜 6話 | born free one kiss one heart

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舞台俳優のまゆたんです。ただ今俳優活動を休止し、ジェジュンを本気で応援しております。




君は...



目を開けて、立っている姿を初めて見たから
僕は少し気が動転した。






「モウ、ダイジョウブナノ?」










「ウゴケルヨウニ ナッタンダネ」








その人は何も答えない。








「キミガ...クチニシタ ジェイ...
アノアトハ...ナニカイイタカッタンダヨネ?」






「ツヅキハ、ナンダッタノ?」

















何故そんな悲しい目を...?







「キミハ ダレ?」







黙ったまま、その人は背を向けて去って行こうと
だから僕は走りよろうとして
でも、足がちっとも動かない。
どうしてだ?

青い霧がたちこめてきた。
その人の姿がどんどん見えなくなって行く。





「マッテルカラ マタ ココデマッテイル!」











そしてその人は 消えていった。








家に戻り、もしかして何か手がかりがあるかもしれない
そう思って
家中、その、何かを探してみた。
何が何かなのかもわからなかったけれど。

でもやっぱり、何もなかった。

















「森に住んでいる」と言っているエルに聞いてみようか。
あの人の事を知っているかもしれない。









「ジュン、コレミテ」

「ナニ?」



エルは胸元から一枚の羽を取り出して 僕に見せた。
それは光に当たると色が変わる
とても綺麗な羽だった。



「キレイダネ コンナハネノトリガ ココニイルノ?」

「ソウヨ」

「ボクハ イチドモ ミタコトガ ナイナア」

「アナタハ ミレナイワ」

「ドウシテ?」

「ココニ スンデイナイカラ」




エルは時々不思議な事を言う。
ここに住んでいるというのは嘘だと思っていたけど
もしかして本当にここに?





「エル、ココニハ キミイガイニモ ダレカイル?」

「ドウシテ?」

「ダッテ ヒトリッテ...」

「...シラナイワ」





でも確かに、昔もここで会ったのは
あの小さいエルだけだった。
本当に彼女しかいないのだろうか?
だとしたら、僕の家に居たあの人は?
あの人は確かに昨日、この森に居た。
ここで、会った。

たまたまなのだろうか?

霧...青い霧なんて初めてだったし
この森はなんだんだろう?

あの人にまた会えるだろうか?
いつ?
今日?













「ジュン...キョウハ スコシヘンネ」

「エ..?」




「ワタシノコトヲ ミテイナイワ」














ごめん、エル。
僕は今、君といる時に、君じゃない人の事を考えていた。
わかっちゃうよね。
ごめん。



その言葉が口から出てこなかった。



「マタ アシタネ」




エルの後を着いていけば
彼女がどこに住んでいるのかわかるだろう。
でもそれは、したくなかった。
僕には今のエルで十分だ。

僕はエルが好きだ。
ずっと一緒に居たい。



そう思いながら

あの場所に

向かった。




どうしてもあの人と

話がしたいんだ。

あの人に

会いたい。






僕は自分を




コントロールできないでいた。










続く