神奈川 松田町 鈴木屋 | 流通ジャーナリスト金子哲雄の食いだおれ日記

神奈川 松田町 鈴木屋

 神奈川県松田町にある惣菜店・鈴木屋さんを取材していました。店主の鈴木トシ子さんは昭和37年4月29日開業して以来、42年間、毎日60種類以上の煮物、煮魚、焼き魚、天ぷら、から揚げを作り続けています。おじゃました時、ちょうど出来立てのけんちん汁があり、お椀によそって頂き口にしますと、体の芯から温まりパワーが湧き出てきました。今年、7月16日には隣店の火災のもらい火により店舗が消失。10月5日、旧店舗付近に新店舗をオープンしました。鶏肉にから揚げ粉をつけ、180度くらいの油で約3分でフライヤーの中で泳がせた鶏肉は文字通り「からっと」揚がり、コクのある味わいでした。あめ色の甘辛いだしで煮込まれた銀だらの煮つけも、ほどよくやわらかく、魚嫌いの子供たちも、喜んで食べていました。60歳を過ぎてから火災で店を失いゼロになっても、わずか2ヶ月で新店をオープンするバイタリティー、そのパワーが詰まった惣菜はただ、お腹を満たすだけでなく、エナジーを注入してくれるフードなんですね。「そりゃ、火事で店を失った時は落ち込んだよ、でも、おばさんのから揚げを食べたいって言う、お客さんが焼け跡の前で待っててくれたんだよね」。う~ん、いくつになっても、自分を必要としてくれる人がいるのは格好がいいですね。おそらく、待っている人がいると「倒れられない」と無意識に思い、病気にもなりにくく、実年齢よりも5歳以上若く見えるものです。年金不信が叫ばれる中、年齢を重ねても働き続ける環境を作ることが実効的な高齢化対策ではないでしょうか。

「働き続けることが最大の年金対策である」

松田町の惣菜店にて感じました。

鈴木屋 神奈川県足柄上郡松田町松田惣領1881 0465-82-1945
小田急線 新松田駅から徒歩8分 JR御殿場線 松田駅から徒歩2分

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