テーマ:サッカー
2015年11月14日
天皇杯 ベスト16


鳥栖 VS 山形 4-3(池田 水沼2 谷口)

~まさかの点の取り合い
 鳥栖の「得点力」は落ちてないと感じる所以


■前提
Jリーグでは最後にやっと連勝し、残留を確定させた。
それでも絶好調ではなく、ベストな11人は見出せていない。

怪我人も多くキャプテン藤田は今日も欠場。
GK林も代表選出で苦しい布陣。

それでも天皇杯に対するモチベーションは高く
来年を見据える意味でも重要な試合となった。


■スタメン

-----奥田-----

-谷口--丹羽--ミンヒョク-

吉田---------ミヌ

---菊地--高橋----

早坂---池田----水沼



■前半
相変わらずの丹羽のCB起用。
さらに、前節と違い菊地をボランチに。

菊地ボランチ案は悪くはないと思ったが
ここに来て、まだ試すのか?という疑問も。

とりあえず、「典型的な」 3-4-3の並び。
再度の守備は堅く、4バックでのSBの裏を狙われないための
3バック、という意味ではある程度確立されてきた。


鳥栖は、早々に早坂が相手ボールへのチェイスから
中央の水沼に。
今日もキャプテンで出場の水沼コータは背後の池田を感じて
ヒールで流す。

受け取ったフリーの池田がゴール中央から豪快に決めて1-0
鳥栖が幸先よく先制する。


前半で躍動したのは水沼と菊地と早坂、か。
さらに池田も前線での競り合いで豊田ほどではないが
かなり競り勝っており、起点となっていた。

何よりも菊地が中盤の低い位置から
気の利いたパス、そして安定したキープ力、
周囲への視野の広さを見せて、攻撃に貢献。

その後ろの丹羽からの縦パスや、狙ったフィードも出て来ており
かなり捕まえにくい攻撃が出来ていた。


それでも山形は一瞬の隙を突く。

フィジカルに優るディエゴが、これまたフィジカルの強い
FW林に無理やりに当てて、つぶれたところを狙う動きを繰り返す。

狙われたのは丹羽、谷口あたり。

当たりが弱いわけではないが上手く潰されて
中盤のPAのやや外からのシュートが決まって1-1。


鳥栖は今年、とにかくこの位置から決められる。
相手ボランチにやられるシーンが多いのだが
ディエゴがここから撃った、という事は
それだけ前へのプレスは出来ていたという事。

相手FW、トップ下がそこまで下がらないとプレーできないのだから。
しかし、その空いたところを突かれての失点。

前半は惜しいシーンが多く、早坂が抜け出したシーンも
GKと1対1ながらキレイにキーパーに当ててしまい得点ならず。

前半は1-1で折り返した。



■後半
後半もお互いに攻め合う展開。

山形は後半、とくにボランチのアルセルが効いていた。
3-4-3ではトップ下が居ない。

つまり相手のボランチにチェックに行く人が居ない。
そこを早坂や水沼が運動量でカバーしていたが、
菊地、高橋の運動量が減るにつれて、
より中央の一番真ん中が空くようになる。

そこからゲームを作られて、それが故のディエゴがフリー、状態。

決してディエゴが一番の脅威ではない。
いや、脅威なのだけど、彼を抑えれば!って話じゃない、って事。

試合は、CKから高木が得点し、2-1と山形が逆転する。
いやな予感が漂うも、鳥栖は強引なミドルシュートのこぼれ球を
水沼が遠い位置から 豪快に決めて2-2の同点に追いつく。

シュートのこぼれ球を迷いなくダイレクトに蹴りこんだ
実に豪快で、コータらしいシュート!

そして、鳥栖は運動量が落ち、攻撃でどうしても最後の一手を決めれない早坂に変えて
チェソングンを投入。

ミヌを前にあげる采配。
正直キムミヌの疲労も目立ち、攻撃に専念させるのは良いのだが
疲労も心配。
それでもコータとミヌが前で絡むことは
鳥栖が得点を挙げる必須項目。

畳み掛けるように豊田を投入する鳥栖。


-----奥田-----

-谷口--丹羽--ミンヒョク-

吉田--------★ソングン

---菊地--高橋----

ミヌ---★豊田----水沼


菊地、高橋、吉田までかなりDFラインに吸収されるものの、
この試合で何が凄かったかと聞かれれば
迷いなく

「水沼の運動量」 と応える。

もちろん得点、アシストという結果も素晴らしい。
しかし、それが全く無くてもMVPを上げたいくらい凄かった。

その水沼の気迫溢れるプレーで盛り返す鳥栖。

そして35分

水沼の低いクロスから、中央で豊田がつぶれたファーサイドで
谷口がヘッドで押し込んで 3-2 !!!

熱狂するスタジアム。


1-2と逆転されてからの再度の逆転!

これぞ 鳥栖、、、諦めない鳥栖の真骨頂を発揮して3-2と
もう一度逆転に成功する。

あとは締めるだけ、、、、、


なのだが


やはりアルセウにフリーでもたれ過ぎた。

前半の菊地はまさに藤田の代わり、として
左右にボールを散らし、上手くゲームを作っていたが
相手が持つ時間が長くなると中々奪いきるところまでいけない。

やはりCBでの出場が長すぎるせいか
果敢にアタックにいくDFよりはやや待ち受ける姿勢が強い。

それにより少しフリーでもたれてしまった。

中盤での取り合いから、シュートがこぼれたところに
ディエゴが走りこんでゴール。。。

CKからのピンチの連続をゴールライン上のクリア(G戦上の丹羽くんw)で
防いでいたし、このシュートも何とかクリアしたのだが、
ゴールはラインを割っていた・・・


土壇場で3-3の同点に追いつかれる。


それでもめげない鳥栖
いや、めげないキャプテンコータ!


試合も終了する直前

90分を超えて残すはロスタイム・・・



カウンター気味にボールを奪った鳥栖はフリーのミヌに通す。
そのミヌの前方をダイアゴナル(斜め)に走ったのはコータ!

この最後の最後の時間になって

そして90分を超えてこの運動量・・・

一番遠い距離を横切って走った足元に
ミヌからの優しいスルーパスが通る。

GKが飛び出したその一瞬


右足で浮かせたボールは緩やかな弧を描いてゴールへ・・・


その技術は確かに素晴らしい


しかし、技術じゃない

小手先の足元の技じゃない


その執念と闘志


最後まで諦めない意思と冷静さ


その全てが結実したゴールが決まって 4-3 !



守備では確かに褒められるものではなかったかもしれない。
それでも実に「鳥栖らしく」
粘って粘って へこたれず、諦めず勝ちきった。



■選手総評

奥田 5.5 感覚
ミドルシュートへの反応、飛び出しの感覚。
どうしても久しぶりの実戦で感覚が掴めなかったか。

谷口 6.0 何処で使っても・・・
本当に何処で使っても及第点を出す。
コータのクロスに飛び込んで値千金のゴールまで。
守備では苦しんだが、それでも一定の貢献を果たした。

丹羽 5.5 CBは適任か?
早いタイミングでのフィード、センスを感じる縦パス。
ややリスキーなプレーも含めて、貢献度は高かったが
相手とのフィジカルバトルに破れ、シュートを撃たれたシーンも多かった。
スピードやテクニックで来る相手には良いかもしれないが
強引な攻めには弱さも感じさせた。

ミンヒョク 5.5 強さはあったが
前への強さ、高さは見せたが、急造のDFラインで
やや守備陣の乱れも感じさせた


菊地 6.0 さすがのセンスだが
藤田の代役として満点回答となった前半だったが
後半は運動量の低下とともにやや雑なプレーも。
センスの高さ、技術の高さは流石に唸らせる。
ボランチであればもう少しの強さも見せたいところ

高橋 5.0 後半の失速の原因に
1年の疲れを感じさせるプレー。
奪ってからの展開、周囲への視野の狭さ。
奪ってすぐに取られる遠因となっていた。
それでも彼以外にボールを「奪える」ボランチは居ないのだが・・

吉田 6.0 落ちない運動量
この日も落ちない運動量で攻守に貢献。
目立った活躍はなかったが、実直なプレーぶり


ミヌ 6.0 疲労の中、最後に大仕事
後半途中からの失速。
それでも最後の最後に水沼と息のあったプレーでアシストを記録。
彼を残した判断は正しかったと証明した。


水沼 8.5 至玉の出来
中盤ではリンクマンとして苦しいところを助ける動き。
前線ではファーストプレスを敢行し、チェックを続ける。
その全てをこなした上での2得点、2アシスト。

これ以上何を褒めれば良いか?

ただ一つ、今期最高の内容と結果。
そして、素晴らしいプレーをありがとう


早坂 6.0 攻守に正しく貢献
前線での絶え間ないチェック
アシストの前のプレーとなったプレー。
攻守に実に正しくプレーした。
本当に最後さえ決まれば、という所まで来ているのだが。


池田 6.0 先制点は見事。競り合いの貢献は高く
豊田の代わりとして最前線でプレー。
見事なシュートで先制点を奪取した。
その後も厳しい競り合いに戦い続け、
鳥栖の意思を見せ付けた。


ーーーーーーーー
ソングン 6.0 穴を開けない
疲労のミヌに変えてサイドに蓋をした。
しっかりと戦い、大きな穴を開けないことは重要だった。

豊田 6.5 エースとして
得点はないながらも、潰れ役、相手のマークのひきつけに
競り勝っての繋ぎなど果たした役割は小さくはなかった。


小林 - 時間は短いながらもしっかりと締め切った。





元旦優勝まで

あと3つ


夢を見せてほしい 




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