サイモン・シンと言えば科学ジャーナリストでは最も有名と言って良い人物で、彼を世界的に有名にしたデビュー作「フェルマーの最終定理」は僕も大好きな本です。





彼の最新刊が原題『Trick or Treatment?』(邦題:代替医療のトリック)です。



代替療法の歴史とその科学的根拠について徹底的に調べ、それを丁寧にまとめあげている好著だと思います。




「チャールズ皇太子に捧ぐ」というきわめて皮肉な冒頭(皇太子はホメオパシーの熱心な推進者)から推測されるように代替療法についてきわめて否定的です。


というよりむしろ痛烈に批判しています。



逆説的に聞こえるでしょうが、それだけにヒーラーの皆さんは読む価値はあると思います。




第一にこの一冊で代替療法のほとんどを俯瞰でき、


第二にその医学的根拠について言われていることをほとんど一覧できます。


第三に医療と代替療法の関係の歴史的経緯を通常言われていることの一歩先まで正確に参照できます。


ヒーラーである以上は批判にさらされるのは当然ですし、その基礎となる知識は不可欠です。




僕自身はスピリチュアリズムに耽溺していた経験があり、代替療法として気功を進めている立場として、


「スピリチュアリズムと代替療法は詐欺師の楽園」とよく言っています。


「気功など信じない」と言って来られたクライアントさんが「気功」の効果に目を見張り、そのままスピリチュアルの世界へ落ちていくことがあります。




触れ幅大きすぎるのです。




身体に全く触れずに圧倒的な結果が出るこの「気功」がどれほど神秘的に見えても、その仕掛けはシンプルな科学でしかないのです。




神秘を体験したと感じるのは自由ですが、そこから「神様」とか「波動」とか「霊」の世界に安易に行かないようにとお伝えしています。




僕は自分のしている「気功」は神秘ではなく、科学の枠の外にもない「トリック」であると思っています。


そしてそのようにこのブログでも施術やセミナーでも公開しています。




気功は魔法ではなくマジック(手品)なのです。




手品がいくら超常現象に見えても、科学に反するように見えても、その仕掛けはチープです。







気功も同じです。そして仕掛けも知り、その裏にあるカラクリを知った上で、きっちりと身体を変え、人生を変えればいいと思います。







代替医療のトリック/サイモン シン




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ゾウを消せ----天才マジシャンたちの黄金時代/ジム・ステインメイヤー




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「マジシャンが守っている金庫は空っぽだ。

彼らの持っている技で、高校で習う以上の科学や輪ゴムや鏡、長い糸よりも複雑な道具を必要とするものなど、じつのところほとんどない」
(ゾウを消せ 天才マジシャンたちの黄金時代)