ブドウ糖に反応する物質、開発に成功
「その光る皮膚、血糖値高いです」
ブドウ糖の濃度に応じて、光の強さが変化する微小ビーズを作ることに、東京大生産技術研究所などのチームが成功した。
糖尿病患者の血糖値の変化を、常時計測する方法への応用が期待される。
21日から米国で開かれる国際会議で発表する。
研究チームは、ブドウ糖と結合すると、蛍光の強さが増す高分子化合物を開発し、直径0.1ミリのビーズ状に加工。
このビーズをマウスの耳の皮下に数百個注入した後、ブドウ糖を注射すると、皮膚から蛍光を発しているのが観察できた。
糖尿病患者は血糖値を厳密に管理するため、1日数回、指などに針を刺して、採血し、測定している。
竹内准教授(微細加工学)は「今後、安全性や性能を高め、糖尿病患者の血糖値を常時測定できる装置を開発したい」と話している。
(2009年6月21日 読売新聞)
この原理を応用して、代謝される物質で作ることができれば、がんの早期発見や転移の発見に利用できる。
がん細胞は、正常の細胞の3~8倍の糖質を使うといわれている。
この性質を利用したのが「PET(ポジトロン・エミッション・トモグラフィー)-CT」だ
ブドウ糖を放射性同位元素F-18で標識した、18F-FDG(フルオロ・デオキシ・グルコース)を静脈注射により体内に入れると、がん細胞にFDGが多く集積する。
そこにある18Fが崩壊して陽電子を放出する。これを検出するのがPET、これにCTを組み合わせて、がん細胞を特定する。
簡単にいえばそういうことである。
ただ、苦手な分野もある。水の多いところ(膀胱等)は見えないし、炎症のある場所でも反応する。
誰か、代謝される物質に、この蛍光物質を組み入れる方法を考えて