レスラー 原題: THE WRESTLER | まろんぱんのあれ

レスラー 原題: THE WRESTLER

監督:ダーレン・アロノフスキー
製作総指揮:ヴァンサン・マルヴァル 、アニエス・メントレ 、ジェニファー・ロス
脚本:ロバート・シーゲル
音楽:クリント・マンセル
字幕翻訳:太田直子

主演:ミッキー・ローク(ランディ・ロビンソン)、マリサ・トメイ(キャシディ)、エヴァン・レイチェル・ウッド(ステファニー)/etc


ストーリー

 1980年代、ランディ(ミッキー・ローク)は、プロレスのヒーローだった。それから20年がたち、金も名誉も家族も失ってしまった。そのうえ、体はボロボロなのに未だに引退もせず、平日はバイトをしながら細々と暮らしている。しかし、ある試合後、ステロイドの副作用のためランディは心臓発作を起こし、選手生命を絶たれてします。そしてこの出来事をきっかけに次の人生を歩みだそうと試みます。


まろんぱんのあれ-レスラー

 私は、ミッキー・ロークは知りませんでした。また私は剣道の有段者ではありますが、プロレスなど格闘技はあまり見ない人です。人の殴り合いを見ても楽しいと思いません。で、いきなりですが最初から結論。


結論
そこには、生きたランディがいた。


 はっきりいえば、この結果だけで、十分な感想だと思います。まぁ、それだとあれなので、一応書かせてもらいます。


 この作品は、ドキュメンタリー風に作られています。落ちぶれたプロレスラーの日常生活。そして試合での打ち合わせ、要は八百長など。そんな彼の生活を映し出し、哀愁がただよい、とてもとても切なくなってきます。そして追い討ちをかけるように彼は倒れてしまいます。そのすべてが、これは本当にいる実在の選手のドキュメントではないか?と思う気迫の演技。いや本当に演技なのか?ミッキー自身が過去人気のある俳優で、そして辛い日々を送って今にいたりこの役になったと。そう彼はこの主人公であるランディと同じような体験をしてきたのだ。ミッキーは、1980年代カリスマ性のある美貌で一世を風靡した。そして1990年代、夢だったプロボクサーに転向。そして共演者と結婚した。しかしボクシングの道がまくいかず、断念。その上、ボクシングにより美貌も崩れ、スキャンダルな彼には仕事もなく、そして離婚。どん底まで落ちたミッキー。演技をしているというより、素であるような振る舞い。まさに不器用な男の生きよう。そんなランディが好きなのは、ストリップ劇場にいる熟女キャシディ。歳のため人気もそこまでなく、ランディとある種共感のできる女性。どんなに思いを寄せようが、お客様という糧を使い気持ちを抑える。すれ違う二人。痛々しいまでの二人。互いに歳を取っているからこそ余計に不器用にそして素直になれない二人。今までの経験が邪魔して逆に子供になっていく二人がいた。


 ストーリーに王道的ですが、そんなのは微塵も感じさせません。注意なのがこの映画は、R-15になっています。プロレスシーンで、結構血が流れたり、人によっては見ていられないかもしれません。またキャシディが、ストリッパーなので、当たり前ですが、裸なども結構でてきます。また八百長などなどもでており、本物のプロレスを見たくなくなるか?答えは逆だと思います。簡単な答えです。本質である人を楽しませることには変わらないのですから。


 男向けの臭い映画です。ですが、女性でも十分に感じることのできる気迫がそこにあると思います。殴り合いではなく、不器用な男のランディという生き様を。あえていうならば、女性こそ見てほしい映画。


で、この感想をぶち壊す妄想の後半は、こちら