●突破論。自分的サッカーの楽しみ方と学んだこと。 | 会えてよかった

●突破論。自分的サッカーの楽しみ方と学んだこと。

喉が渇いたので、コンビニに行く。

帰りに通った道、バターをひいたフライパンに卵を落としこんだにおいがする。

また新しい一日がやってきたというのに、アタシはさっきまで本を読んでいました。

半身浴と、蜂蜜パックをしながら読んだ本はこれ。

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『突破論。』です。


(なんか感想を一気に書きたい気分なので、書いてしまいたいと思いますが、いつもにまして長くなることが予想されますので、お暇な時間によかったら読んでください。)



足が腫れて家に居たこともあり、画像右側の『石川直宏・まっすぐに平常心』は先週に一気に読んで泣きました。



考えてみると、『まっすぐに平常心→小平グラウンド(また、あのよく会う奥様に会いました)→オランダ戦→突破論。』

サッカー三昧の週末でした。(それ以外で見た番組は假屋崎省吾がモネの庭を訪ねる番組だけ。)


オランダ戦は負けてしまったものの、みなさん、テレビの前であつい拍手を送ったのではないでしょうか。



『どんなにいい試合をしても負ければ同じ。』



プロのスポーツ選手とかに言わせるとそういう意見なのかもしれないですが、アタシは純粋に、よく戦ってくれたなぁと思いました。

カメルーン戦もそうでしたが、あんなにおっきくて速くて強い相手に、日本人は負けてないぞ!!っていうのを誇りに感じました。



半年前あたりから急激にサッカーにはまり、選手を覚え、自分の好きな選手が代表に入るかドキドキして発表を見守り、それの結果は残念だったけど、そこから代表のメンバーについて覚えて…
 

特にネットで調べたりしなくても、NHKをつけっぱなしにしていると、選手の歩んできた道やプレースタイルなんかが連日放送されていて、すんなり頭に入ってきました。


今回のメンバーで半年前のサッカーに興味がない頃に顔と名前が一致してたのは、川口選手、楢崎選手、中村俊輔選手くらいでした。だから、アタシのサッカー知識はほぼゼロだったからスポンジのように吸収しました。


サッカーに全然興味がなく、なんとなくただ流れている試合を見ていた今までと今回では、全然楽しみ方が違います。


でも、FC東京に対しての見方もそうですけど、自分的には、『サッカーは人間ドラマ』って部分が大きいです。


サッカーだけじゃなくて、他のスポーツもそうなんだと思いますが…




ところで、今回の23人の代表メンバーの中で、自分とタメ(1981年4月~1982年3月生まれ)は、


田中マルクス闘莉王
岩政 大樹
駒野 友一
阿部 勇樹
松井 大輔


の5人です。


闘莉王の10日後にアタシが生まれ、アタシの1週間後に松井大輔が生まれていると思うと、親近感がわきます。(こういうのがまず初心者ならではの楽しみ方。サッカー好きな人にとってはどうでもいいことでしょ?)




79年生まれには、小野伸二、稲本潤一、高原直泰、小笠原満男、遠藤保仁、中田浩二、加地亮らがいて黄金時代と呼ばれたのに対して、81年組は『谷間の世代』と揶揄されてきたそうです。


でも、今回の代表の中にその『谷間の世代』が一番多く選出されていることにみんなは気づいていたかなぁ。まぁ、谷間の世代と呼ばれてきた選手たち(阿部選手とか)はまだ、ユースの代表に呼ばれてたわけなので、その世代でのスタープレーヤーだったわけだけど、


たとえば岩政選手とかは山口の田舎出身で、大学受験も推薦ではなくて一般入試で入ってる。彼は数学科なんだけど、うちの学校の数学科に試験を受けて入るとなると、けっこう勉強しなきゃ無理。だから、彼が、高校時代からサッカーだけにうちこむような環境にいたら、東学大に入ってなかったかもしれないし、そうしたら、瀧井先生(サッカー部の顧問)との出会いもなかっただろうし。


サッカーをするという人生においては、田舎に生まれてきた時点で恵まれた環境とは言い難いけれど、努力を続けた人には、こういう舞台が待ってるんですねぇ。というか、みんなみんな努力してる中で、選ばれる人なんて本当に一握りだから、ホントにすごいこと。


代表発表の日、自分の名前が呼ばれた瞬間、岩政選手は奥さんに泣いて報告をしたんだそうです。





全然『突破論。』の感想に入ってなかったですね…


『突破論。』は今年の4月に発売された本で、28人の選手が今までどんな風に壁を突破してきたか、人生のヒントになるような本です。


サッカーを知らない人でも全然読めます。

むしろ、知らない人ほど刺激になるかもしれません。


構成はこんな感じ。





『突破論。サッカー日本代表を生んだ、28の哲学』

1、経験豊富な一流たち

中村俊輔
中澤佑二
遠藤保仁
松田直樹
小笠原満男
楢崎正剛
都築龍太
柳沢敦


2、今を支える一流たち

長谷部誠
中村憲剛
田中達也
矢野貴章
山瀬功治
坂田大輔
今野泰幸
那須大亮
栗原勇蔵
阿部勇樹


3、未来を作る一流たち

岡崎慎司
内田篤人
平山相太
板倉大樹
中村北斗
水野晃樹
青山隼
狩野健太
李忠成
長友佑都




28人のうち、11人が今回の代表メンバーです。


ケガやスタメンに入れず悔しい思いを繰り返した人、まだ挫折を味わっていない人、10代の頃から注目されていた人、遅咲きだった人…


本当に十人十色の人生ですが、共通している部分は、負けん気の強さと努力、そして向上心でした。





自分で悪いところを見つけ、壁をみつけなくては上手くなれない / 中村俊輔

悩んでも立ち止まらず、フラフラでもいいから前に進まなくてはいけない / 中澤佑二

挑戦しなければ、成長はしない。自分で課題を作り、挑戦を / 遠藤保仁

まだ知らない挫折を想像して、怖気づく必要はない / 長谷部誠

目の前のことを常に全力で。その積み重ねの延長線上が、今のすべてである / 中村憲剛

試合に出られなくても、誰が見ているか分からない。常に一生懸命やり続けること / 矢野貴章

失敗も成功も、プレーすることで得られる様々な感情がエネルギーになる / 今野泰幸

どんなに苦しくても、その試合にベストな状態で臨めるかどうかは自分次第 / 阿部勇樹

自分への評価は、結果を出すことで変えることができる / 岡崎慎司

人は、逆境や壁に直面したときに成長するきっかけをつかめる / 内田篤人

まず今日の練習。目の前に届きそうな目標を置き、それを目指していく / 長友佑都



アタシは、今までいっつも、やってきた全てのことがそうなんだけど、悔しいと思うほど頑張れてなくて。

10年やったバスケだって、ナニクソ!!と思った試合や瞬間って数えるほどだったかも。


前期試験で大学に落ちた時も、今年だめなら来年でいいか~みたいな感じでショックはそんなになかったし。

音楽に関しても、競争心みたいなのがあんまりなかった。仕事にしたいってよりは、好きな音楽を続けていきたいって感じだった。



いつも逃げてばかりの29年でした。



サッカーの試合を見ていて、決定的なシュートのチャンスにはずしたりすると、もどかしい気持ちにはなりますが、選手の人生を見ると、全然努力してない自分はそうも言えなかったりします。



あと、最初に言った『サッカーは人間ドラマ』。

 
サッカーの試合を見ていて切なくなる瞬間があります。


例えばこの前、東京の試合の時に、途中交代で出てきた選手が、果敢にドリブル突破を試みました。

でも、ゴール前にはあいている選手がいました。


二人とも、点をとりたくて仕方ないわけだけど、ドリブルをした結果、相手にボールを奪われてしまいました。

会場からは、

『おい!!!パスだせよ!!!』

と、ブーイングがとびました。


だけど、その選手の気持ちもわかるんですよね。


テクニックはあるのに、ずっと試合に出られてない選手だったし、


今、代表メンバーが南アフリカに行ってて出場できる機会にアピールしたい!!!


という気持ちがすごく伝わってきました。


チームが勝つことが一番だからそうも言ってられないけど、個人個人に対して親みたいな目線になってしまう時があります。



人間ドラマと言えばこれなんてすごくいい話し。



<W杯:オランダ1-0日本>◇1次リーグE組◇19日◇ダーバン
 MF中村俊輔(31=横浜)が「カズ魂」で日本を決勝トーナメントに導く。強豪オランダ戦は0-1の惜敗で、1次リーグ突破は24日(日本時間25日午前3時30分)のデンマーク戦に持ち越された。2戦連続ベンチスタートの中村俊は、後半19分から今大会初出場。試合前には元日本代表FWカズ(43=三浦知良、横浜FC)から「ワンプレーでヒーローになれる」と激励のメールをもらったことを明かした。この日は決定的な仕事ができなかったが、デンマーク戦は少ない時間で結果を出すことを宣言した。
 やっと出番が巡ってきた。ゴール裏でウオーミングアップをしていた中村俊に交代の声がかかると、右手で小さくガッツポーズをした。06年ドイツ大会に出場し、欧州チャンピオンズリーグまで経験した男が、試合に飢えていた証しだろう。後半19分にピッチに飛び出すと、心から試合を楽しんだ。シュートは1本も放っていない。得点につながる決定的なパスもない。それでも水を得た魚のようにピッチを駆けた。
 中村俊 0-1で負けていたから攻めたい気持ちもあった。一番いいのは1-1に追いつくこと。でも(前がかりになって)0-2、0-3で終わったらこの試合の意味がない。得失点差で(決勝トーナメント進出が)厳しくなるから。本当にレベルの高い、これがW杯という戦いだったと思う。
 これだけ苦しんだことは、あっただろうか-。これまで日本に欠かせない存在だったが、W杯目前に戦術的理由で先発から外された。初戦カメルーン戦も出番なし。一言も話さない日々が続き、部屋にこもった。だが、そんな思いは、試合前に携帯電話に届いた1通のメールで忘れることができた。日本が初出場した98年フランス大会直前に、W杯メンバーから落選したカズからだった。
 「今は厳しい状況にいるだろう。だけど、サッカーを楽しんでほしい。サッカーはワンプレーでヒーローになれるんだから。頑張ってくれ!」。
 W杯の舞台に立つことができなかったカズの悔しさが伝わってきた。それと同時に、その文脈からは優しさがにじみ出ていた。このままでは終われない-。そう胸に誓い、オランダ戦を迎えた。だからこそ、たった26分間だった出場時間でも満足できた。
 中村俊 オレはあきらめない。オレだけじゃない。もちろん日本も終わっていない。オレはデンマーク戦で1発やってやる。カズさんからメールをもらって、そういう気持ちになることができた。たとえデンマーク戦の出場時間が1分でもいい。ロスタイムから出てもいい。1分、1秒、その短い時間でオレは試合を決めてやる。日本を決勝トーナメントへ上げる。
 もう迷いはない。偶然にも、デンマーク戦が行われる6月24日は、32歳の誕生日。今大会が「最後のW杯」と決めている。このまま終われば、悔いが残る。
 中村俊 勝つために何をしないといけないか。ワンチャンスですべてが決まる。そのために準備をする。
 胸に刻んだのは「カズ魂」-。中村俊のW杯は、これから始まる。【益子浩一】






本田・嫁や長友・姉が美人だというニュースがけっこう目立つ中(笑)、このエピソードには感動しました。


さすが、キング・カズ!!!




メディアでは、本田選手が取り上げられることが圧倒的に多いし、世代交代ということなのかもしれないけど、今まで日本を引っ張ってきた中村俊輔について、うんともすんとも言わない、触れられていないことにアタシは少し違和感を覚えていました。


彼は、プライドも高いだろうし、絶対悔しいだろうなぁと思います。


そんな時に、一発で気持ちを切り替えさせることが出来るのは、やはり偉大なるパイセンの力なんでしょうねぇ。

こういう時は自分の言葉くらいしか耳に入らないだろう…とそんな気づかいが出来るなんて、プレーヤーとしてだけではなく、人間としてとても素敵だと思います。










『突破論。』は、1選手につきだいたい8ページしか文章がありませんでした。


それとは逆に、『石川直宏・まっすぐに平常心』は230ページにわたりみっちりなおさんについて書かれていて、読む順番逆にすればよかったと後悔しております。


そりゃその人の人生まるまま書かれた方がグッとくるわけだけど、アタシが思ってた以上に挫折を乗り越えてきた人だってことがわかりもっと好きになりました。




サッカーに限らず、どんな業種でも、"プロ"と呼ばれる人は、努力で様々な壁を乗り越え、決して妥協しない。


サッカーが好きなだけ。もっとうまくなりたい、純粋にそれだけだよ。


って言ったって、努力をずーーーーっと続けるなんてしんどいことだと思う。


このメニューをこなせば100パーセント成功するって訳でもない。


そうなるって信じる力も必要。





アタシは週末に2冊の本とオランダ戦を観戦して、



今までは努力したことないような人生だったけど、今からでも…と思ってしまった。



きっかけは些細なことかもしれないけど。


これから気持ちを入れ替えるのと今のままなのは、1年、5年、10年後の自分を取り巻く環境にすごい差があるんだろうなぁ…って思います。



ワールドカップイヤーの今年(去年の暮れ)、いきなりサッカーに興味を持ったこと。


サッカーが、自分のやる気を奮い立たせてくれるツールになったことで、素敵な出会いを引き寄せたと思っています。


ワールドカップがただのサッカー週間ではなく、こんな風にがんばりたいって思う人が沢山いたら、日本はもっと明るくなるね!!!





うーーーん。やっぱり死ぬほど長くなっちゃったわ(笑)!!!



とりあえず、デンマーク戦に期待しましょう。



ガンバレ、日本!!!