◆糸満市長選挙(沖縄県)
沖縄県の糸満市長選挙は5日投開票が行われました。
結果、新人の上原 昭氏が初当選。
有権者数は44,699人。
投票者数は26,561人。
投票率は59.42%でした。
以下は今回の選挙の立候補者の顔ぶれです。
左から得票数,得票率,年齢,性別,現新,名前になっています。
13602 51.21 66 男 新 上原 昭(うえはら あきら) 当選
12168 45.81 65 男 現 上原 裕常(うえはら ひろつね)
■糸満市長選挙で一矢を報いた形となった保守陣営
沖縄県は47都道府県の中で、最も保守陣営が苦戦している選挙区になっています。
先週の注目は沖縄県議会議員一般選挙と糸満市長選挙。
他の自治体の選挙戦では自公政権に対し、オール野党が挑む構図が多く見られました。
ところが沖縄県だけはオール野党に対し、自公維等の保守系がどこまで票を伸ばせるのか。
そういった逆転現象が今の沖縄県での選挙戦では度々見られます。
■未だに社民党が6議席ももっていることに強い驚き
中央政界では風前の灯火状態の社民党。
はっきり言って社民党は、1996年の村山内閣総辞職で終わったと言っても良いでしょう。
あれから20年も形はどうあれ党が存続していること自体が驚きです。
にも関わらず沖縄県では未だに社民党の県議が6人もいます。
この6人という数字も2012年の選挙時の8人より2人減らしての6人です。
数字だけ見ても今の沖縄県の特異性みたいなものを感じずにはいられません。
ちなみに書きますと「6人」という数字は、躍進中の日本共産党と同議席です。
■果たして本当に”与党”は勝利したのか
リベラル寄りの沖縄タイムスや琉球新報は与党の大勝を伝えています。
<社説>県議選与党大勝 辺野古移設を断念せよ 民意無視はもう許されない
確かに数字上では翁長 雄志(おなが たけし)知事を支える与党が勝利しました。
現に無所属ながらも翁長県政を支持しているグループは議席を増やしています。
この一点を見れば両新聞社の社説で書かれていることは全面的に正しいです。
しかし自民党を筆頭とした保守系も議席を1つ増やしています。
果たしてこの結果をどう見るか。
リベラル側から見れば勝利した選挙戦も、保守側から見てみると必ずしも敗戦ではない。
そんな県議選だったような気がします。
では一身に敗戦の責を負ったのはどこだったのか。
それは民進党です。
■まさかの議席「0」となった民進党沖縄県総支部連合会
2016年4月に発足したばかりの民進党沖縄県総支部連合会。
今回の沖縄県議選では翁長知事を支える立場の与党として選挙戦を戦いました。
ところが結果はまさかの「0」議席。
この結果は岡田 克也代表をはじめとする民進党執行部にとってショックだったのでは。
なので実際には翁長知事を支える無所属グループの大勝利となった県議選。
そして一人負け状態だったのは、与党として戦った民進党沖縄県総支部連合会。
それが今回の県議選だったように私は感じています。
■必ずしも与党が大勝したとは言いきれない結果となった糸満市長選挙
県議選では確かに勝利した翁長与党。
しかし市長選挙では実は勝てていません。
1月24日に投開票が行われた宜野湾市長選挙でも保守系の佐喜眞 淳(さきま あつし)氏が勝利。
宜野湾市長選挙は正に自公vsオール沖縄というハッキリとした構図での選挙戦でした。
今回の糸満市長選挙でも勝利したのは、自民党とおおさか維新の会が推薦した上原 昭氏。
こういう結果を見てみると、実は保守系も些少ながら着実に票を伸ばしてきているんです。
そして何より今回の市長選で存在感を見せるようになったのが「おおさか維新の会」。
私自身も今の国政で期待を寄せている政党の一つ。
『確かな野党』とはおおさか維新の会のことを指すと思っています。
■基地問題は確かな重要だが経済対策も同じくらい大切
沖縄問題というと基地問題ばかりがフォーカスされがちです。
でも基地問題と同じくらい大切なのが経済問題。
沖縄県の景気は”うちなーんちゅ(本土)”よりも更に悪いのが現実です。
失業率も残念ながら常にワースト。
産業が偏りがちなので、若者が早い段階で上京する傾向が強いです。
島に帰りたくても仕事がないから帰れない人が多いとも聞きます。
どうしても基地問題がクローズアップされて、経済問題は二の次になっている感があります。
確かに島民にとって米軍基地の問題は大切。
それはよく分かります。
しかし若者にとっては働く機会の確保や充実も同じくらい大切な問題のはず。
この両方が解決しない限り、沖縄県の行政は明るくならないのではないでしょうか。
私はその様に感じています。