最高のサービスをローンチして1日で大失敗して僕が学んだこと | Masaの本音ブログ

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こんにちは、Masaです、本気で世界を少しでも良い場所にしたいと思い会社やってます。一個はポルトガルで、もう一個はアメリカで。拠点は日本です。
ブログは日々の活動と、感謝する方々へのメッセージを書く場にしたいと思います。

『初めに、BeskyAirとはなんだったのか?、ターゲット層の選び方、サービスのローンチの仕方、スイッチングコスト、投資家の選び方、これから』


『初めに』

さて、約1年ぶりのブログ更新。今日はとんでもなく悲しく、頭にきて、そして学んだことがあったので日本語だけで(this is only in japanese)ブログを書きたいと思う。

今日、2年間ずっと開発して、考えて、ユーザーテストして、UI/UXのABテストして、web作って、ブートストラップで完璧なレスポンシブにしてローンチしたサービスが1日で無くなった。

作るにあたって膨大な時間、お金、そして投資家さんたちの夢をかけてやっただけにめちゃくちゃショックなので、誰かが同じような過ちをしないよう、ここに書き留めておこうと思う。


『BeskyAirとはなんだったのか?』

そもそも、どんなサービスをローンチしたのかの前に、キャビンアテンダントについて殆どの人が知らないことを教えよう。JAL, ANA以外の殆どの航空会社はキャビンアテンダント同士でスケジュールを交換できる。それはつまり、Aさんがロンドン、Bさんがプエルトリコに行く場合、お互いで話してそこで同意すればスケジュールを交換できるのだ。この時、実は彼女達はスケジュールを売っている。平均価格は3,500円。月間交換回数はのべ約2,500回、つまり一つの航空会社で1億円程が年間で取り引きされていることになる。


これを現在彼女達は電話、LINE, Facebookなどを使い非常にアナログな方法で行っている。検索も出来なければ、レコメンドエンジンもマッチングのアルゴリズムもない。たまたま僕は他のサービスでキャビンアテンダントのスケジュール管理サービスをやっていたので「スケジュール交換のためのプラットホーム」を作ればとても喜ばれるのではないか?そしてビジネスになるのではないか?と思い、Better Experience in the Skyの略をとってBeskyAirというマッチングプラットホームを作ったのだ。これはもちろん検索、マッチング、レコメンドなども盛り込み、レスポンシブで使い勝手のとても良いものだ。


そして、これを4月4日にある航空会社向けにローンチしたのだ。


で、結果はというと。


ーすみません、CAじゃない方はスケジュールとかに関与しないでください

ーこれ公認じゃないですよね?そういうのはやめてください

ーどこの誰ですか?どうやってこの情報を得たのですか?


という連絡がバンバンw入り、、、、

サービスの内容については一切触れず、、、やめてくだいさいの一点張り、、、


僕の心境

え、、、あ、あーー、、、そうですか、ですよね、皆さんのために作ったけど、、中身をみるよりそっちが大切ですよね、、、

えっと、100%無料ですが、とくにデーターもとらないし、ってかFacebookに皆さんデーター垂れ流してますが、Facebookも航空会社公認じゃないですが、、、


ここで、暫く考える、お風呂に入る、そして結論にたどり着く


マザーテレサの言葉

「あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう

気にすることなく正直で誠実であり続けなさい。

助けた相手から恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。

気にすることなく、助け続けなさい。」

僕の言葉

ひとには伝えないと伝わらない、でも伝えようとしても伝えられない時もある。そんな時は”いい経験をした”と思い、忘れて、次に出会う人に何を、どう、伝えられるか考えよう。

『ターゲットの選びかた』

さて、ここでいきなり少しビジネスの方に話を戻すけど、今回学んだのはターゲットの選び方がすごく大事だってこと。どんなサービスも作るのは大変、多分同じくらいどれも大変、だからこそ、誰の、どんな課題を解決していくのかを明確にするべきなんだけど、この時に「誰」を選ぶかはめちゃくちゃ大事。だってサービスを始める前は「誰でも」選べるんだから。

今回僕はキャビンアテンダントという超ニッチを選んだけど、完全に間違っていたと思う。なぜか?それはキャビンアテンダントが悪いのではなく、僕がキャビンアテンダントではないし、僕は自分の作ったサービスを使わない=課題の本当の真髄がわからないから。ただ、ニッチで誰もやってなくて、課題っぽい事が見えていたからやっただけ。これは間違いでした。

ということでターゲットは身近で課題は自分も強く関連するものを選ぶべきなんだと非常に強く感じた。⇨飛び地感のある分野はやめよう。


『サービスローンチの仕方』

今回サービスは元々キャビンアテンダントのネットワークを僕が持っていたからそこで素直に「はい、できました」ってローンチした。

これは全然ダメね、もっと用意周到にローンチハックとか使ってローンチするべきだった。正確にはローンチする前にサービスを知ってもらい、信頼を得て、期待感を煽ってからのローンチをするべきだった。本当これは反省だけど、このことをこの短期間で学べて本当に良かった。


『スイッチングコスト』

これも大事、今回は完全無料なサービスだったんだけど、既に使っているものから新しいものへスイッチさせる事の難しさを痛感した。

google analyticsを見るとそれなりの数の人がサイトには来てるんだけど誰一人使わない、それはなぜかというと「他に誰も使ってないから」。でもそんな事言ってたら誰も一生使わないじゃん、って思うけど。「誰もまだ使ってないけど、それでも使いたい、使っている事を自慢したい」くらいのサービを作らないとダメだって事。

本当、勉強になるね。


『投資家の選び方』

このプロジェクトには13人の素晴らしい投資家がいる。

彼からは僕がこのサービスをやるから投資したのではない。

僕に対して変な意味ではなく「愛があるから」投資してくれた。

だから確かに今回のサービスは1日にして死んだけど、、、ここで作ったアセットや学んだ事で再度挑戦したいと思う。

PS:F&Fの皆さんには別途会ってお話します:)これからの事も。


『これから』

まずはアセットの棚卸しをしようと思う。

そしてそれを元に次のマーケットはどこにあるのかを分析して、リードタイム、競合、市場などを再度見直して。今回作ったものを活用していこうと思う。

これはビジネスだから、リーン&ドライに劇的に速いスピードで実験を繰り返したい。そしてそれが自分に近い課題を解決すると同時に、もっと皆んなが使うサービスに昇華していけばいいと思う。

『ここまで読んでくれた人へ』

僕の極めて個人的な話を読んでくれてありがとうございます。

このような学びが少しでも皆様の失敗の回数や深さを軽減するものになれば幸いです。

また、これを読んでもし「そのアセットこうしたらいんじゃない?」というアイディアなどあれば大歓迎ですのでご連絡ください:)


ではでは、今日からガツンと方向転換して次を創造してまいります。

Masa