2005プロ野球視聴率テクニカルレポート その2 | プロ野球の視聴率を語るblog

2005プロ野球視聴率テクニカルレポート その2

<テレビ中継形態>

 
去年までの巨人戦中継は、『ゴールデンタイム』 『30分延長』が当然だった。
 
しかし、年々低下していく視聴率に、今季はついにその牙城が崩れることとなった。
 
 

 
・デーゲーム

まずは5月、ゴールデンウィーク中の中継について。
5月1日、5日の巨人戦はデーゲームで行われ、そのため中継も昼の時間帯であった。
 
 
デーゲームでは視聴率は当然低く、そのため放映権料も安く抑えられてしまう。
(実際、視聴率は1日7.1%、5日9.0%であった)
特に5/1の広島などは出来ればゴールデンでやりたかったと思われるが、その時間帯では買い手がつかず、やむを得ず昼間の試合に甘んじた、ということだろうか。

(広島主催なのにこの日の放送はなぜか日テレであった)
 

 

 
 
・延長中止
その後、さらに視聴率の低下は進み、8月からは『30分延長』が徐々に消えていく。
 
 
当初は8月から、フジテレビが『延長を15分に短縮』との発表であったが、その後他局も堰を切ったように追随、さらには『延長中止』が現実化するまで1ヶ月もかからなかった。(8/16のフジが初)
 
 
各局とも『試合展開に応じて』といいつつも、終盤で1点差の場面でも容赦なく打ち切るなど、『試合展開と関係なく』9時に放送を終了していくようになった。

この背景には今年からより鮮明になった『後番組クラッシュ』の影響があると思われ、来年以降も延長中継が復活することはないと思われる。
 
 
 

 
・深夜送り
9月にはいると、ついに巨人戦は深夜帯で放送されるようになった。(9/2のフジが初)
今年に関しては、放映権料は先払い、つまり1億円はすでに払っているのだが、『お金を無駄にしてでも、ゴールデンは他の番組のために空けたい』という局の意思があったことになる。
 
 

 
 
・中継なし
9月28日、テレビ朝日は巨人戦の中継を行わなかった。セ・リーグの優勝決定前に放送が行われなかったのは、近年ではこれが唯一。
この日は対戦相手の阪神がマジック3であったが、中継中止の決定段階ではまだ優勝決定日になる可能性があった。その段階で中止の決断をしたということは、日本プロ野球にとってかなりのインパクトがあったと思われる。
 
また、10月の日テレ中継は全て深夜に行われたが、これも消化試合になることが判明する前の決定だった。

 

 

 

 


今季は5月の段階からデーゲームで行うなど、各局ともプロ野球の扱いに不安感を持っていたが、視聴率低下が予想以上にひどく、経営上深夜送りなどの措置を取らざるを得なかったということだろう。

 

深夜送りはいわば『損切り』に等しく、来年度は最初から中継予定を減らしてくる局が多く出ると思われる。(すでにいくつか出ている)