前回の記事 の続き。


野村監督の言う「不思議の勝ち」をどうして修めることが出来たのか、受かるはずがないと思っていた中小企業診断士二次試験になぜ合格したのか、を、強いてあげるならば・・・というレベルで考えてみる。


前回は外部環境に着目し、「勉強会への参加」を挙げた。第二の理由としてもう一つ外部環境を。


「不思議の合格」の理由

その② TAC講師との相性


一次試験の対策をしている際、自分に合う講師を求めて首都圏のTACを行脚する仲間に対してネガティブな反応を示す記事 (2009年元日付け) を載せた。その気持ちに今も変化はない。一次試験対策はあくまでも暗記。この段階で講師に頼っているようでは合格は覚束無い。講師というより、テキストの内容の是非や、極論「やる気」の問題である。


しかし、二次試験はそういうわけにはいかない。講師との相性は重要で、自分は幸いにも、滑り込みでいい講師にめぐり合えた。こんなこと書かれるのは TACとしては本意ではないかもしれないが、敢えて一言。


TACの講師も様々である。

テキストや模範解答の論理展開を丁寧に追う「淡々系」

情熱的(時に脱線的)なトークで人を魅了する「トーク系」

コンサルとしての本質を理解してもらおうと熱く語る「ハート系」

知識の積み重ねで外堀から徐々に埋めようとする「論理系」

本質も大事だが、とにかく合格する答案を目指す「テクニック系」


最初に言っておくが、「どれがいい」「どれが悪い」ということ一概に言えない。全く言えない。ここで展開する論理は、あくまでもワタクシ個人の主観に基づくものであり、ワタクシが採った選択肢を勧めるものでもなければ、客観的・定量的データに基づくものでもないことを最初に強調しておく。ワタクシの場合はこうでした。皆さんも、こういう違いがあることを頭に入れて、自らご判断下さい、ということが言いたいのデス。それ以上でも以下でもありませんのでご承知おきください。ハイ。


自分の一次試験対策の講師は「淡々系」であった。一次対策としては十分過ぎるほどであり、一次試験で合計515点、全科目60点以上の完全合格 を果たしたのは、「淡々系」講師のおかげでもある。全く問題なし。


ただ、我々初学者・ストレート生が二次試験対策に充てられる時間はたったの2か月。その限られた時間で、「自分で考えてね」「ほら、模範解答こうなってるでしょ」系の講義で合格の実力が身に付くかというと甚だネガティブだった。


TACの制度は本当に良く出来ている。同じ講義であれば、どこの校舎で受けてもいいという振替受講制度が非常に充実しており、ある校舎に属しつつ別の校舎で受講してもよい、という仕組みになっている。


自分はこれを利用し、評判のハート系講師のところで 直前事例答練①~⑧を受けることにした。確かにトークは面白いし、心を打つ。説明もわかりやすいし、人気が出るのも分かる。でも、この講師は哀しいかな、「分かっている人」であり「書ける人」だった。自分が「分かる人」であるが故に、自分の中で答えがすぐに見つかってしまう。つまり、なぜ間違えてしまうか、なぜ事故を起こしてしまうか、事故を起こさないためにはどうすればいいのか、そういう小手先の改善策を示すことは余りなかった。よって、「ほら、こういう論理展開で考えれば当然こうなるでしょ?」という「如何に勝つか」の指導が多いのが特徴だった。


我々初学者ストレート生は、時に、出題者の意図しないところで事故を起こすものである。超・初心者ゴルファーは、意外にバンカーにはまらないことをご存知だろうか。一般ゴルファーとは異なる飛距離、設計者の意図しない経路で前進するからだ。逆に、中級ゴルファーぐらいになると、設計者の狙い通り、突然バンカーに入ることが多くなる。


その後、この点を深刻に悩んだ末、最後のオプション講義の段階で「テクニック系」の講師のところに鞍替えすることを決意した。この講師は勉強会仲間が「初心者向けだ」と高く評価していた。要は「勝てないまでも負けない回答を作ろう」、「如何に負けないか」ということに徹しているそうで、気にはなっていたのだが、「本物志向」を標榜する自分としては、出来れば二次試験の本質的な技量を身につけて真っ向勝負をしたいと思っていたため、この期に及んで小手先な感じがする「テクニック系」に走るのはどうかなと逡巡していた。また、この「テクニック系」講師を慕う受験仲間からも、「この最終段階でテクニック系を受けるのはリスキーだ」とまで言われた。


しかし、他に道がなかった。このまま「如何に勝つか」「如何に負けないか」も身に付かないまま二次試験本番を迎えてはどう考えても合格するとは思えない。何か変化が必要だと感じたため、「勝つのは難しい、なら負けない方法を考えよう」と決意して、「テクニック系」を受けることにした。「坂の上の雲」当時の日本のような感覚だった。


結果的に、この「転向」は正解だった。「このフレームでとりあえず考えてみよーぜ」と、明瞭な指針を与えられた。何よりも大きかったのは、「このフレームで対応出来ない問題はみんなも出来ないから部分点でよしとしよーぜ」と、バッサリ切り捨て御免の考え方を与えてくれたことだった。確かに時々「思いつき回答(=コンサルタントとしてのアイデアアドバイス)」を求める問題があり、これが出来ないと何か重大な欠陥があるような気がして「ずーぅんガーン」と沈みこむのだが、このテクニック系の講師はそれを「これは分からなくて問題なし、何か書いて部分点もらえればラッキー」と一刀両断で切り捨ててくれたので助かった。


もう一つ、この講師の特徴は、TACの事例答練の模範解答とは別に、自分なりの解答を提供して毎回配ってくれることだ。TACの模範解答を見ても「こんなん書けるかっ!」と自暴自棄になる時があるが、この点、この講師の解答例は「庶民派解答」であるため、「これなら書けるかも」と希望が湧く(笑)。勉強会での受験仲間との答案交換と同様の効果があると思われ、非常にモチベーションが向上した。


自分がギリギリのところで合格できた理由を敢えて考えるならば、上記の様に、「よい講師にめぐり合えた」ことも理由の一つだろう


繰返しになるが、「テクニック系がお勧めだよ」と言っている訳では決してない。

「TAC講師にも色々なタイプがあるので、可能なら、自分に合うタイプの講師の講義を受けるのがいいと思うよ」、「だから、少なくともその点について一度立ち止まって考えてみた方がいいよ」ということが言いたいだけなのだ、誤解なきよう。




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