東京都台東区のアパートで2月、アパートの一室を訪ねてきた50代の男性が死亡する事件があり、警視庁捜査1課が5日、殺人容疑で、同室に住む知人で40代の無職男の逮捕状を取ったことが捜査関係者への取材で分かった。男は男性に多額の融資をしており、返済をめぐってトラブルになっていたとみられ、捜査1課は6日にも、男から本格的に事情を聴き、容疑が固まり次第、逮捕する方針。

 捜査関係者によると、男は2月15日夜、台東区台東のアパートの一室で、訪ねてきた男性の顔などを複数回殴った上、ベランダに放置し、殺害した疑いがもたれている。

 男性は翌16日午前10時40分ごろ、ベランダで倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。

 司法解剖の結果、死因は外傷性ショックと低体温症だったことが分かり、捜査1課は、男性が男に暴行されたとみて捜査。暴行による傷害致死容疑ではなく、男が繰り返し顔などに暴行した後に冬の屋外に放置することが、男性が死んでも構わないという「未必の故意」による殺人容疑に当たると判断したものとみられる。東京都心の16日未明の気温は3~5度だった。