テーマ:サッカー
2015年11月7日
Jリーグ第33節(2nd 16節)


鳥栖 VS 仙台 1-0(豊田)

前:8勝12敗12分 12位
後:9勝12敗12分 11位(2nd13位)


~此処に来ての「連勝」の持つ意味
 そして、試合の進め方や落ち着き何かは来期への持ち越し


■前提
鳥栖は前節で残留を決定。
しかし、U-22との練習試合では、0-7と大敗。
控えとの差があることや、藤田の骨折など、
あまり明るいニュースがない。

今期を締めくくる上でもアウェーで大量失点した仙台相手に
どこまで盛り返せるか?


■スタメン

-----林------

-菊地--丹羽--谷口-

吉田---高橋---ミヌ

---水沼--早坂---

---池田--豊田---


■前半
ここ最近、復調してきた丹羽をCBの中央で使う。
スタメンだけ見たらボランチが高橋しか居ない・・・
4バックなのかどうかさえ分からない状態だったが
水沼コータがしきりに吉田豊とのパス交換を確かめていたので
コータはボランチと予想。

しかし、早坂もほぼボランチの位置。
まさかの3-5-2という並び。

さらに菊地をCBのサイドで使うという。
まぁセンスのいい選手なのでどうにでもなるのだろうが。

色々と予想外のスタメンだったが、試合も予想外の展開。

左サイドを綺麗に崩し、早坂が飛び出してフリーに。
そこから、逆サイドの吉田豊まで一気にサイドチェンジ

これを吉田が見事にダイレクトで折り返し!

ゴール前を横切るグラウンダーのトラバースクロスに
エース豊田が、これまた珍しく足元で綺麗に左足であわせてゴール!

開始1分で1-0とリードした。

その後も水沼のミドルシュートや早坂の飛び出しなど
いくつか見せ場はあるものの、全体的に引き気味になる鳥栖。
ミヌのクロスに豊田が合わせるシーンもあり、
豊田の復調というのも強く感じた前半だった。

対する仙台はハモンロペスが脅威となった。
それでも前からのプレスは鳥栖のほうが効いていた。

繋いでシュートまで行かれるシーンも多かったが、
最後の集中や、焦りといったものは仙台のほうが強かった。

それにより精度が落ちたプレーで
GK林の牙城は崩せず。


対する鳥栖も、リードしてる割に上手くボールを持つことは出来ず。
それでもしっかりと走ってプレスし、後ろに押し戻させることは出来ていた。

けれどリードしてる割に走らされるサッカーであり、
もう少し上手くプレーできれば、、と思わなくもない前半だった


それにしてもハモンロペスがクロスに合わせたシーンと
二見のシュートが水沼にあたりコースが変わったシーンは危なかった。

前者はシュートミスに助けられ
後者は林のスーパーセーブで難を逃れた。


■後半
後半もさほど構図は変わらない。

それでも、前半ほど危ないシーンはない。
ないけれど、ポゼッションする仙台に対して
上手く攻めれず、カウンターの失敗から自らピンチに陥るシーンも多々。

この辺りの試合運びや連携、カウンターの精度などは来期への持ち越し課題か。

そして交代の1枚目は鎌田

池田 → 鎌田

割と早い時間での投入であり追加点を狙ったことは明らか。

-----林------

-菊地--丹羽--谷口-

吉田---高橋---ミヌ

---水沼--早坂---

---鎌田--豊田---

鎌田は前線に配置された意図をよく汲み取り、
豊田の背後を狙い、シュートを狙い続けた。

交代早々に抜け出したシーンはトラップミスとなり
終盤でも 無理やりな突破からGKと1対1になったシーンや
カットインからのドリブルシュートなど見せ場は作った。

しかし、前方で得点だけを狙ったプレーの割りに
やや精度を欠き、まだ若いな、、、という印象も残した。

仙台は相変わらずカウンターでも遅攻でも
ハモンロペス頼み。

そこを抑えきれない鳥栖も問題はあるが、
それでも最後の集中と守備の強さで攻められてる以上には
決定機は作らせなかった印象。


その後、足がつった(いためた?)豊田に代えて小林を入れて逃げ切りに。
最後はペクを投入し、一応のカウンター要員を残しつつ
全力で守りきり、連勝を飾った。


ある程度意図した試合の進め方が出来てるものの
もう少し上手くプレーすれば、、というところも多い。

鎌田を入れることで、一発(1点)を狙ったのだろうが、
相手が攻めてきてる状態であったので
中盤で使い、ポゼッションを上げる、という使い方も見たかった。

これも何が正解、とは言えないのだが。

最後は3-4-3(5-2-3)で逃げ切り。
谷口は久しぶりのボランチ。

-----林------

-菊地--丹羽--★小林-

吉田---------ミヌ

---谷口--高橋----

-水沼-------★鎌田-

----★ペク------


谷口の汎用性の高さと貢献度は、苦しい試合であればあるほど輝いた。

追加点が取れなかったこと、
失点の可能性も少しあったこと、
GK林じゃなかったら、ということ、

心配点を挙げればキリがないが、
それでも勝ちきった。

こういう不器用さも鳥栖らしくもあり、
また、ギリギリの試合を勝ちきる経験というのもまた大事なこと。



■まとめ
・判定も含めてやっぱり逆境が好きな鳥栖・・・
・もう慣れたものなのか、それでも集中を切らさなかったのは素晴らしい
・相手のミスにも助けられたが3バックの守備力は確実に上がってきた
・丹羽のカバーリングは使える
・菊地のCB起用は、浦和の3バックの槙野、森脇なみに攻撃にも使えそう
 (まだまだ連携がアレだが、熟成すれば)

・来期に向けて、攻撃と守備の割合、
 そしてベストな布陣はまだこれから模索、となりそう

・豊田の復調はやはり心強い。

・まさかの天皇杯優勝宣言 笑


■選手総評

林 6.5 鉄壁
前半の決定機を片手で防いだシーン
後半のシュートをことごどく正面で止めたシーン
どれもハイレベルであることを証明した。
勝利に直結するプレーを披露。


谷口 6.0 貢献度はNo1
CBでのスタメン、10数試合ぶりのボランチでの起用。
どこで、どう使われてもソツなくこなす。
一定以上の守備力を発揮する。
それでいて、セットプレーでも脅威となる。
インパクトはなくとも確実に貢献度の高いプレーぶり。

丹羽 6.5 CBは新境地なのか?
まだ対戦相手や状況によって不明な部分も大きいが
このレベルでもソツなくCBの中央をこなした。
簡単に蹴るクリアやダイレクトのロングボールの質も高く。
しかし今後を踏まえるともう少し縦パスの意識や質を高めてほしい部分もある。
今日の試合に関しては後ろのスペースを確実にカバーし、
仙台の攻撃を防ぎ切った。

菊地 6.5 さすがのセンス
CBのサイド、というほぼ試したことのないポジション。
にも関わらず攻守に非常に効いていた。
丹羽がいることで、より前にプレスやパスを通すプレーを披露。
さすがのサッカーセンスの高さを見せ付けた。


吉田 7.0 運動量と決定的なプレー
今日の1点の半分は吉田のプレーによるもの。
早坂からのサイドチェンジを、ダイレクトで見事な折り返し。
課題だった攻撃面での貢献を果たし、守備でも安定の対人能力を発揮。


ミヌ 6.0 攻撃に貢献もやや守備での軽さも
WBでの出場が続き、勤続疲労があるのか、やや守備で軽い場面も。
それでも攻撃では水沼らと良く絡み、チャンスを創出した。


高橋 5.5 攻守に無難
守備での貢献は間違いなくあるものの、少しプレーに波があるか。
こういう試合ではもう少し攻守に落ち着きや
ゲームメイクをすべきポジション。
藤田が居ない影響は大きいが、不在だからこそ
求められる役割は大きくなってしまう。
そこを踏まえると、やや不満も残ってしまうか。


水沼 6.0 中盤での繋ぎに徹した
まるで香川がアタッカーからインサイドハーフになったように
攻守のリンクマンとして機能。
藤田不在であり、キャプテンとしての責任感も良い方に作用。
非常に気を使ったプレーを見せるも、そこでパワーを使い
最後のプレー、クロスにアイディアが不足していた感もある。


早坂 6.0 守備への貢献は◎
前線でのプレス、守備への貢献は間違いなく高かった。
先制の起点となった逆サイドへのクロスの流れは素晴らしく
スペースへの飛び出しも有効だった。

しかし、中盤ボランチ気味での起用を考えると
ポゼッションできず、自ら苦境に陥る要因でもあった。
彼を責めるわけではないが、適正ではない起用とも思える。


池田 5.5 前線でのプレスは脅威となるもシュートまでは…
早坂同様、守備への貢献は高いものの、
キープしきれず、また、パスミスもやや目立った。
豊田の周囲で攻撃の隙を狙っていたが
早々の先制という試合展開を考えると
求められたことをこなせなかった。
そういう点での評価点であり
彼のがんばりを否定するわけではない。


豊田 6.5 エースの矜持
最後に復活したエースが大仕事を果たした。
得意の空中戦ではなく、足元のクロスにあわせた秀逸な得点。
周囲との連携も向上し、最後までよく戦った。
久しぶりの先発で、しっかりと結果を出したのは流石の一言。


ーーーーーーーーー

鎌田 5.5 若さ故か
デビュー当時の勇気を思い出したようなプレー。
がむしゃらさは◎も、逆に焦ってシュートがミートしなかったか。
まだまだ鎌田も19の若者なのだな、と少し安心もした笑

しかしこの1年しっかりと戦ったことは素晴らしく評価されるべき。
それを促した監督の使い方、指導も良かった、のだと思う。

より一層の成長を見守りたい。


小林 - 起用時間は短いながらもロスタイム含めてしっかりと守りきった。

ペク - 時間は短いながらもカウンターを狙い、前線での運動量を確保した。


森下 6.0
ここに来て、3バックの安定感
丹羽のCB、まさかの菊地の起用法など、
それなりに来期にバリエーションをもたらしそうな布陣を見れた。

開始1分でアドバンテージを得るも、
交代含めて、上手く使えたとは言えなかった。

まだまだ試合途中での戦術対応は発展途上ながらも
割り切って守りきる時間を使えたこと
CKでのゴールコールにもショートで繋いで逃げ切る姿勢を貫いたこと

勝負に徹することで得ることもある。

個人的には、やや遅いものの成長を見せてくれてるとも感じており
天皇杯の結果次第では続投もありだと感じてる。


セットプレーでの得点の向上
豊田以外の得点源(水沼、鎌田の連携)の確保

は果たせた。

世代交代は まだもう少し
失点の増加は課題
交代策を含めた戦術の幅や割り切った覚悟などはコレから。

最後の最後にようやくホームでの勝利
そして連勝。

終わりよければ、、、ではないが
最終節のFC東京に勝てれば

その自信はかなりのものとなるだろう。


広島、浦和に引き分けた底力。
それをもっと見たい。







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