『祖母の大正時代の話』(⑦帰り際のやりとり) | 『☆詩季折々∞∞∝』

『祖母の大正時代の話』(⑦帰り際のやりとり)

 

『祖母の大正時代の話』(⑦帰り際のやりとり)
 
******************** *  *   *

⑦帰り際のやりとり(6分17秒)
******************** *  *   *

【要約(省略)】
(0:00)
いやいや、昔ばなし・・・
 
チエノおばあちゃんが、
石鹸をくれるというが、
お風呂屋さんに卸していてたくさんあるので、
いらないと伝えた。
 
もう帰るということで、
稔がおばあちゃんにお小遣いをあげた。
 
「泊まっていかないの?」
と聞かれたが、
明日、仕事だからと答えた。
 
チエノ、
「みんな気をつけてね・・・」
 
チエノ、
「故人?に連れていってくれったって、
 連れていってくれないから・・・」
 
(3:00)
 
チエノ、
「もう、寝ててるようになったら、
 もうおしまいだから・・・」
 
澄子が、
「百まで生きるんだもんね・・・」
「そう思っていればいいんだよ。」
と言うと、
「まあ、ね・・・」
と答えた。
 
澄子が、
「じゃあね、元気で・・・」
 
(4:00)
 
チエノおばあちゃんが、
下駄をちゃんと脱いで、
きちんとしまうようにと言っても、
言うとおりにしないらしい・・・。
 
(5:00)
 
力雄さんが、
突き当たったら左曲がって、
渋谷方面行けばいいんだから、
真っ直ぐどこまでも行けば・・・。
と国道246号の行きかたを教えてくれた。
 
チエノ、
「気をつけてね・・」
   ・・・・・・・・
(6:17)
 
 
 
 
 
******************** *  *   *

⑦帰り際のやりとり(6分17秒)
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【原文】
(0:00)
▲澄子:
行こうか!?
●稔:
うん・・・
★チエノ:
いやいや、昔ばなし・・・
▲澄子:
いっぱいあるんだ、石鹸は・・・
石鹸とかシャンプーいっぱいあるの・・・
持って来たってしようがないから、持って来ない・・・
★チエノ:
売るほどあるんだよ・・・
この間はね、こんな箱に・・・
こんなの、ばあちゃんいらねえんだよ ? ・・・
▲澄子:
なんで、そういうの安く入るから?
もらいもんで・・・?
・・・・・
あるの、あるのいっぱい!
うちは、日用品は何でもいっぱいあるの・・・
ハミガキから、みんなあるの・・・
★チエノ:
石鹸なんかみんな使うもんだけどな・・・
十個?あれば、しばらく使えるもんな・・・
▲澄子:
何でもうちでやっているから・・・
お風呂屋さんに卸しているから・・・
いっぱいあるの・・・
★チエノ:
ああ、そうか・・・
▲澄子:
ハミガキからね、何でもいっぱいあるの・・・
 
(1:00)
 
●稔:
うちも商売でやっているから・・・
★チエノ:
ああ、そうか・・・
じゃ、石鹸はあるんだ・・・
▲澄子:
だから、靴下でもね、パンツでもね、シャツでも、
みんなあるの・・・
★チエノ:
ああ、日用品か・・・
お父さん、商売上手だな・・・
●稔:
ん・・・?
▲澄子:
やって・・・
●稔:
おばあちゃんに・・・?
・・・・・
・・・・・
☆力雄:
酒もあるしな・・・
じゃ、酒もやれないしな・・・
▲澄子:
いいよ・・・だから・・・
・・・じゃ・・・
●稔:
帰るの?
▲澄子:
うん。
●稔:
じゃあ、これ、おばあちゃんに・・・
お小遣い・・・
★チエノ:
えー、お金なんていらないよ、お前。
お金いらないよ・・・
▲澄子:
いいじゃないよ・・・
もらっておきなさいよ・・・
★チエノ:
待ってよ・・・
帰るの?
泊まっていかないの?
 
(2:00)
 
▲澄子:
そう、明日、仕事だから・・・
★チエノ:
いらないよ、お金あるから・・・
▲澄子:
いいよ・・・
足袋でも買ってきてやろうと思ったけど、
買ってこなかったんだよね・・・
★チエノ:
悪いね、済まないね・・・
▲澄子:
だから小遣い、あれだってよ・・・
お父さんも上げるって言っていたけど、
そんだけやってもね・・・
★チエノ:
みんな気をつけてね・・・
▲澄子:
また今度来るから・・・
●稔:
また、来ますから・・・
★チエノ:
カギ?持ったね、またね・・・
来てね・・・
▲澄子:
何しろ、連れて来てもらわないと来れないんだもの・・・
★チエノ:
大変だったね・・・
・・・・・
もう、こういう商売やっていると、
かまってやれないんだもんな・・・
▲澄子:
いいよ・・・
★チエノ:
あーあ、じれったいくらいだよ・・・
●稔:
長生きすれば、また会えるから、みんなさあ・・・
★チエノ:
どーもー・・・
寿命ある限りね?・・・
こじん(故人?)に連れていってくれったって、
連れていってくれないから・・・
 
(3:00)
 
●稔:
大変だからね・・・
★チエノ:
ありがと、気をつけてね・・・
病気しないようにね・・・
●稔:
そうだね・・・
・・・・・・
もっと、大きいのあるじゃん?・・・
・・・・・・
▲澄子:
片付けんのさ・・・
・・・・・・
☆力雄:
持ってった?
・・・・・?
いい、いい、いいよ・・・
いいから、いいよ・・・
▲澄子:
じゃあ、いいや・・・
じゃあね、まあ、まあ、元気でね・・・
★チエノ:
・・・?だからね・・・
▲澄子:
いつも変わらなくて安心したよ・・・
いまごろ寝ているのかなって思っちゃたりよ・・・
★チエノ:
もう、寝ててるようになったら、もうおしまいだから・・・
▲澄子:
百まで生きるんだもんね・・・
★チエノ:
あー、あーーー・・・
▲澄子:
そう思っていればいいんだよ。
私もそうだから・・・
あと追って百まで生きるんだから・・・
ねぇ・・・
★チエノ:
まあ、ね・・・
▲澄子:
じゃあね、元気で・・・
どうもね・・・
 
(4:00)
 
●稔:
どうも、おじゃましました・・・
☆力雄:
おい、帰るぞ・・・
▲澄子:
あの、済みませんね・・・
☆敬子:
あ、どうもおかまいしません・・・
●稔:
どうも、ごちそうさまでした・・・
▲澄子:
また来ますから・・・
☆敬子:
また、出て来てください・・・
●稔:
おじゃましました・・・
☆敬子:
どうも・・・
▲澄子:
はい、どうも・・・
★チエノ:
おばあちゃん言うんだけどね・・・
下駄をちゃんと脱いで、
掃きだしに?って言うんだけど、わかんない・・・
☆力雄:
だって、だめだよ・・・
親の言うことも聞かないのに・・・
★チエノ:
言うことを、わかるんだよって・・・
▲澄子:
一回言っておけば大丈夫だよ・・・
そのうちにね、やるから・・・
ね・・・
★チエノ:
言っているんだけど、わかんないんだ・・・
▲澄子:
心配しなくてもさ、
そのうちやるから大丈夫だよ・・・
心配すると・・・
いけない・・・
★チエノ:
これ以上、頭、ハゲない・・・・
▲澄子:
そう、そう、そう・・・
私はあんまり気にしないようにしてんだよ・・・
★チエノ:
これやれったってな、?
わがままだから・・・
▲澄子:
そう・・・
 
(5:00)
 
わかってればね・・・
帰りの方がね・・・
●稔:
今度、道覚えたから・・・
☆力雄:
今度ここを出て、
246出て、・・・
▲澄子:
ああ、その246って言うのか・・・
☆力雄:
突き当たったら左曲がって、
渋谷方面行けばいいんだから・・・
真っ直ぐどこまでも行けば・・・
☆敬子:
一回来ればね、帰りはわりに、わけないんだよね・・・
☆力雄:
高速道路は入れるから・・・
そっちが横浜・・・
●稔:
そっちから入って来ようとしたらさ、
工事してるでしょ・・・
すぐそこ・・・
☆敬子:
あ、そう、そう、そう、プールの所・・・
●稔:
プールのすぐそこね・・・
▲澄子:
私は並木がよ、私、桜かと思って、
桜並木だと思って、
あれ、赤くないって、おかしいなと思ってよ・・・
ね・・・
●稔:
花の咲いてないときって、・・・
▲澄子:
そしたらね、今度こっちへ来たら中華屋さんがあって、
あ、ここだ、ここだってね・・・
★チエノ:
変わったろ、あそこらね・・・
▲澄子:
みんなどこでの、どんどん変わるから・・・
★チエノ:
ね・・・
☆力雄:
とうめいも?変わったんだな・・・
★チエノ:
気をつけてね・・・
▲澄子:
はい、どうもね・・・
★チエノ:
みなさんに、よろしく・・・
●稔:
どうも・・・
▲澄子:
じゃ、元気でね・・・
どうもね・・・
☆敬子:
お大事に・・・
子供達にまで済みませんでしたね・・・
▲澄子:
いや、いや、とんでもない・・・
★チエノ:
おばあちゃんも、お小遣いもらったんだからね・・・
☆敬子:
そう、どうも済みません・・・
▲澄子:
はい、どうも・・・
●稔:
じゃあ、どうも、さようなら・・・
☆敬子:
お大事に・・・
▲澄子:
はい・・・
・・・・・・・・
(6:17)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
⑦帰り際のやりとり
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【参考】
祖母の石井チエノは、私の母の母にあたります。
この話は、
1981年3月16日月曜日に、
母・澄子と私・稔が、
海老名市の石井力雄宅に訪れたときに録音したものです。
祖母は少し福井訛りの話し方のようです。
写真も撮ったのですが、逆光だったり、暗かったりで、
よく写っていませんでした・・・。
①故郷の冬の話(4分16秒)
②東京・紡績工場の話(3分00秒)
③大正六年の大水の話(5分46秒)
④上京・転々の話(4分48秒)
⑤ふたおばあちゃんのオデキの話(4分09秒)
⑥出生届の遅れの話(1分05秒)
⑦帰り際のやりとり(6分17秒)
 ★石井チエノ:84才10ヶ月。
 ☆石井力雄:44才。
 ▲松浦澄子:50才。
 ●松浦稔:28才。
 
-------(略歴)---------
<石井チエノ>(旧姓:寺岡)
1896年5月5日~1986年6月7日(享年90歳)
(明治29年申年~昭和61年)
寺岡チエノ:福井県福井市(永平寺町付近?)出身
石井亀太郎:福井県勝山市北郷町森川出身
 ※福井県吉田郡永平寺町法寺岡houjiokaという地名がある。
 
1896年(明治29年)生誕 ※実際は1894年生まれ?
1913年(大正2年)17才。石井亀太郎と結婚
1914年(大正3年)18才。長男・良一誕生
1917年(大正6年)20才。上京・上野付近。長男3才位
1917年(大正6年)江東区石島に居住
1917年(大正6年)<大正六年の高潮災害>
1919年(大正8年)23才。二男・栄誕生
1923年(大正12年)27才。三男・美津雄誕生
1926年(昭和1年)30才。長女・初江誕生
1927年(昭和2年)31才。二女・兼子誕生
 
19??年      江東区大島に居住
 
1930年(昭和5年)34才。三女・澄子誕生
1933年(昭和8年)37才。四女・和子誕生
1936年(昭和11年)40才。四男・力雄誕生
             ※女の子と双子だったが死産
1938年(昭和13年)42才。五女・??誕生※実際は六女
 
1945年(昭和20年)頃。49才?。五女が7・8才で他界。
1946年(昭和21年)50才。亀太郎没(享年62歳)
1946年頃?    江東区亀戸に居住
1951年(昭和26年)55才。母・澄子結婚
1952年(昭和27年)56才。私・稔誕生
1955年59才頃?  江東区大島に戻る
1962年66才頃?  力雄と同居(千葉県習志野市)
1969年73才頃?  力雄結婚後、神奈川県座間市に居住
1980年84才頃?  神奈川県海老名市に居住
1986年(昭和61年)享年90歳
  
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