相変わらずの大前節。キライではありませんww 【書評】お金の流れが変わった! 大前研一 | 日々の気づきを記録する。

相変わらずの大前節。キライではありませんww 【書評】お金の流れが変わった! 大前研一


お金の流れが変わった! (PHP新書)/大前 研一

¥760
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相変わらずの大前節です。キライではありません。笑

著者の本は何冊か読みましたが、毎度、歯切れがいい。
政権交代は失敗だったと民主党をバッサリ切り、オバ
マもだめだと言い放つ。そして、自慢話をいくつもは
さむところは著者らしさです。

で、この本。

世界の2強である米国と中国。

米国は"黄昏の大国"になり、中国は発展しつつもバブル
崩壊、共産党一党独裁の不確定さが残る。

著者が言う「ホームレスマネー」。投資先を探してさ
まよう4千兆円のお金のことで、ウォール街ファンド
マネージャー、約6百人が運営。儲かるところをいつ
も探し、逃げ足も早い。

米国、中国、日本が金を集められないいま、お金はどこ
に流れているのか。

著者はEUを評価する一方、現在注目している新興国をあ
げます。"BRICs"だけでなく、"VITAMIN"の時代だそう
です。(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、
アルゼンチン、ナイジェリア)。

これらの国は5千万人以上の人口を持ち、平均年齢が
20代から30代前半。低賃金だが優秀な頭脳、また
は勤労意欲をもつ国々だそうです。

米国一国集中から中国/米国の2強、さらに新興国を
含めた多極化へ。そのなかで日本はどうすべきか。

アイデアマンの著者は次から次へと処方箋を提示し
ます。

まずは著者が日本最強の会社と考えるJR。鉄道だけな
くショッピングセンター、電子マネーなど収益に結び
つけています。この鉄道会社のビジネスモデルをセッ
トで他国に売る。

次は原子力発電。著者はMITの原子力工学科博士。今後、
長期的に躍進が見込まれる原子力発電事業は有望。東
芝、三菱重工など日本は世界でも有数の会社です。

他にも築地/勝どき/汐留などの湾岸百万都市構想や減価
償却期間の短縮化など興味深い。

個人的には、チャイナインパクトのほうがデータが豊富
で説得力があったのも事実ですが、バッサリ切りながら
も最後は明るい処方箋をもってくる著者は嫌いでないで
すね。

※この本はレビュープラスさんから頂きました。

【目次】

第1章 超大国「G2」の黄昏
アメリカ―「唯一の大国」はいかにして崩壊したのか
中国―バブル崩壊はいつやってくるか

第2章 お金の流れが変わった
「ホームレス・マネー」に翻弄される世界
EU―帝国拡大から防衛へのシナリオ
新興国―二十一世紀の世界経済の寵児

第3章 二十一世紀の新パラダイムと日本
マクロ経済政策はもう効かない
市場が日本を見限る日

第4章 新興国市場とホームレス・マネー活用戦略
新興国で成功するための発想
日本経済再成長の処方箋