「スタイルチェック診断って、

どんなことをするんだい?」

と、帰宅した私に夫が訊きました。

 

 

「関節の大きさや筋肉の付き方、

質感・ラインなど体の特徴から

私の似合うファッションスタイルを

教えて下さるんですよ。」

と、私が答えました。

 

 

「それで君の体のタイプは、

どんなタイプだったんだい?」

と夫が興味深そうに訊きました。

 

 

「私の骨格は華奢なんだそうです。」

と、私が言うと、

 

 

お茶を飲んでいた夫の手が、

一瞬止まりました。

 

 

「えっと今、華奢って聞こえた気がするんだよ。」

と、夫が私の顔を見ながら言いました。

 

 

「気がしたんじゃあなくて、

『華・奢』なんです。」

と、私が一音ずつ強調して言いました。

 

 

「ですから、ソフトで華やかな服装が合うんですよ。」

と、私が続けました。

 

 

夫が急に、何かを確かめるように

私の手首を握りました。

 

 

「いやいや、骨太だと思うよ。」

と、夫が断定するように言いました。

 

 

「お肉がついているから、

太いんですよ。

そう思ってください。」

と、私が言いました。

 

 

「分かったよ。

そう思うことにするよ。」

と、夫が言いました。

 

 

「ですから、ふんわりしたものが

似合うみたいです。」

と、私が言うと

 

 

また夫が何か言いたそうです。

 

 

「大丈夫ですよ。

私が先生に

『フワフワシフォンのブラウスはどうですかね?』

ってお聞きしたんです

『ちょっとやめた方が、良いかな』

ていう意見をいただきましたからね。」

と、私が言うと、

夫が安心したような顔をしました。

 

 

「ヒョウ柄も似合うんですよ。」

と、私は言いながら、

夫をいつか驚かそうと思っています。