2011日本シリーズその3 地方での視聴率
今回の日本シリーズはソフトバンクvs中日で、名古屋と福岡をフランチャイズとする球団でした。
そのため、それぞれの地元の地域では日本シリーズの視聴率は高かった ようです。
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2011年日本シリーズ第7戦視聴率、北部九州地区44.4%・名古屋地区27.4%
http://www.j-cast.com/2011/11/22113888.html
プロ野球日本シリーズ第7戦「ソフトバンク×中日」(20日夜、TBS系)の平均視聴率が、北部九州地区で44.4%だったことが21日、ビデオリサーチの調べで分かった。 瞬間最高視聴率は、福岡ソフトバンクホークスが8年ぶりの日本一を決め、秋山監督が胴上げされた場面で、62.6%を記録した。
また、ほかの地域での平均視聴率は、関東地区が18.9%で今季の各局のプロ野球中継で最高を記録。名古屋地区は27.4%、関西地区20.8%だった。
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ところで、%表記すると関東地区と福岡地区の視聴率が同じ価値を持っているように錯覚してしまうのですが、
実際の「視聴人口」を考えてみるとどうなのでしょうか。調べてみました。
ビデオリサーチのHPに調査地域ごとの対象人口が載っています。
それによると「関東地区」は40596000人≒4000万人!
「名古屋地区」は9222000人 ≒900万人。
「北部九州地区」 は人口は出ていないのですが…。対象地域ごとにwikipediaで人口を調べていくと、
北九州市 974,729人、福岡市 1,479,516人、中間市 43,688人、春日市 107,185人、大野城市 95,491人、宗像市 96,040人、古賀市 58,201人、福津市 55,508人、糟屋郡志免町 44,656人、新宮町 25,479人、粕屋町 42,401人、芦屋町 15,245人、水巻町 29,802人、岡垣町 32,056人、遠賀町 19,140人
(おっと、「北部九州地区」と言いますが、実際は「福岡県の一部」なのですねw)
ですので、合計は3119137人≒300万人となります(実際の調査対象者は4歳以上なので総人口より少ないが)
ビデオリサーチがなぜ視聴率調査をしているかというと、どれだけの人がテレビCMを見たか測るためです。
なので、視聴人口からは
「関東地区の1%」、「名古屋地区の1%」、「北部九州地区の1%」の価値は等しくない
ということが言えます。
具体的には関東地区が4000万人、名古屋地区が900万人、北部九州地区が300万人なので、
それぞれの価値は 関東:名古屋:北部九州 = 40 : 9 : 3 ≒ 13 : 3 : 1 ぐらいと考えられ、
北部九州地区の13%が関東の1%に相当する、ぐらいと言えます。
(実際には世帯視聴率≠視聴人口ですが、ほぼ比例関係なので簡単に考えます)
もっと具体的に言うと、第7戦の視聴率が名古屋地区で27.4%、北部九州地区で44.4%と「率」は高く見えますが、
「視聴人口」から関東地区の数字でどのぐらいに相当するか換算すると、
名古屋地区は 27.4%×(900万人÷4000万人) = *6.2%
北部九州地区は 44.4%×(300万人÷4000万人) = *3.3%
と、実は大した人数は見ていないことがわかります。
テレビ局が関東地区以外の視聴率はほとんど重視しないのにはきちんと理由があるわけです。
地上波で中継するかどうかの判断はあくまで関東の視聴率が基準
http://gendai.net/articles/view/sports/133902
当然ながら関西地区(関東地区に次ぐ、2000万人が住む)でもほぼ関東と同じ数値で高くないですし、
今年は第2・5戦がテレビ東京系列での中継だったため、地上波で見られない地域も多かったと思います。
(例えば仙台地区ではテレ東系がないです、楽天が日本シリーズに出たらどうなったんだろう?)
本当は経済規模を考えると人口以上の差があるのですが、単純に視聴人口だけを考えても
「関東地区の視聴率は低いけど、地方での視聴率は高いので野球人気は下がっていない」
というのは無意味な話だと言えます。
というか、過去の日本シリーズの視聴率と比べると、名古屋や福岡だけで見ても下がってるような…
おっと地方の数字は意味がないので触れないんでしたw じゃあこのへんで。