下北沢ハイラインレコーズの思い出 | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

2004年頃、仕事から疲れて帰ってきて、
音楽番組をみたいと思って、

 

スペースシャワーテレビをつけると、
「ハイライン カウントダウン」 という番組がやっていました。

下北沢ハイラインレコーズが制作している、
トップ20のカウントダウンの番組でした。

その番組を見て、私は驚きました。

当時、私は比較的J-POPに詳しい方だと思っていましたが、
その番組のトップ20は、

私の知らないアーティストばかりだったんです!

聞いたこともないようなバンドたちが
チャートの上位を賑わせている。

世の中で、一体何が起こっているのだろう?

そんな気持ちになりました。

 

 

 


印象的だったのは、

アンダー・ザ・カウンターというバンドの
「ミソラ」 という楽曲のPVです。

激しさのなかにも、
はかなさや焦燥感を感じて、


私の胸に深く響きました。


また、グッド・ドック・ハッピーメンというアーティストの
アルバムが何か月もチャートの上位にいました。

同じアルバムが数か月もチャートの上位に
居座るなんて普通ありえないことです。

しかも、アルバム名が

「4人のゴブリン大いに踊る」

なんて謎のアーティストなんでしょう!


気がつくと私は、この番組 「ハイライン カウントダウン」
を毎週見るようになりました。

 

 

 


下北沢を中心に活動するインディーズのバンドが多いのですが、
いつのまにかメジャーデビューしていたり、
バンプ・オブ・チキンのような有名なアーティストを輩出したり、

インディーズ、メジャーを合わせたような
(いい意味で)ごった煮のような番組

というイメージがありました。

 

その番組で私が感じたことは、

“アーティストたちが生き生きしている”

ということです。

自由に表現して、
やりたいことをやって、
音楽を楽しんでいる


ように映りました。

常識や規制、
枠組みといったものから
自由な雰囲気に憧れました。

 

 

 

 

あるとき、

あるアーテストがハイラインレコーズの
店内にベットを置いて寝転んでいる映像が映りました。

ニューリリースしたCDのプロモーションのようですが、

ごろごろと寝転んで、ボソボソしゃべっているだけで、
なんだかよく分かりません。

最初、なんてだらしないアーティストなんだろう!

と思ったのですが、

見ているうちに心地よくなってきて、
だんだんその雰囲気にハマってしまいました。

しかも、曲も味わい深い良い曲でした。



この頃、アジアン・カンフー・ジェネレーション、
バンプ・オブ・チキン、 レミオロメンなどがブレイクして、

このような雰囲気を持つバンドが下北沢系と呼ばれるようになりました。

フジファブリック、 メレンゲ、 GOING UNDER GROUND、 音速ライン、
アンダー・ザ・カウンター、 ストレイテナー、 つばき、 ART-SCHOOL、 など


このようなメジャーなムーブメントを、
根っこで支えていたのは、

下北沢ハイラインレコーズや番組 「ハイライン カウントダウン」
ではないかと私は思っています。

私は、いつまでも彼らの音楽に触れていたいと思っていました。

 

 

 

 

しかし、

その後、ネット配信の普及による音楽業界不振の波に
下北沢ハイラインレコーズも呑み込まれてしまいます。


2008年7月15日、下北沢ハイラインレコーズは、
惜しまれながらも閉店することになりました。

「使命が終わった」

というのが理由です。


下北沢ハイラインレコーズは残念ながら使命を終えましたが、

その親会社である音楽レーベル 「UKプロジェクト」 は、
今も音楽の業務を展開しています。


現在、

ネットによる音楽配信の流れにより、
音楽業界のビジネスモデルは大きく変わろうとしています。

CD制作や販売によるビジネス形態は、
終わろうとしているのかもしれません。

 


でも、


今後は別の形で 「音楽文化と下北沢」 をテーマに、
ハイラインの精神を継承してほしいと切に願います。

 

 

 

 

 

■ 関連サイト

ハイラインカウントダウン

(↑貴重な映像、司会がLOST IN TIME の回です。 )

 

ハイラインレコーズのブログ

 

ハイラインレコーズ閉店の記事

 

アンダー・ザ・カウンター 「ミソラ」 のPV

 

 

■ 音楽のかからない音楽番組

 

FMアップルウェーブでパーソナリティをされている

くわっちと一緒に音楽番組を配信しています。

 

ぜひ、こちらもお聴きください!

 

< 今回の紹介 >

平沢進 「空転G」

back number 「ヒロイン」

 

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