こんばんは



 YOKOHAMA JOIN US


 横浜で買い物をするときにはよく横浜ジョイナス

 駐車場に留める。 鎌倉街道を北上し、ビブレの横の

 家電量販店の横をとおってスロープを上がると大きな

 駐車場に突き当たる。 収容台数が大きいのが気に入って

 いる。



 気に入っているのはもう一つの理由がある。 実はここのネー

 ミングがよい。 JOIN US=かてる (秋田語) という誘い

 の言葉がなんとなく温かく感じられるからである。 「かてる」

 とは「仲間に入れる」の意。 秋田特有の言葉の中でも大好

 きな言葉の一つである。



 18年も秋田の言葉で暮らして、東京に出てきたときは一応

 標準語とされている関東地方の言葉を話すのが苦手で

 ぴんと来なくて困った。 秋田の父はNHKが関東地方の

 言葉を採用したことは歴史的&国家的ミステークと言っていた

 が私も全くそう思った。



 気持ちを表現するのにぴったりした言葉にたどり着かなくて 

 毎日精神的便秘状態が続いた。 話していても靴の上から

 足の裏を掻くようなもどかしさは表現のしようがない。



 そんな時は秋田の友達に会って思いっきり秋田の言葉で

 話し、とどこおった腸をすっきりさせた。 自分の言語とは

 なんとありがたいものかとつくづく思う。




 横浜のジョイナスの駐車場に車を入れるたびに、私の頭の

 中では 「仲間に入れる」 という言葉が動き出しているわけ

 ではない。 私の中では 「かてる」という秋田の言葉が真

 っ先に頭に浮かぶ。



 秋田の姉から届く「秋田弁ウオッチング」によると「かてる」

 は万葉集の時代から使われていて、「米柔 てる」、「和てる」

 あるいは[合てる」 と書く下二段活用の動詞で、細かに刻んで

 混ぜ合わせると言う意味。 また量を増やすために米にほかのも

 のを混ぜて炊くことも表したという。




 この言葉が奈良から関東を経て東北の湯沢にたどり着くと、

 物理的に[混ぜる」ことから深い意味に変化し[仲間に入れる」

 「小さい子を仲間に入れてお守りをする」という意味になった。



 私が子どものころ、「かてる」は非常に大切な意味を持っていた。

 友達を無視したり、仲間はずれにすることは絶対いけないことで

 これを「かてぱじ」 と呼び最も忌み嫌われていた。



 「かてぱじ」とは[かてる]ことを拒否する言い方で「かてる」仲間

 から[弾き出す」という冷たい態度のこと。 だから秋田の

 [かてる」 は人間の基本姿勢を示す言葉として大好きなので

 ある。




 カナダに住んでいたころ、 次から次へといろんな国からやっ

 てくる人々を受け入れ続ける国のありように、これぞ


 「かてる」 だと思った。 "Please join us !" を言い続

 けている姿勢に深く印象付けられた。

 

 世界中で「かてる」を実践したらみんな仲良しになるんじゃない

 かなといつも思う。


 秋田からの発信!!