国際情報誌「SAPIO 7/22号」(小学館)において、

『農業が日本を変える』


という特集が掲載されています。ここまでは「国産農産物」が必ずしも絶対に安心、安全なものではない、という意見を述べてきました。今回はこの記事から現在とてもシェアが伸びている「国産加工野菜」の“安全と安心”について考えてみます。


 冷凍野菜やカット野菜などといった加工野菜、最近「国産」が売り文句にされているますが、まずそのその野菜の農薬や肥料の問題に加えて別の問題が浮上します。


「見た目がきれいで便利な野菜や食品ほど、農薬や添加物は増える」


と、「食品の裏側(東洋経済新報社)」「なにを食べたらいいの?(新潮社)」などの著書で有名な安部司氏、が断言しています。


・・・・もやしでいう見た目がきれいで便利(使い勝手が良い)なことといえば、色が白くて長持ちして根っ子がないもやし、ということになりますね。


 さてブームである「マクロビオティック」でも人気の根菜類は、例えば煮物などを家庭でするときには手間がかかります。そこで頼りになるのが皮をむいた加工野菜です。安倍氏はその加工野菜に対して


「『筑前煮セット』『きんぴらごぼうセット』のようなカット野菜には当然、添加物が入る。変色帽子には酸化防止剤 が5~6種、素材の食感を残して液が濁らぬよう、リン酸塩 も入れるでしょう」


 さらに刻む手間が省けて、切り口がいつまでもしなびず、長持ちすると好評のサラダ用カット野菜やパックサラダについては、


「カット野菜やパックサラダの消毒現場は、それはすさまじいものです。殺菌剤のプールにカットした野菜を何度も漬け、食べた時のシャキシャキ感を出すためにさらにPH調整剤 のプールに漬けたりします。普通の人なら1度見たら絶対に食べたくないと思う光景でしょう」


と、とても厳しい意見を述べてます。ここでいう殺菌剤とは次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)のことだと思います。


 そうなのでしょう。どんどん劣化していくべき生鮮野菜を薬品で保存しておこうとゆうのですから、使う薬品は一つや二つじゃないでしょう。それら国で認められている食品添加物は、身体に害はない、と国が保証しているのでしょうからその是非はここでは問いません。おそらく(今のところ)害はないのでしょうが、自分が経験したことの違和感は書くことが出来ます。 


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 私は以前ある食品展示会へ赴いた時に、そこで出展しているカット野菜業者からサンプルの「けんちん汁セット」を頂きました。きれいに皮むき、面取りされている里芋やニンジンといった野菜は国産のものを使っているとのことでした。


 それを家に持ち帰り、真空パックをあけると嗅ぎなれた次亜塩素酸の匂いが鼻をつきます。最も安価な滅菌、漂白の効果がある食品添加物は次亜塩素酸ナトリウムです。取引先の売り手から菌数を抑えるよう指示されているからでしょう、明らかに次亜塩素酸水の水槽に漬け込まれているのだと思いました。それでも一応私は妻にそのカット野菜を使ってけんちん汁を作らせたところ、まず汁そのものに塩素の香りがつき、さらには、


「野菜にまるで味がない」


ことに気付きました。そしてふと、昔食べたコンビニのサラダも同じように味がなかったな・・・と思い出しました。

 私の住む埼玉県深谷市は全国レベルの野菜の産地です。両親は共に農家の出で、姉は熊谷の農家の家に嫁ぎ、叔父は現役の専業農家、近くには畑を持っている友人たち、私自身も会社の裏の畑で少量ですがネギやホウレン草、小松菜、ジャガイモ、オクラ、ナスを作りますので、普通に新鮮な美味い野菜に囲まれてここまで育ってきたという自負があります。ですのでこうした「気の抜けた野菜」は敏感に感じ取れます。そして、


「次亜塩素酸水で滅菌処理された野菜は味も流れ出る」


、と思いました。味が流れでては必然的に栄養価も失われるでしょう。現在の野菜は昔に比べて栄養価が減っていると、すでに書きましたが、それからさらに味・栄養が流れ出ている野菜をなぜ私たちは好んで食べているのでしょう。味と栄養を殺菌剤のプールで流れさせて、シャキシャキ感(これも作られているようですが)とういう歯ごたえだけがある野菜を、「安心・安全の野菜」というのでしょうか。



・・・・・・・・・・次回はさらに、添加物(次亜塩素酸水)ともやし屋との繋がりについて書いてみます。