Princess Soraya of Iran | 五欲の華を咲かせましょう

Princess Soraya of Iran

引き続き、展覧会で取り上げられていた女性について書きます。

私はこの方を全く知りませんでした。

イランのソラヤ元王妃です。
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1932年、イランの名門出身の父と、ドイツ人の母の間に生まれ、18歳でパーレビ国王の2度目の妻となりました。

それはそれは豪華な結婚式だったようで、まず、オランダから送られた1.5トンの蘭、チューリップ、カーネーションで飾られ、羽根や真珠をちりばめてあるガウンはクリスチャン・ディオール。
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そして、婚約指輪。 ヴァンクリーフ&アーペルの22.37ctのダイヤモンドです。
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この結婚式の1か月ほど前から、彼女は腸チフスにかかってしまい、当日も完治せず、熱が下がらないままで、一人で立つのも難しい程だったそうです。

結婚してからも、もちろんジュエリーの贈り物はありました。
例えばこれ。以下全てヴァンクリーフ&アーペル製です。
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これは、1950年製だそうなので、結婚前に贈られていたようです。
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                       (わかりにくいですが、扇形のイヤリングです)


しかし、結婚生活は7年で終わりました。
子供ができなかった為です。
2人は変わらず愛しあっていたのですが、イラン王家は後継ぎを必要としていた為、別れざるをえなかったそうです。
王妃ではなくなりましたが、王女と名乗る事は許されたそうです。
その後、彼女は女優をしたりもしていましたが、2001年、パリで死去。

イランは革命により王制廃止、今は共和制になっています。


彼女の所有していたジュエリーで、とても可愛らしいものがありました。
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ラブバードという名のクリップです。
他のジュエリーは、王家の女性にふさわしい、ゴージャスで威厳のあるものばかりですが、これはとても愛らしい。
小さな女の子がつけていてもおかしくないようなものです。
王女時代、そして亡くなるまでずっと所有していたであろうクリップ。
彼女の内面を表すジュエリーではないでしょうか。
時折、昔を懐かしむようにクリップを取り出し、そっと微笑む。
そんな姿を想像してしまいます。

ジュエリーというのは、肌に一番近いものだからか、思い出と密接に関わるような気がします。
喜びも悲しみも、全部吸収してしまうような感じさえします。
私も晩年、ジュエリーを見て、思い出にふける時がくるのでしょうか。



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