エアコンカタログの畳数表示は全くあてにならない。

ちゃんと勉強している人ならわかっていることですが、熱環境をちゃんと勉強している
人は少ないのでわかっている方は少ないと思われます。

電気屋さんにいくと家電のプロの販売員がいらっしゃいますが、彼らも家電のプロでは
あっても住宅や、熱環境に関してはど素人です。

そんなときに目安にしてしまうのが畳数表示です。

あの畳数、住宅メーカーの新築住宅であれば3倍の面積でもいける。2倍なら楽勝と言っても
言い過ぎではないぐらいの感じです。

詳しくは今度発売する建築知識の4月号に書く予定なのでそちらを読んでいただきたいのですが、
ではあの畳数表示はなんなのか?ということです。

私がこの業界に入ってから畳数表示の仕方が変わったという記憶はありません。
要するにかなり昔の断熱性がほとんどない時代からの畳数表示がそのまま引き継がれて
いるわけです。

しかし、今でも古い住宅はありますし、住宅メーカーの新築といってもレベル差はかなりあります。
そして、同じメーカーの同じ商品でも建てる地域、立地、窓の配置、隣家との距離、平面形状
等々様々な要因に左右されます。

さらには連続的に運転するのか、間欠的に運転するのかによる差もあります。

こんな中で無理やり畳数を割り振っているわけです。

私の中ではエアコンだけでも設定温度を上限まであげればなんとか耐えられると
思えるのはQ値4くらいまでの住宅ではないかと考えています。

そんな住宅でもあの畳数表示を守っていれば一応は効きますよ・・・。
そんな風に考えるといいと思います。

ただ、電機メーカーや販売店からすると、あの畳数表示には相当の旨みが
あります。まずは必要以上に大きい機械が何の苦労もなく売れること。

そして、購入されたあとでクレームが来る確率が減ることです。

逆に購入する側にはデメリットがあります。
イニシャルコストが高くなるのはもちろんですが、必要以上に大きな
機種は効率も悪くなります。

エアコンの機種選定というのは省エネ住宅を設計する上で最も難しい項目だと
思います。