北前船で栄えた鷺浦の伊那西波岐神社~初夏出雲行(20) | 日々のさまよい

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上宮から大歳社を経て下宮へと巡る~初夏出雲行(19)←(承前)




稲佐の浜を出て県道29号線(大社日御碕線)から23号線と走って、鷺浦へと着きました。
北山から流れ来る八千代川の清流が、鷺浦の入り海へと注がれています。

このまま真後ろへと振り返れば、そこに鎮座するのが伊那西波岐神社(いなせはぎのかみのやしろ)。




伊那西波岐神社。
祭神:稲背脛命(いなせはぎのみこと)。

天穂日命の御子神で、大国主大神が国土奉献の話し合いをなされた時、大神の命をうけ、三穂之関(美保関)の事代主神のもとに使者として奔走された神です

出雲大社ホームページの説明は上記だけですから、以下に引用して補足します。

出雲観光ガイド/伊奈西波岐神社
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合祀神:八千矛神(やちほこのかみ)
    稲羽白兎神(いなばしろうさぎのかみ)
    稲羽八上比売命(いなばやかみひめのみこと)

八千矛神
出雲大社の御祭神、大国主大神の別名であり、武勇にも勝れさせ給うたのを称え、合せ祀ります

稲羽白兎神
大国主大神が兄弟、八十神(やそがみ)と共に因幡の国へ行かれた時、気多崎という場所で 膚が剥れて苦しんでいた白兎を見てこれを助けられた故事によります

稲羽八上比売
大国主大神が因幡の国へ行かれた折に見そめられ契りを結ばれ、出雲に移られたが、嫡妻須世理売命を畏みて後に因幡に帰られたといいます
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玄松子の記憶/祭神記/稲背脛命




社殿の奥に広がる鎮守の杜へは、後で知ったのですけれど、歩いて入っても良いようです。

たいしゃ情報壱番地/鵜鷺コミュニティセンター/鎮守の杜の木々
伊奈西波岐神社の鎮守の杜、宮山には百年を優に越えた椎の木、たぶのき、むくのき、銀杏の木や杉の木などの古木がたくさんある(中略)宮山はテレビのない時代の子供の遊び場であった。ここで戦争ごっこして基地を作ったり、椎の実を拾って食べたりした

楽しそうですね~(笑)

鎮守の杜に限らず、この鵜鷺(うさぎ)地区へは一度ゆっくり訪れて、のんびり過ごしてみたいと思います。
北前船の港町 鵜鷺 ホームページ




随神門、でしょうか。
何だかお寺のような、豪壮なお屋敷のような、そんな雰囲気です。




左が拝殿で、右が本殿。
何故か、どちらも正面の方からアップで撮っていません(泣)

こちら↓に写真が載っていますので、ご参照ください。
たいしゃ情報壱番地/鵜鷺コミュニティセンター/伊奈西波岐神社

けれどもここは他にないくらい、杜に埋もれるほどの緑に溢れており、素晴らしく神々しいお姿です。
その上その杜の中が、子供たちの遊び場だったということには、さらに神々しさが増す思いがします。




境内に生え揃った草々が、陽の光に染まって金色に輝いているようです。
それはまた、もうすぐ夕暮れだというお知らせでもあります。




小さな小屋のように見えるのは、先ほどくぐった随神門。
この広場は、お祭りの際にさぞや賑わうのではないでしょうか。




境内の散策を楽しむMさんとサチエ。
海と山を擁した、とても気持ちの良い場所です。




境内を出て、八千代川沿いに海辺へと向かいます。
川面に浮いていたウミネコの群れが私たちに驚くと、一斉に海へ向け飛び立ちました。




風待ちの港、鷺浦の入り海です。
湾口に浮かぶ小島は柏島というそうで、柏島大権現が祀られているそうです。

港の入口にあたかも波浪を防ぐためにしつらえたかのように柏島があります。この島の存在が天然の良港として大きな役割を果たしています。一番高いところに屋根を突き出したように岩がせりだしていて、そこに柏島大権現が祀られています
たいしゃ情報壱番地/鵜鷺コミュニティセンター/柏島大権現 正遷宮




午すぎ頃から顔を出した太陽が、今もう少しで夕陽になろうとしています。
これから日御
へ移動すれば、ちょうどその夕陽を遙拝できる頃合いなので、ようやくホッとした気分になれました(笑)




輝く太陽をバックに、記念撮影。
凪いだ海の様子で、サチエもホッとした気分でしょうか。




Mさんと共に、また記念撮影。
今日の巡礼もようやく先が見えて来ましたから、少しだけ観光気分を満喫します。




ともあれ無事にここまで来れて、これほどまで晴れて頂けたなら気分も最高です。




行こか、と言った私の言葉に、少し目がうつろになるサチエ。
あと日御
に行ったら終わりやから~、と言い聞かせます(苦笑)


ということで、出雲大社の摂末社巡りはこれにて完了しました。
全くノーマークで行けなかった野見宿禰神社と神楽殿庭上の祓社には、ぜひ次の機会に訪れたいと思います。

これから県道23号線を戻って、29号線を終端の日御
まで進みます。



(つづく)→ なぜ出雲大社は少彦名を祀らないのか?~初夏出雲行(21)




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