札幌市内から車でおよそ1時間。国道275号を北東に向けて快調に走った先にある
「家具工房 旅する木」を訪ねてきました。
昨年廃校になってしまった旧「東裏小学校」の校舎を利用してできた家具づくり工房です。
ここで月に2~3回行われている「木工教室」に参加するのが今回の目的です。
味わいのある校舎のご紹介は後ほど・・・
さっそく木工教室の内容をご紹介します。
今回は「お菓子を載せるための小さなお膳づくり」です。
会場は、工房となっている体育館。ここに家具作りのための様々な機械や道具が並んでいます。
我が家を含めて2家族+見学の方々が集まりました。ちなみに我が家は小学5年生の娘が挑戦です。
指導してくれるのは、工房を経営している須田修司さん。
旭川家具の職人としての下積みを経て、独立。
札幌の郊外に工房を構えていましたが、こちらの校舎を見て一目惚れ。
縁あって昨年、この小学校跡地に拠点を移したそうです。
それではさっそく木工教室、スタートです。
材料はブナ材とウォールナット材の組み合わせ。
まずは木材用の「業務用強力ボンド」を材料にぬりぬり。
そして、万力で2種類の木材をがっちりと接着。
小さな三角形の木材は何に使うのかというと・・・
角に入れた切り込みに差し込んで接着します。
この部分はその後どうなるのでしょうか・・・?
高速回転する紙やすりのようなベルトの機械を使って、須田さんが磨き上げてくれます。
仕上げはこちら。地元で採れる「亜麻のオイル」を塗っていきます。
亜麻のオイルはサプリメントとしても使われているもので、
赤ちゃんがなめても害はない天然素材なんだそうです。
・・・乾くまでの間に、校舎をご案内しましょう。
こちらは会場(工房)の体育館。外壁は板張りです。
私カメ吉は30歳代ですが、小学校低学年の頃、母校の校舎はこんな感じの木造でした。
日本人の心の琴線に触れるような、懐かしい建物ですねー。
工房の主、須田さんが一目惚れしてしまったのもよく分かります。
廊下の床こそ板張りではありませんが、教室のドアは木製。
まるで映画のセットのようですが、昨年の春まで実際に20名弱の児童が通っていた校舎です。
引き戸になっている教室入り口の取っ手。
長年に渡って大勢の子どもたちが手を触れていたところです。
使い込まれていて味わい深いですね-。
そんな教室の一部は、工房で製作した家具や雑貨のギャラリーになっています。
こちらはダイニングテーブルといす。
カメ吉の大好きな、シンプルデザインです。旭川家具らしい佇まいが良いですね。
こちらは「ありがとうサイドボード」。
なぜそんな名前が付いているのでしょうか?よーく見ると分かります。
デザインの一部に、小さく控えめに「ありがとう」の文字。
日常生活で忘れがちな「豊かさ」や「安らぎ」を感じてもらいたいと考えられたデザインです。
須田さんの優しい気持ちが表れているようです。
こちらは「乳歯入れ」。柔らかい曲線と、シャープにくりぬかれた穴。デザインの力を感じます。
最後にご紹介する作品は、こちら。「音の鳴る引き出し」です。
人間の五感を刺激する家具を作ってみようと考えられたこの引き出し。
可愛い音符がデザインされた取っ手を引いて閉じると、なんとハーモニカの音が鳴ります。
しかも、それぞれの引き出しが違う音階を奏でるんです。
写真では分からないと思うので、今回は初めて動画でご紹介してみる事にしました。
下の画像部分をクリックすると動画が流れ、音も聞けます
どうですか?面白いですよねー。
是非実際に訪れて、確かめてみて下さい。
さて、木工教室で作った作品が完成しました。ご紹介します。
どうですか?
角の出っ張っていた部分はきれいに磨き取られ、板の模様として同化しています。
ちょっとしたアクセントになっていて、美しいデザインに大満足です。
須田さんの手ほどきで、小学5年生でもここまで出来ました。
木工教室は数ヶ月先まで制作する物の予定が決まっています。
「旅する木」さんの公式ホームページ で確認の上、ぜひ予約してみて下さい。
スツールなど、本格的な家具作りの回もあるようですよ♪
完成した後は須田さんのご家族による手作りのお菓子と温かい飲み物をご馳走になりました。
「アップル スパイスパウンドケーキ」と、「全粒粉のショートブレッド」。
それに「穀物コーヒー」など。
どれも素朴だけど、とても奥の深い味。本当に美味しかったです。ごちそうさまでした!
歴史を積み重ね、地域の方々が大切にしてきた校舎。
そんな暖かみのある場所で本格的な木工を気軽に楽しめるのが嬉しいですねー。
「旅する木」を訪れた人は、きっとまた再び訪れてみたくなると思います。
校庭には一面に芝生が広がる、とても気持ちの良いグランドもありますので、
まずはギャラリーと校舎の見学を兼ねて、訪ねてみてはいかがでしょうか?
納品等で留守にすることもあるそうなので、出かける前にお電話してからの方が確実だと思います。
当別町方面は景色も良いので、ドライブコースとしてもオススメします。
須田さんの人柄が表れた、美しい家具をぜひ見に行って下さいね
(追伸)
ギャラリーの窓際に展示している机の引き出しの中に、素晴らしい絵の描かれたノートがあります。
一見の価値ありですよ!
【遊び場】家具工房 旅する木 (当別町)
住所:北海道石狩郡当別町東裏2796-1(旧 東裏小学校)
電話:0133-25-5555
地図のリンクは【こちら】 を参照して下さい。
※公式ホームページ の内容が充実しているので、ぜひご覧下さい。