ボクのホンネ 【亀井義行】編 | made in JAPAN

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JAPANは巨人と亀井善行選手を応援しています。
松井秀喜さんのファンでもあります。

ボクのホンネを聞いて下さい~亀井義行選手~


「あこがれのイチロー選手に少しでも近づきたい」



野球を始めたのは小学校3年の冬。7歳上の兄貴が野球をやっていたのと、友達の誘いもあって。父が野球好きだったから小さいころからバットとグラブを持って遊んでたんで、その延長みたいな感じやね。


高校は、高校野球の強豪、上宮の姉妹校で野球部ができたばかりの上宮太子高に進みました。始めのころは甲子園なんて考えてもいなく、でも試合で勝っていくうちに甲子園行きたいなあ~と思うようになって。それからは、よく練習しました。ウエートトレなんか今よりやってたんとちゃいますか。


当時はピッチャーやってたんですよ。部はできたばっかりやったけど、監督さんは上宮高でもやられていた山上烈さんだったんで、練習も厳しかったし。おかげで高3の春のセンバツに出ることができました。これでもエースで3番やったんですよ。初戦で明徳義塾に負けてしまったんですけどね。


高2の秋くらいからですか、プロのスカウトの方が見に来てくれはるようになったんは。それで初めてプロに行きたいなと思うようになりました。でも、結局ドラフトで指名されませんでした。そりゃ、悔しかったです。


だから、大学4年間頑張って絶対プロに行ってやるんだって思いました。ところが大学に入ってすぐ、右ひじをけがしてしまったんです。ピッチャーではあかんようになってしまって、打者に転向することになりました。


そのころは投手としてプロを目指していたわけであって、打者になったらまた一からじゃないですか。どうなってまうんやろうと不安にもなりましたけど、今となってはそのとき打者になってよかったなあって。


大学のリーグ戦には、1年の春から出させてもらいました。3番とか打たせてもらってたんやけど、全然打てなくて。それでもなんでか評価はよくて、1年の2月には、ロッテの春季キャンプに参加させてもらいました。


当時は、山本功児ヘッドコーチがロッテの監督だったんですけど、巨人に入ってそのことゆうたら、ボクのこと覚えていてくれたんですよ。うれしかったですね。キャンプに参加して間近にプロを感じ、ますますプロ野球選手になりたいという気持ちが強くなりました。とにかくプロに行くんやって気持ちを4年間持ち続けました。


でも、結果が出なかったんです。3年までは打率も2割台前半くらいしか打てないシーズンばかりで。正直、プロをあきらめかけたこともありました。


そんな気持ちを持ち直せたんは、4年になってキャプテンになったからです。オレが先頭に立ってやらなあかんっていう責任感で精神的に強くなったんやと思います。


なんとか4年の春に3割打つことができました。そして、秋には優勝!勝ったほうが優勝という駒大との2連戦。大学最後のリーグ戦やし、とにかくなんとしても勝ちたかった。3年間、結果が出なかったのに使ってくれた監督さんに恩返しがしたかった。


あんなに気合い入れたんも初めてやないかな。実は、リーグ戦の途中で右わき腹を亀裂骨折してたんです。そんな状態やったけど、2試合連続ホームランが打てて。鳥肌立ちまくり!最高でした。いや~、泣きました。


おまけに、リーグ史上12人目の通算100安打も達成できて、またプロ候補になることができました。今度は、野手として。


そして、ドラフトで巨人に指名されてようやく4年前の悔しさが晴らせました。それも小さいころから大好きだったジャイアンツのユニホーム。


あれからもう半年たつんですね。早いなあ。チームの先輩もよくしてくれるし、生活にはすっかり慣れました。あっ、寮では3階住まいなんで、上り下りがめんどくさいなあ。


野球に関しては、プロは試合が続くので、気持ちの切り替えを心がけています。なんぼ3打数3安打だったとしても、4打数ノーヒットでも次の日は次の日。


オープン戦やったけど、一軍に行けたことはすごく勉強になりました。プロの投手の球のキレとか、独特の緊張感とか。早く見られたんはこれから役立つと思います。ただ、アピールもなんもできませんでした。18打席も立たせてもらったのに、3本しかヒットも打てんかったし、守備でも見せられんかった。全部がまだまだです。


ボクの目標は、マリナーズのイチローさんです。野手になってから、あ~いう選手になりたいな、とすごくあこがれてます。本とかも読んでますよ。技術はもちろんだけど、精神的な部分がすごい勉強になります。凡打したあとの気持ちの切り替えとか、マネしています。


実は、ボクのバットとグラブは全くイチローさんと同じ型なんです。ハマ(中浜裕之)さんに「51番くださいよ~」ってふざけて言ってます。そのくらいあこがれてますもん。


今は、ファームだけど、試合に出て結果も残せているので、少しはチームに貢献できているかな?と思ってます。決していいヒットじゃないけど、なんとかいい場面で打ててますから。


でも、ヒットにできるボールがフライになったり打ち損じが多いので、そのへんの打ち方なんかを練習から意識してやらないといけないなあと思ってます。


正直、まだお金もらって野球やってる感覚じゃないんかな?だけど、決勝打を打ったりすると試合ごとに賞金が出るんですよ。今までじゃ考えられん。ワンプレーでお金がもらえるなんて。もう5、6回もらってますかね。そのお金は、貯めてます。たくさんもらって、どこか役立つところに寄付でもできたらいいなあと思ってます。


ファームでは、落ち着いて野球できるようになってきたんで、だいぶ充実してきました。ホンマはもっと焦らなきゃいけないんですけど。ここで満足せんと、もっともっとアピールして早く一軍に上がらないと。2、3年の間になんとかレギュラーを取るんだと、今はそれを目標にしてます。



月刊ジャイアンツ2005年7月号より。