サッカーのマネをしてみる? | プロ野球の視聴率を語るblog

サッカーのマネをしてみる?

今日のニュースで、J拡大の可能性 についてとりあげました。

 
サッカーJリーグは、今の日本でもっとも成功しているプロスポーツといっていいかもしれません。
特にチーム数がどんどん増えており、これまでのプロスポーツ空白地帯を埋め尽くす勢いです。
2部制の導入もJリーグの特徴です。残留争いや入れ替え戦の競争原理、緊張感などは野球ファンの人もうらやましく思っているようです。


 
そういった社会情勢を受けて

 
「プロ野球ももっとチーム数を増やすべき」
「1部6チームの2部制にした方がいい」

 
という意見もたまに見られます。しかし…


 
これからしばらく、プロ野球に2部制などサッカー的な方法論を持ち込むことは、現状では無理であることや、

長期的な発展を考えた場合でも必ずしも必要ではないということを説明して行こうと思います。


 

 
まず大雑把なくくりとして、プロスポーツリーグの形態には「アメリカ型」と「ヨーロッパ型」があります。
日本では、野球は「アメリカ型」、サッカーは「ヨーロッパ型」だと思ってください。
それぞれの特徴を挙げてみます。

 

 
<アメリカ型>
・ 閉鎖式リーグ  (新規参入を拒否)
・ 各チーム平等  (少なくとも建前上は)
・ 収益分配、選手のドラフト制など助け合いの精神
・ メディアミックスによる全国展開、リーグ全体の収益増を狙う
・ 国が豊かでないと難しい (?)

 

<ヨーロッパ型>
・ オープン参加リーグ  (1部、2部…制による、最下層リーグから誰でも参加可能)
・ チームの格差(金銭的etc…)を認める
・ 選手獲得は自由  (ユースチームの存在)
・ 入場料収入などで経済的に各チーム自立+メディアミックスを狙うチームも
・ 貧しい国でも可能 (?)

 

 

日本のプロ野球は一応アメリカ型の形態をとっています。現状では「各チーム平等」「収益分配、ドラフト制度」の部分がズタズタになっているため、建て直しが難しくなっていますが…。(人気の低下とこれが結びついているかは…世間で言われているほど影響していないような気がします。もっと不均衡がひどかったV9時代の方が、視聴率はともかく巨人人気は高かったわけだし)

 

しかし、サッカーみたいに昇降格の緊張感を取り入れたいからといって、リーグシステムをヨーロッパ型に変えるのは難しいと思います。ましてやドラフト制度などに話が及ぶと、プロ野球界だけの話では済まなくなります。


 
散々このblogで書いてきているように、巨人戦地上波中継というのは、今の日本プロ野球の『生命維持装置』といっても過言ではありません。(ここの部分を無視して去年の騒動を語る自称プロ野球ファンは、腹を切って死ぬべきだと思います)

 

その地上波中継の視聴率が、もはや瀕死の状態です。おそらく今年で打ち切られるか、持ってあと1~2年でしょう。その間に今のビジネスモデルをまるっきり変えないと、この世界は滅びます。今はとにかく時間がない。

 

 

そんな状況でアマ球界とのやりとりがどーのこーの、とかやってられるわけがない。だから少なくとも現状では、ヨーロッパ型のモデルに変えることは現実的ではない、というわけです。

 

日本プロ野球が、現状のままで2部制を取り入れられないのはどうしてか…は明日書きます。(物分りのいい人がコメント欄に書いちゃうかも)