黒崎真音 3rd Album【REINCARNATION】 | ☆ま~のブログ

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今回はアニソンシンガーの黒崎真音さんの
3rd Album【REINCARNATION】について書こうと思います。

【概要】
アーティスト:黒崎真音
タイトル:REINCARNATION
作詞:黒崎真音(全曲)
作曲・編曲:高瀬一矢、井内舞子 ※両名ともI've sound所属
プロデュース:I've sound

黒崎真音が主題歌を担当したアニメ【東京レイヴンズ】のトリビュート作品。登場キャラクターの心情を描いた黒崎真音による歌詞と、主題歌を作曲した高瀬一矢とアニメ劇伴を担当した井内舞子の曲によって構成されていて、黒崎真音とI've soundのコラボレーション作品となっている。

初回限定版には【東京レイヴンズ】の原作者【あざの耕平】による短編小説と特典ディスクとして収録曲【-Autonomy-】のMV(Animation)、アニメ【東京レイヴンズ】のノンテロップOP映像、【X-encouter】のMVが収録されている。

【写真】






【CM】


【楽曲について】
I've soundによる楽曲なのでエレクトロなロックという印象の楽曲が中心の作品になっている。ヘヴィな曲、ポップな曲、展開が複雑な曲、バラード曲とエレクトロなロックといっても多彩である。

前作までのバンドサウンドと相反するエレクトロサウンドとなったことは賛否両論を呼ぶと思う。

高瀬一矢による楽曲はボーカルにフォーカスしているいわゆる歌ものといった類ではないものが多い、Aメロ・Bメロではボーカルも楽器の一つの様な扱いでサビで一気にボーカルを際立たせるアレンジが多い。MVになっている【X-encounter】と【-Autonomy-】は高瀬曲の中では全編通して歌ものと言える楽曲で歌詞が耳に入ってくるが、他の高瀬曲はサビ以外の歌詞が耳に残らないものが多い。ここは黒崎真音という名義で出したのだから賛否が分かれる部分だと思う。

井内舞子による楽曲は対照的でどの曲も全編通してボーカルにフォーカスしたアレンジになっていて歌詞もボーカルの表情も伝わってくるので安心して黒崎真音を楽しめる。【Tr.6 K・O・N♡】では可愛らしい黒崎真音の新たな一面を演出してくれている。

どちらが悪いとかはなく楽曲がある種の2極化していることで良いバランスだと思う。ただこのバランスだったら【黒崎真音】ではなく【I've sound featuring 黒崎真音】の名義の方がしっくりきた様な気がする。黒崎真音の歌が弱いとかの話ではなくて、アレンジなどの曲中のボーカルの位置づけの印象としての話。

ライブでのバンドアレンジが楽しみな楽曲は多い。


【ボーカルについて】
正直な話をすると上記の楽曲の部分にも関わるのだが、第一印象ではボーカルが印象に残らなかった。サウンドの印象が強烈なことと、いつもと違うボーカルの音作りだからだと思う。前半を試聴しただけでは今までの黒崎真音を感じられないかもしれない。

黒崎真音のパフォーマンスとしては新しいことに挑戦している部分もあるし、いつも通り艶やかな声が聴ける曲もあるが、高瀬曲ではサウンドメイクの問題で黒崎真音の歌声の魅力(長所)が上手く伝わってこない曲もある。

私の思う黒崎真音の歌声というのは張りがあり強弱の表情を付けれる音域の広さと、息遣いのニュアンスでブレスの前後の声の表情であったり歌い終わりの余韻などの表現の素晴らしさに魅力があると思っている。

このアルバムの序盤の曲はリズムのタイトさを表現するためなのか歯切れの良い音作りになっていて、息遣いが感じられずいつもよりも無機質に聴こえてしまう時がある。攻撃的な歌い方が支配している印象があり、いつもと少し雰囲気が違う。意志の強さを感じる歌詞が多いので歌詞との関連性という意味ではバランスは取れているとは思う。無機質と書いたがマイナスというわけではなく、このスタイルに挑戦することで歯切れの良いタイトな節回しや文章だけでなく単語だけでも言葉に力を与えるという表現力が増したのではないだろうか。

井内曲ではいつもの黒崎真音が感じられ【Tr.10 REINCARNATION】での歌声は特筆すべき素晴らしさだと思う。黒崎真音の名義で出すのならつかみの部分でもこの様な黒崎真音らしい曲が欲しかった気はする。

色々と書いたが挑戦的な構成にアルバムを仕上げてきたのは正解だと思う。このアルバムのボーカル面については前半で新機軸が垣間見え、後半ではこれまでの黒崎真音と新機軸のハイブリットな表現がなされているように思える。前作【VERTICAL HORIZON】と続けて聴くと対照的な作風に思える部分と、進化した黒崎真音の表現の多様性が見えてくる。


【歌詞について】
冒頭で書いたけど、東京レイヴンズの登場キャラクターについての歌詞で構成されいる。全体的に【己の弱さとの対峙】と【挑戦・前進】というテーマを持っていると思う。これはこれまでの黒崎真音の歌詞世界にも共通している。しかし今回の歌詞は葛藤や自問自答に重点があるわけではなく自我の目覚めや強い意志(決意)のようなものに溢れていて気持ちが外に外に向かっている気がする。

キャラクターだけでなく自分の意思表示も含まれているのであれば表現者として気持ちが外に向かっていくのは凄くプラスなのではないかと思う。

最後の【Tr.10 REINCARNATION】は全てのキャラクターを後ろから応援する感じとのことだが、黒崎本人が自分の足跡を受け入れて昇華して行く過程で言葉を紡いだ印象を私は持った。

楽曲やボーカルのところで高瀬曲のAメロやBメロの歌詞は一聴しただけでは耳に残らないものがあると書いたが、一度でなく何度も聴いているうちに徐々に耳に残ってくる感覚はある。これは譜割りや言葉選びで相当に工夫を重ねた結果だと思う。

内向的な繊細な表現に加え外に向けて気持ちを打ち出す力強さも加わり、複雑なリズムでも言葉を伝えるための譜割りや言葉選びの更なる工夫が見えた。作詞家としての進化は見える作品だと思う。


【総評】
アーティストは客の想像を越えていく。これだから楽しい。期待はずれと新感覚の感動というのは紙一重だけど、無難ほどつまらないものはない。このアルバムで黒崎真音は新たな武器を多く手に入れたと思う。黒崎真音といえばバンドサウンドか?エレクトロサウンドか?で賛否両論を生む作品だとは思うが次もファンの想定内におさまらない固定概念をブッ壊すような挑戦をして欲しい。

バンドもエレクトロもどっちも素晴らしいになればミュージシャンとして最高だと思う。ツアーが終わった頃にそうなることを願っているし、信じている。

【2nd Album Tour ダイジェスト】



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