本屋の平台に山積みになっていて、

ちょっと、気になって読んだ本。


■ 『天皇陛下の全仕事』 山本雅人 著


元宮内省の記者クラブにいた新聞記者が書いた本。


知っているようで、その実は、天皇がどんなことをしているのか、全く知らない。

それで、興味を惹かれた。


この本を読むと、

「知らなかった」ことと、普通にニュースを聞く範囲では「知らされいない」こと

実にたくさんあることに驚く。



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特に驚いたことを2つ・・・・



ひとつは、本当に天皇の仕事は忙しい、ということ。


最近のニュースで、天皇の高齢により、ご公務軽減というニュースがあった。


「明日のご飯」の心配のない人が、何が忙しいんだろう?って思ってた。


けど、紹介されている公務やその他の仕事を見ると、

本当にビックリするほどすごい量だ。


今の天皇は、普通の会社員なら、とっくに定年退職している年齢。


でも、今の法律では、死ぬまで天皇は天皇であることを

「退職」出来ない。


法律を作る時点では、天皇の高齢化を予測していなかったわけですね。


死ぬまで、国民のために働かされます。

自ら選べない人生だけに、お気の毒です。



もうひとつ、それ以上に新鮮な発見だったこと。


国事行為や国際親善とは別の、

国民があまり知らされていない顔がある、ということ。


それは、祭祀の中心 として存在。

そして、おそらく、これが一番重要な顔なのであった。


日本古来の神々をまつる神道の主宰者、としての役割だ。


つまり、神主さんの親玉みたいなもの?総本山?


日本の民の代表者として、五穀豊穣を願い、

節目節目に、古代からのしきたりに則って、神々に祈りを捧げる。


これが、実は、日本の象徴たる所以だったわけです。


しかも、これが、ハンパな数じゃないのよ。


この「祭祀王」としての行事は、戦後、宗教と国の仕事を切り分けるために、

あまり、紹介されることはないので、知る機会がない。


でも、これが天皇家の役割として、最も重要なことらしい。

このために存在する家系、といっても間違っていないのだろう。


重要な祭祀の時は、あの古代からの正装を着るらしいのだが、

女性でいうと、十二単くらい着るのが大変な着物らしい。

しかも、一日に何度もある着替え・・・。


そのような家系に生まれて、慣れていらっしゃるのでしょうが、

お歳を取ると、なんともお気の毒に思える。



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・・・ということで、

知らない世界を垣間見られて、とても興味深い本でした。


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