18.野球防衛軍② | プロ野球の視聴率を語るblog

18.野球防衛軍②

マスメディアが自分達のために大衆を煽る操作。
時代の変化からプロ野球や自分達のフィールドを守ろうとします。
これを「(野球)防衛活動」と呼びます。



日本テレビ・読売新聞にしてみたら、巨人戦関連事業は安定して収益を上げられていましたし、
朝日系列は高校野球、NHKは高校野球とメジャーリーグ、
フジテレビはヤクルト(を通して巨人戦)、TBSは横浜(を通して巨人戦)と、
各メディアが野球関連ビジネスに深く足を突っ込んでいました。




そして2001年、野球帝国の崩壊、テレビ視聴率の低下が始まります。




崩壊してもらっては困る。危機を敏感に感じ取った各メディアは、自分達のために野球を守る偏向報道を始めました。
いや、以前からやっていましたが、それをさらに強めました。
視聴率スレでいうところの「野球防衛軍」の誕生です。

しかし、時間経過とともに視聴率はどんどん下がっていきました。



会社、事業というのはどうしても、一度決めた方向を修正するのは難しい。上のほうで会議を開いて放送枠を変更したり、関連機関に根回しをしたり、解説者のクビを切ったり…。


野球の需要が消えたら、新しいスポーツや芸能の話題を作らなくてはいけない。その時はブームの盛り上げ方も、対象へのアプローチの仕方も全く違ったやり方になるでしょう。うまくいくかどうかも不確実です。


何より面倒くさい。楽をしたい。そんな大変なことにエネルギーを消費するよりは、「以前と同じ水準には戻るだろう」と楽観的に考えて経過観察、現状維持に走りたくなるのが心情でしょう。


現場に出ている人間はもっと深刻です。数字で冷酷に評価されますし、解説者なんか仕事がなくなったらおまんま食い上げです。何とか自分のフィールドを守ろうと、「サッカーは日本人に向いてない」「やっぱり野球は面白い!」とゆがんだ「防衛活動」を始めます。




しかし、その後も肝心かなめの『視聴率』は下がり続けていく…。




何にしろ、作られた野球人気というのは、メディアの側が、メディアの都合に基づいて、大衆を操作することによって生まれたわけです。

そして、大衆が思った方向に動いていないとなると、さらに強いコントロールをかけようと動きます。星野仙一が「サッカーなんか短パンで出来る下らないスポーツ」「(ベッカムに)あんなフリーキック赤星でも蹴れる」、大矢明彦が「(サッカー北朝鮮戦の日)えっ、そんなのやってたんですか?」と、さらに「防衛活動」が活発化します。



これまでのプロ野球の世界を維持するのに、必要なのは『視聴率』です。
それによってさまざまな利権が発生してきました。

しかし原因はいろいろあると思いますが、『視聴率』は下がり続けている。



もう誰が見ても、現状の野球帝国を維持できないのは明らかです。
別に(特定の一派を除いて)現状のプロ野球と運命を一蓮托生にする必要はないのですから、今からでも新たな分野の開拓、紙面の刷新などをすればいいと思う。(しているメディアもあります)
しかし楽をしたい、今の仕事を失いたくない、という気持ちが、自分達が変わるのではなく、大衆を操作して変えてやろう、という方向に向かってしまうようです。




ところで、こういった世論操作はエンターテインメント業界でだけ見られるものではありません。


(続く)


※ “野球防衛軍”の由来
もともとは、スポーツMAXの1コーナー。
冒頭で巨人戦の解説をたっぷりやり、「その他の試合」を一つのコーナーで流していた。
そのコーナーの名前を「野球防衛軍」と呼んでいた。

防衛軍バッジなるものも存在していた。

防衛軍バッジ
http://www.ctv.co.jp/announce/personal/quiz/2003/01/16/19.html
http://www.ntv.co.jp/sports/diary/020502_n.html

転じて、プロ野球終末期におけるメディアのプロ野球偏向報道を「(野球)防衛活動」
防衛に熱心な組織、個人を「野球防衛軍」と揶揄するようになった。


さらに転じ、野球板・視聴率スレにおける特定の意図を持った荒らしのことも指すようになる。
スレ住人が理論的に現在のプロ野球体制の矛盾、不自然さについて解説しても、思考停止し「サッカーよりマシ」と連呼し、コピペ荒らしで議論を中断させようとする勢力が存在し、広義の「防衛軍」と呼ばれるようになったが、最近は「野球脳」という便利な言葉に取って代わられつつある。