久しぶりにFacebookにINしたら、あるイラン人から友達申請が来ていました。


名前は聞いたことあるような気がしましたが、誰だかはっきりと思い出せません。


そこで、イラン滞在のときの日記帳を取り出してきて調べてみると、やはり知っている人でした。


CozyKoji(コージーコージー)


彼は、私がイラン滞在のビザ延長に苦戦している時に、自分の車を出して首都テヘランの街じゅうを走り回ってくれた恩人。


そんな恩人の名前を忘れるのもどうかと言われるかもしれませんが、何百人のイラン人との交友があった上、そのほとんどが恩人で、8年も経った今、長い期間付き合いのあった人以外は、顔と名前が即座に一致しなくなってしまったのです。


CozyKoji(コージーコージー)


彼は自分の愛車で、あるNGOのオフィスに私を連れて行ってくれる予定でした。


私たちの乗った車は交通量の多いテヘランの街を颯爽と走っていました。


運転が荒いのは、イランでは当たり前のことなので、気にはなりませんでした。


しかし、私が後部座席で別の友人と話をしていると、いきなりガラスの破片のシャワーが飛んできました。


対向車のミラーとこちらの車のミラーがぶつかって割れ、開いていた窓から飛んできた粉々の破片を全身に浴びたのです。


破片が目に入らなかったのは幸いでした。


この接触事故を起こした後、彼は興奮したのか、自分に腹立たしかったのか、運転がますます荒くなり、1分も経たないうちに、右折する途中で、前方で同じく右折中の車がスピードを落としたところに軽く追突しました。


中東の国らしいことなのですが、先ほどの接触と同じように弁償問題にもならず、車は再び走り始めましたが、2度の接触事故を起こした彼の運転はますます狂暴になり、今度は前方で急停車した車にぶつかって停まりました。


ボンネットが盛り上がって、ぐんにゃり曲がっています。


その後、しばらく走っていましたが、、そのうちエンジンが熱くなり湯気が出てきたので、水を掛けて冷ましながら徐行するという展開になりました。


しかし、とうとう途中で完全に停まってしまったので、渋滞の中、彼は車から降りて、ボンネットを開けていましたが、しばらくすると、濁った液体が湯気を立てながら噴水のように空高く噴き出しました。


車のエンジンが冷めないうちは開けてはいけない冷却液のところか何かを開けたのでしょう。


ちょうどそのとき横を通った不幸な車は、鉄の塊から突如噴出した間欠泉のミソギを浴びていました。


結局その日、私たちは目的地のNGOに行くのをあきらめて、同乗の友人の家でご飯を食べてゆっくりしたのです。


数回しか会っていない友人ですが、強烈な印象を残してくれた恩人なのです。


自分のために車を出してくれてあんな結果になってしまい、非常に申し訳ない気持ちと、その運転何とかならないのか、という気持ちが混じりあった心境でした。


ちなみに、2日後に会った時、彼はケロッとしていて、「車は知り合いがタダで直してくれた」と言って、ガハハと豪快に笑っていました。


そんな思い出のある彼と8年ぶりにインターネット上で繋がるというのは、ずいぶん素敵な再会だと思います。


CozyKoji(コージーコージー)