あっち向いてホイ!と脳内メカニズム


毎日新聞 にて「あっち向いてホイ」のような目標とは反対方向への眼球の動きに、脳の一部で嗅覚(きゅうかく)以外の感覚信号を脳に伝える視床と呼ばれる組織が活発に動いていることが、北海道大医学部の研究で明らかになった。7日、米国の医学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に発表された。眼球を随意に動かす機能に障害がある統合失調症や注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療に役立つ可能性があるという。

 研究ではサル3匹を使って、モニター中央に赤と緑を点灯させ、赤の場合は目標と同じ方向、緑の場合は目標と反対方向に眼球を動かすようにしつけ、正解のときはリンゴジュースを与える実験を行った。脳の情報伝達経路を調べた結果、目標と同じ方向に眼球を動かしたときには変化のなかった視床の神経活動が、反対方向への動きでは活動が増し、大脳皮質に信号を送っていることが分かった。

 視床は、神経細胞が集まった基底核などからの信号を経由する、情報の交差点のような部分。これまでは眼球を動かす機能は大脳皮質が関係していることしか分かっていなかった。新たに視床が関係していることが解明できたことから、研究を担当した田中真樹准教授(認知行動学)は「神経疾患の病態が分かり、臨床への応用が期待される」と話している。という記事がありました。


この文章の後半だけ読むとだと、眼球運動には視床が関与するといった内容となり、本来の内容と変わってしまいます。


というのも、この実験は、単に反射という運動を見ているのではなく、あって向いてホイというルールを理解し、本来起こりうるであろうサッカード反射に抗して異なる方向を見るという種々の情報の統合がなされているということを指し示しています。


視床は、脳に入る様々な情報の統合がなされる場とされていましたが、今回の実験により、あっち向いてホイも、様々な情報の統合が使用による関与によってに行われていということが分かります。拳遊びも使い方によっては神経疾患の回復度合いを見る指標になり得るかもしれませんね。


詳しくはあっち向いてホイ!の脳内メカニズム をご覧ください。


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