過去 他URLで書き綴った日記です。そちらが閉鎖予定ですので、こちらにコピペしておきます。

blog自体は、数年後の自分が、過去何をして 何を感じてきたのかを振り返る為に書き綴っている事も1つの理由ですので、未来の自分の為残しておきます。

時間がある時にでも流して読んで頂いて、その中で感じる事が1つでもあれば幸いです。 

乱筆乱文がある事は最初にお詫びしておきます。


これは2年程前の日記。 

ロードバイクを初めて間もない超初心者の自分の時ですね。 今は通勤車となってるジャイアントで走っていた頃で懐かしすぎる。


前編はこちらから 
http://ameblo.jp/masa-ash-funny/entry-11712177755.html



【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

2011年12月30日 八代IC高架下


熊本県八代の日暮れは早く、辺りは暗闇に包まれ自転車のテールライトがチカチカと周りの黒いアスファルトを赤く照らし、俺は、知らない土地で走れなくなった自転車と共に 冷たいアスファルトに座り込んでいた。

後輪が振れているように見え、予備チューブはあるが携帯ポンプは壊れていた。

(ん~、まいったなーこりゃ。)


頭をボッサボサ掻きながら、立ち上がり自転車を眺めた。
元旦間際の夜だ。
SHOPも知らなければ、自転車屋さんだって休日をとってることだろう。

ついさっき起こった事が一瞬すぎて状況が把握できず しばらくボーっとしていたが、立ち止まっててもしょうがない。


(じゃあ。やるか)


どっかりと冷たい地面に腰掛け、しばらく考え、携帯のGPSで現在の位置確認・近くのビジホ検索&予約・自転車屋検索・Taxi手配をした。


「はーい ○○タクシーですが。」

「あの、すみません。八代IC高架下で自転車を転倒させて壊れたので、八代グランドホテルまでお願いしたいのですが。。」

「はーい!わかりました。じゃ、今から伺いますね~」


えらい元気なおばちゃんが電話に出てしばらくすると1台のTaxiがきた。
人柄の良さそうな おいちゃんが運転席の窓を開け話しかけてきた。


「どっから来たとね?」
「福岡です!」

「どうしたと?」
「いやぁ。。そこのキャッツアイに乗り上げちゃってですね、近くのホテルまでお願いしたいのですが。」

「聞いたよ。今ねぇ空いてる自転車屋を探しとるとよ」
「?」

「いやぁ この元旦間際だから ついそこに量販店があるから電話したら閉まっとうとったとよ」
「え??」

「やけん 今、事務所で他の自転車屋が空いてないか1軒づつ電話しとうけんが少し待とうか」


俺は さっき電話で、ホテルまで送ってほしい としか陽気なおばちゃんに伝えてないはずだ。
首をもたげると涙が出そうになるもんだから不自然な形で上を向いていた。


(ザーーっ ○○ どーぞぉー 自転車屋空いとうよー)
無線が吉報を告げる。


「おい にーちゃん。あったぞ!!いってみるか?」
「はい! お願いします。」

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

Taxiのトランクに自転車を詰め込み、自転車屋についた。
ロードバイク用品は取り扱いがない為にホテルまでは道草だったが、それでも 本当に このときは嬉しかった。

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

八代グランドホテルに着き、重たいバックや荷物を ドサッとテーブルに置きベットに大の字で仰向けになった。
落車の時の肩がジンジンと鈍い音をたててるみたい。


(腹へったなー 出かけるか。)

財布をポッケにいれ 八代駅近郊の飲み屋街をぶらつく。

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

あれやね。 昼間は知らないけど、親不幸と中洲を足して2で割った印象。

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

しばらく歩くと 繁盛してる店発見。 ガラガラーと戸を開けカウンターに座り 芋のお湯割りを頼んだ。
知らない店の時は常連の人が食べてるものが無難なので、横に座ってた 上司と部下の間だろうサラリーマンと全く同じ物を頼んだ。

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

程よく 酔ったので ホテルへ帰り マッサージを頼み、その日は深い眠りについた。


2011年12月31日 晴れ

肩は少し鈍い音を立ててるような感じだが、心は軽い。

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

ホテルのバイキングで全種類をたいらげ、部屋に戻りチャッチャと自転車屋検索&TEL 
1軒だけ午前中なら空けてるよ~ってとこを見つけたので、昨日のTaxi会社に電話をして送ってもらう。

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

自転車のおいちゃんと2人でばらし、後輪は振れておらず ホッとして、あーでもねー こーでもねー といいながら、とりあえず直った。 

この時 11時。
自転車屋さんにお礼をいい、GPSでルートを調べる。
俺は佐多岬は諦めてなかった。


12月31日、八代~水俣経由、鹿児島空港
1月1日、鹿児島空港~佐多岬
1月2日、佐多岬~鹿児島駅
1月3日、鹿児島駅~九州新幹線さくら 福岡着


これで行けるはず。
少し計画が遅れただけであって、今からでもまだ間に合うはずだ。


肥薩街道を ただ真っ直ぐに走らせるが、徐々に右肩が重くなっていき 気持ちだけが前へと進み先行していた時、

(かっくっん・・ プッシュー!)

八代を飛び出し、30キロ付近だろうか、小石に乗り上げ、またもや リムウチパンク・・・(もーイヤッ)
空気入れが昨日の事故で壊れたので どうしようかと考えながら周りを見渡すと ブリジストンの看板。


こんなにもタイミングあるし。。。 ありえねー

苦笑いをしながら店へ入ると おいちゃんがストーブの前で暖まっていた。


「あのぉ、すみません パンクしちゃって」
「そおねぇ」


おいちゃんが ちゃっちゃとパンク修理してるのでついでに聞いてみる。


「佐多岬へ行きたいんですが 今日ですね、鹿児島空港まで走りたいのですが、この時間で間に合うでしょうか?」
「どのルートいくと?」


「えっとですねー」


俺は腰かけポシェットから でっかい九州地図を床に広げ、おいちゃんと2人で地べたに膝まずいて、今までのルート、予定しているルート、昨日転んだ事、初心者である事 など 話した。

一生懸命話してて、次第においちゃんの目じりが下がっていったなー


「うん。水俣経由で鹿児島駅までは ずっとアップダウンたい」
「ずっとですか??」

「海沿いの道を選んでもよかけど これじゃー距離がなぁ」
「今の時間からでは難しいでしょうか??」

「今日の朝方 やっぱり同じようにパンクしたからチューブがないかって来た人がいてな、峠超えするなら もうちぃとばかり早い時間だったらよかけどなあ」


2人で 地べたの でかい地図を指差しながら あーでもない こーでもない、と話してるうちに解ってきた。


世の中 意味のない事なんてない。きっとここで無理をしたって 昨日と同じ繰り返しかもしれない。
パンクしたことも、自転車屋さんがあったことだって、意味があってのこと。


(悔しいけれども 今の俺には経験不足!)



「わかりました。来年また出直してきます! 今年は一旦戻ります!」


そう言うと、おいちゃんの目じりは更に下がり なんだか小さな子供を 微笑ましく見ているような顔になった。


「ありがとうございましたー!」


一礼をして 九州南下の旅は今年は切り上げ。

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

もう、急ぐ必要は何もない。
のんびり走りながら、これからどうしようか考えてた。

また八代に泊まるのも面白くないので、元旦は熊本で遊ぶ事に決める。


【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

ホテルを調べ チェックイン。
窓辺の夜景が綺麗だった。 

部屋に荷物を置き、夜の探索へ。

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに


【九州夢街道】 夢。徒然なるままに


熊本駅周辺は 駅近くはでかい建物があるけど、まだ発展途上な様子。


なー 見てみろよ! 光る路面電車あるぜ? すっげぇーな!

繁華街は駅から遠いので断念。

るるぶ熊本を コンビにで購入しホテルに戻り明日何するか考えながら 知らない間に眠りについていた。

2012年1月1日 元旦  曇り時々晴れ

朝目覚め、熱いシャワーを浴び、チェックアウト。
昨日寝る前 明日は熊本城に行こうって決めた。 詳しくないけど、昔から歴史が好きでさ 熊本市内も初めてで なんだかドキドキするよ。

熊本城へは 目と鼻の先 
さぁ、到着だ!

さすがに元旦の熊本城は 車の渋滞。車を脇目にすいすいっと上り 自転車を駐車させ、熊本城へ入城。
まずは 加藤清正公を祭る 加藤神社へ。

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

結構長い時間並び、願い事を済まし いざ熊本城へ

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに


〈熊本城 公式HP参照〉
日本三名城のひとつ熊本城は、名将加藤清正(かとうきよまさ)が幾多の実戦の経験を生かし、慶長6年(1601年)から7年の歳月と、心血を注いで築城したものです。
大小天守閣をはじめ、櫓(やぐら)49、櫓門18、城門29を数え、城郭の広さは約98ha(東京ドーム21個分)、周囲約5.3kmにも及ぶ豪壮雄大な構えで、清正流石垣と呼ばれる優美な石垣と、自然の地形を巧みに利用した高度な築城技術で知られています。
加藤家2代、細川家11代の居城として続いた後、明治になり廃城となりました。
西南戦争では薩摩の大軍を迎えて、50余日の籠城に耐え、不落の名城として真価を発揮しましたが、総攻撃の3日前、原因不明の火事により天守閣や本丸御殿(ほんまるごてん)など主要な建物を焼失してしまいました。
焼失を免れた宇土櫓(うとやぐら)など13棟の建造物が国の重要文化財に指定されています。
なお、現在の天守閣は昭和35年(1960年)に、1市民の5,000万円もの浄財を基に、約1億8,000万円をかけて、鉄筋コンクリート造で外観復元されたものです。


だってさ!

本丸御殿 威風堂々だ。

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに



正面玄関を抜け歴史資料館

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに


昭君の間
本丸御殿の中でも一番格式の高い部屋で、藩主の居間だったらしい 美しい
【九州夢街道】 夢。徒然なるままに


宇土櫓 すごい急斜面の階段だった。。 ノン バリヤフリーだ

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに



首掛け石
横手五郎という怪力無双の若者が花岡山(はなおかやま)から首にかけて運んできた石と伝えられ、重さは1800kgあります。 仇討ちがばれて殺害されたんだってさ。 平和がいいね
【九州夢街道】 夢。徒然なるままに


石段・地図石
【九州夢街道】 夢。徒然なるままに


【九州夢街道】 夢。徒然なるままに


ふーーん、へーって言いながら 歩いてると、

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

おー! 侍がおる!!
すげーな 甲冑とか カッコいいじゃん
ガイドの人みたいで、熊本城のことを 面白い話を織り交ぜながら話してくれた。


桜の馬場 城彩苑で馬肉コロッケが今日のおやつ。
【九州夢街道】 夢。徒然なるままに


【九州夢街道】 夢。徒然なるままに

本当は 近辺の夏目漱石の旧邸やら 竜馬や武蔵の名残の跡も楽しみたかったけど、時間切れ。

また次の機会とする。


いやぁ 楽しかったな!

もう1泊泊まろうかとも思ったけど、中途半端だから今日中に福岡に戻る事に決める。
さっそうと自転車にまたがり、我が街 福岡へ150kmの旅路。


走ってる間の時間 本当に いろんな事を考えていた。
今日のこと、昨日クヨクヨした事、出発する前ワクワクしていた気持ち。


今まで生きた自分の歩み。


こんなに自分の事を振り返った元旦なんて 今まで1度もなかった。
こんな性格だから、飛び込んだ分の代償も大きかったし、辛い事も随分多く経験してきたけども、いつのまにか 臆病になって自分を守ることが、去年の言い訳になっていた思う。


単調なペダルを回しながら、1つだけ出た答えは、自分のペースでもいいから、一生懸命になれることを忘れちゃいけないってこと。



俺の生きてきた中での失敗なんて ほんとの失敗じゃないさ。

これが正解だとか、思うようにいく人生なんて誰だって歩めないんじゃないのかな。


沢山経験して、失敗して、辛い事があっても、笑顔だってあったじゃないか。

辛い事や悔しかった事も生きている証。

失敗や涙があったからこそ、夢や希望を持てるんじゃないかな。


人生走っていたら、どこに着くかわかんないし、何があるかも分からない。 

だから楽しいんじゃないか。


夢は待つものではなく追いかけていくもの。



山賀に入り、小栗峠入り。車は通っておらず、1人ペダルを回し続けた。


(こんな所で止まってたまるか。)


白い息を後ろに吹き散らしながら、小栗峠山頂を目指しダンシングする。


(苦しくても登るんだ。)



「俺は行くぞーー!!」


こんな声 俺にも出たのかって位の声で目の前の大きく黒い山に向かって叫び、巡航をあげ福岡を目指した。

【九州夢街道】 夢。徒然なるままに


夕焼けに照らされた黄金色のススキの穂が、走り去ったあとの風で少し後ろへのけ反っては 元通りとなり、ゆらゆらと しばらくの間ダンスをし また何もなかったように夕日に照らされていた。


【九州夢街道 2012年 俺の元旦】後編


http://www.youtube.com/watch?v=gQZkgqy0nC4