今、私の周りには食事の際に炭水化物は食べない、お鮨のネタは食べるがお米の部分は残す、などの「低炭水化物ダイエット」を実践している人がかなりいます。
これはアトキンスダイエット、糖質制限ダイエットなどとも呼ばれ炭水化物の摂取量を極端に少なくし、その分タンパク質や脂質を摂取すれば痩せるというダイエット法です。
また、本屋さんの棚には「炭水化物を減らせばやせる」「肉やアルコールもOK」といった書籍が数多く並んでいます。
今日まで、主要栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)をできるだけ偏らないように食べてきた私は、「その方法は本当に健康に良いのか?」と、疑問に感じていました。
そんな時に一冊の書籍:『本当は怖い「糖質制限」』(祥伝社新書/岡本卓先生/定価:本体780円+税)に出会いました。
本の帯の部分には、糖質制限で、頭痛や末梢神経障害になる。心臓病、脳卒中になる。骨粗鬆症になる。死亡率が上昇する。認知症になる。うつ病になる。がんになる。と、かなりインパクトの強い表現があります。
本を売らんがためのコピーか?と思いながらも購入して読みました。読み返しもしました。
感想は?・・・素晴らしい!の一言です。
国内外における、直近の数多い論文やデータを基とした、納得の出来る充実した書籍です。
一例を紹介します。
世界的に権威のあるイギリスの医学誌「ランセット」のレポートによれば、厳格なアトキンスダイエット信奉者が、低糖質・高タンパク質の食事療法を守り、ふだんは肉、チーズ、サラダを食べ、ビタミン類はアトキンスダイエットで推奨されるサプリメントを忠実に摂っていた。
しかしある時、吐き気、嘔吐、その後息切れの悪化で救急外来に来院したということです。
検査結果は、体の中に大量のケトン体がつくられ、危うく死に至らしめるほど、血液が酸性に傾いていたとのことです。
レポートの最後には、「この種のダイエットは世界的に流行しており、同様の問題が顕在化するのではないか」との疑問を投げかけています。
また、くしくも「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」にも、同様のダイエットにより、血液が酸性に偏り死亡リスクのあるケトアシドーシスの事例が報告されています。
その他、書籍の帯に書かれていた、心臓病、脳卒中、死亡率上昇等についても、エビデンスに基づき明確に述べられています。
現在低炭水化物ダイエットをしている方は、長い目で見た健康を考える意味で一度この書籍をお読みになる事をお薦めします。
今、超高齢者時代を反映し、テレビでは健康番組が花盛り。
○○の権威と称する医師が数多く出演していますが、残念ながら中には、饒舌な受け答えで裏付けのない理論を述べ、多くの視聴者を不健康に追いやるような先生がいます。
また、そのような内容の書籍が売れたりもしています。
とかく日本人は、テレビや雑誌といったマスコミの内容をすぐに信用するところがあり、ムードに流されやすい。
ここはぜひ皆さんに、岡本先生が書かれているような書籍を通じて、本物を見抜く目を磨く努力をして頂きたいと思います。
そうすることが、皆さんにとって真の健康に通じる早道だと確信しています。
結論です。
短期間の低炭水化物ダイエットなら体重は確かに減りますが、長期的に継続する事は種々な疾病の素となります。
「一日に消費するカロリー量よりも、摂取するカロリーが多ければ太る」。
これは明快な事実ですから、減量するには、食べ過ぎないことと日常的な運動でカロリーを消費することが基本なのです。
これはそもそもの話になりますが、私たち人間は、少し太り気味(BMI25~30未満)くらいの方が、普通体重(BMI18.5~25未満)よりも長生きします。
この研究は厚生労働省研究班による大規模調査の結果ですが、やせている人(BMI:18.5未満)は、少し太り気味の人に比べて6~7年も短命です。
また、BMI30以上というかなりの肥満状態の方も、男女とも、普通体重の人より短命となります。
皆さんも現在のBMIをぜひ一度計算してみて下さい。
BMIの計算式は、体重(kg)÷(身長×身長(m))です。
この数字BMI(Body Mass Indexの略)は世界共通の肥満度の指標で、標準値22に近いほど病気に罹る確率が低いと言われています。
例えば、身長1.6m(160cm)で、体重が76.8kgなら、BMIは30(肥満)ということになります。
BMIが18.5というのは、身長1.6m(160cm)なら、体重が47.36kgということになります。
ご存知でしたか?貴方のBMIはどうでしょうか?
貴方が無理に低炭水化物ダイエットなどに励んでいるなら、岡本先生が列挙した病気を増やす事になるかもしれないのです。
まして、もともとBMIが低くやせている人が行った場合は、死亡リスクを高めることにもなります。
現在進行形の人はすぐにやめた方が良さそうです。
糖質制限をしようとするそのエネルギーは、「体のために、何を食べるか?」という方に向けられては如何でしょうか?
岡本先生は地中海食、またそれに近い日本食を推奨しています。
私も全く同感です。
参考文献:岡本卓『本当は怖い「糖質制限」』祥伝社新書
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