「離見の見」という言葉は、グロービス経営大学院大学の岡島悦子 先生から、
“リーダーとなる人に考えて欲しい3つのこと”のうちの1つとして教わりました。
世阿弥が「花鏡」の中で述べられていた言葉です。
観客席から見る役者の演技は「離見」(=客観的に見られた自分の姿)であり、
「離見」を自分自身で客観的に見ること、つまり、「離見の見」を実践することを
通じて、自分の見る演技が観客の見る演技と一致することが重要であることを
述べておられます。
世阿弥は一流の役者でありながら、さらに芸を磨くために日夜修行を重ねて
おられたのでしょうが、一流であるがゆえの驕りを徹底的に排除するために、
絶えず自分自身を客観的に省みておられたのではないかと思います。
昨日のブログ で記載したことと関連しますが、
リーダーのポジションにある方は、「離見の見」のごとく、自分自身が部下から
どのように見られているのかを絶えず客観的に省みる機会を持つ必要がある
のではないかと思います。
ポジションが上位になればなるほど、自分の行動に対して客観的に批判して
いただける機会がますますなくなっていくので、だからこそ自分自身のことを
絶えず振り返る努力が必要になるかもしれません。