帰国のご報告 | まさたか日記

帰国のご報告


                   帰国のご報告


218日 約1年ぶりに無事に帰国できましたことを 皆様にご報告申し上げます。

昨年116日に 渡航心臓移植実現のため 皆様に募金のご協力をお願いいたしました。友人 知人に負担をかけ 近隣の方々や見ず知らずの方々に募金をしていただくということに 心苦しさ 申し訳なさを抱えながらも 我が子を助ける方法が1つでもあるのなら 「助けたい」「助けてください」と 心から思い 願いました。


ご理解していただいた方々の行動は おそらく私達の想像をはるかに超えたものだったと思います。声を大にしてあちこち走りまわってくださった方、インターネットなどの通信方法を駆使して広めてくださった方、寒い中街頭に立ってくださった方 そこへ足を止めてくださった方 募金箱を作ってくれた方 それを置かせてくださった方 自分のお小遣いから募金をしてくれたお子様 メッセージやお守りを送ってくださった方・・・ここに書ききれないほど沢山の方々 お一人お一人のご支援ご協力に心から感謝しています。


日米の医療スタッフの素晴らしいケアは 臓器移植という「待つ」医療を本当によくわかってくださっている方々の丁寧かつ的確なものでした。特に日本では いくつかの山を乗り越えなければなりませんでしたが 本当に見事な連携で渡米にこぎつけ 安全に送っていただくことができました。UCLAメディカルセンターでは 長い待機期間でしたが 体調管理は勿論 精神的なフォローを継続的にしていただいたおかげで「待ち続ける」ことができました。

現地のボランティアさんたちには 通訳の他 お買いものなどの生活面の手助けをしていただき 余計な不安を持たずに生活することができました。

他にもいろいろな方々との出会いがあり 何度も救われてきました。

そして この期間 ずっと見守り続けてくださった日本の皆様のお気持ちに支えられ続けてきたお陰で 私たちは 元気に帰れることを信じ続け 待ち続けることができたのです。


そして ドナーとなられた方 そのご家族への感謝の気持ちは生涯あせることはありません。ご家族の死を受け入れる時 その悲しみの中での 「他の誰かの未来をつなぐ」というご決断に深く深く感謝し これからも遠い空の下 まさたかが元気に前向きに生きていく姿をお見せすることが恩返しと考えます。天に召され心おだやかでいらっしゃることをお祈りしながら 感謝し続けたいと思っています。

 

まさたかは 自宅に戻り 家族揃って床に入ると「俺 泣けてきた」と言って 喜びをかみしめていました。発病してから ここまでの数々の出会いが1つでも欠けていたら 彼はこうして笑顔で自宅に帰ることはなかったと思うと 改めて 皆様への感謝の気持ちがこみ上げてまいりました。

他国では移植医療が定着する中 日本の状況がなかなか変わらないのは非常にもどかしい思いです。移植に代わる医療も専門家の間では研究が進んでいるようですが 実用化にはまだ時間がかかるそうです。

「臓器移植」 「脳死」 「ドナーについて」 「ドナーカードの活用」など 人の命にかかわることだからこそ イメージや想像 印象ではなく わかりやすく 正しい情報が必要だと思います。先を行く国のやり方をもっと具体的にいろいろな角度で参考にして 日本でできる方法や更なる改善策を見いだし 1人でも多くの方を救ってほしいと心から願います。


私たちにとって ここは大きな区切りであり 新たなスタートです。皆様への言い尽くせない感謝の気持ちを忘れず また111つずつ進んでまいります。本当にありがとうございました。


                                      大木通照・多香子