BRM209千葉300km房総クラシック【完走】
「ブルベ戦記」 第227話
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完走しました(18時間33分/制限時間は20時間)
22時スタートのオーバーナイトブルべ
すでにAJ西東京主催のオーバーナイトブルべの経験が何度かありますが、
私は千葉のコース自体、実は初めて。
寒さ、眠さもありましたが、
私の場合、さらにメカトラブルや、アクシデントまで加わってしまい、大幅にゴールが遅くなり、なんだかいろいろあったブルべでした。
振り返ると、いろいろあった中で完走できただけでも、ラッキーだったのかもしれません。
といったこともあり、
今回は、特に後半以降の写真が少ないです。
ゴール時も、どたばたしていて、余裕がなくて撮り忘れていました。
1月のブルべがいずれもいわゆる「エントリー峠」(=ネット上での出場申し込みで、先着順のために数分程度で定員一杯になること)で敗れて出られなかったので、
この209千葉300kmが今年の1本目のブルべになります。
今年ブルべ3年目の最初、ということもあり、これまでの自分の経験を踏まえて、
昨年までのキューシートの取り付け位置を大幅に見直してみました。
というのは、
今回の千葉300kmは、そもそもAJ千葉主催ブルべに初めて参加するので、
慣れない房総半島のコースを覚えるのにちょっと難儀したためです。
ましてコースには山間部の県道や住宅地内の市道区間といった分かりにくい道も多く含まれ、
ミスコースを避けるには、キューシートが頼りになります。
できるだけ見やすい位置で、しかも、PCでの停車時に紙を入れ替えやすくできるように工夫しました。
具体的には、ハンドルバーの先にメーター取り付け用の補助バーを付け、ステム付近につけてあったサイコンなどを全部移動。補助バーからは、ビニールシートなどを固定しておくネジ締のクリップを結束バンドを使って手前の空いたステムに向けて垂らしておき、そこに低温でも硬化しにくいビニール製のクリアファイルをつけました。
ステム付近にキューシートを載せる、という方法はごくオーソドックスな方法なのですが、これまで私はステム付近にサイコンなどいろいろ付けていたため、この方法がとれませんでした。
結果からいえば、今回の方法はキューシートが見やすくなり、
今回のようなオーバーナイトブルべでも、ヘルメットライトも照らしやすく、
走行中の夜間でもずいぶん楽になりました。
ブルべライダーの皆さんに多く採用されている方法は、ほんと、それだけ理にかなっているんですよね。
あとは将来的にはガーミンを導入するかどうかですが、
今は「キューシート慣れ」しているので、もうしばらく様子見です。
加えて、今年1本目ということもあり、タイヤとチューブを前後とも新品に交換しました。
タイヤは、引き続きホイルと同じマヴィック製で、前輪がグリップリンク、後輪はパワーリンク。
チューブはシュワルベ。
さて、この日(2月9日)の夕方。
近くに住むお友達のイーチョさんが載せてってくれるというので、
お言葉に甘えて便乗。
アクアラインをくぐってスタート・ゴール地点の千葉県・袖ヶ浦海浜公園に到着です。
続々と参加者が集まってきます。
この300kmは出走予定が100人。
さらに翌朝スタートの200kmコースに出る別の100人も同じ場所に集まってくるはずです。
鋭意、準備中のイーチョさん。見守るまこたさん
ほかにもPIPIさんやぴかさんら、いつもはtwitter上でお世話になっている方々と顔を合わせます。
(200kmには知り合いのOさんも出ていたことがのちに判明w どこかコース上ですれ違っていたことになります)
ずらり並んだ、ブルべ装備を付けたロードバイクたち。
(撮影=AJ千葉)
9日21:32 ブリーフィング
9日21:32
9日21:55 スタート
22:00から10分おきのウェーブスタートです。
私は22:10スタート。
9日21:55
(撮影=AJ千葉)
(撮影=AJ千葉)
(撮影=AJ千葉)
9日22:45
前半は山間部が多いのですが、林道のような真っ暗な場所が多いので、
明るいライトが頼りに。
(撮影=AJ千葉)
9日23:38 PC1(37.5km、セブンイレブン市原原田店)
(撮影=AJ千葉)
(撮影=AJ千葉)イーチョさん、毎度お馴染みの袋www
あとでサイコンデータで判ったことですが、走行中の最低気温はマイナス2℃でした。
重ね着していた上に、発汗してきたので、寒さはさほど感じませんでしたが、
PC(=チェックポイントに指定されたコンビニ)につくたびに、厚手の革手袋でも手がやんわりとかじかんでいました。そしてコンビニで停止している数分のうちに身体が今度は汗をかいた直後で、すぐ冷えてきます。走っている間のほうが発汗して暑いくらいなので、そういった意味では暖かでした。
ちなみに、翌日の日中の最高気温は17℃だったので、寒暖差が20℃近くもあったことになります。
袖ヶ浦の山側からいったん内陸部の東金方面に出てから、今度は太平洋岸の九十九里に出ます。
といってもまだ10日未明なので、風景からは海岸沿いを走っていることは分かりません。
そして今回のブルべでの最初のアクシデントがこのあたりから。
PC1を過ぎてから、右のシフター(SHIMANO105)のシフトアップ(つまりギアを重くする黒いレバー)が数回に1回しか作動しなくなってきました。レバーがスカスカしていて、何度もスライドさせないと、ギアが変速しません。
それでもだましだましやっていましたが、
すぐにまったく変速できなくなりました。
大ピンチです。
シフトダウン(ギアを軽くするほう)は作動するので、そちらを動かしたら、
当たり前ですが、一番軽いギアに入り、そこからギアチェンジができなくなりました。
そうなると、登りでは問題ないのですが、下りや平地ではスピードが出せません。
ちょうど軽いアップダウンが続く区間。
登りや下りでギアと格闘しながらもたもたしていると、そこまで一緒に走っていた集団から、みるみる私だけ失速してゆきます。
あっという間に、真っ暗闇の山道を一人ゆくことに。
それでもときおり、後方確認用のミラーには、まぶしいLED灯が映り、
後続の方が抜いてゆきます。
ギアチェンジできないことがいかに大変なことか、悟りました。
しかし、
(まてよ、フロントディレーラーはまだ生きている)
と、そのうちに思いつきました。
リアのギアをなんとか手動で真ん中ぐらいに変速させてそのまま固定しておき、
フロントのアウター/インナーの変速で使い分けできないか、と。
それだと下りや平地の速度はある程度は回復させられますが、
登りの負荷は大きく増えます。
ただ、前半はそんなに急こう配の区間はないので、
しばらくそれでやってみることにしました。
シフトの内部が故障しているようですが、ケーブル自体は切れてはいません。
いったんバイクをとめて、
ケーブルを手で強くひっぱってからシフトを動かして、後輪をペダルで回すと、
幸運にも!シフトアップができました。
(この方法しかなかったので、走行中の変速はやはり無理なわけですが)
リアは10段変速のうち5段目に入れておいて、これに固定して走ることにします。
平地では25km/hは出るようになりました(それ以上を回そうとすると、ケイデンスが100をはるかに飛び越えて疲れてしまうので、それはやめておきました)。
ただし今度は、登りでフロントインナー+リア5速なので、ちょっときつくなりました。
それでも仕方ないので、無理に踏んでいたら、だんだん右ひざに痛みが出るようになってきました。
しかし、登りと平地、どっちを優先するかといえば、時間を稼ぐにはやはりこうするしかなかったでしょう。
10日02:36 PC2(97.0km、セブンイレブン九十九里小関)
九十九里からまた山間部に入り、君津市の亀山湖~三石山観音などを抜けている途中で夜明け。
PC3(167.7km、ミニストップ君津笹店)の暖かなイートインでおにぎり2個の軽い朝食。
暖かさについうれしくなり、写真を撮るのを忘れていますw
そして鴨川有料道路で南下して、再び太平洋岸に出ます。
晴天の朝です。
リア5速固定のままなので、やはり思い通りには走れていません。
時間はまだ大丈夫なのですが、この先には長い勾配区間が待ち構えており、
この状態ではちょっと不安でした。
並走する内房線の電車を見た時には、
(これは輪行DNFかなあ)とちらっと思いましたが、
なにせ太陽が昇るにつれ、暖かさを感じるようないい天気なので、
海辺のサイクリングのように、ついつい走ってしまっていました。
自分の前後にはまだ参加者がいるようで、極端に遅れているようでもありません。
このままゴールまで進むことに。
PC4(219.3km、セブンイレブン白浜滝口店)にも参加者が次々と入ってきていて、自分もまだ集団内にはいるようで、多少は安心しました。陽だまりで少し休んだら、疲れもとれました。
晴天のもと、白浜から館山への県道を抜けます。
(撮影=AJ千葉)
(撮影=AJ千葉)ビンゴバーガーは素通りw
館山を抜けて、一路山間の県道88号を北上。
このあたりの登りはまだ緩やかで、リア固定でもスムーズに登れています。
200kmの参加者と多くすれ違うようになります。
ひとりで登っている私が手を振ると、
すれ違う人みんなが、手を振りかえしてくれます。
ちょっと勾配がきつくなったところで、下を向いて踏ん張っていると、
そこへちょうど下ってきた一人が、
「頑張ってー!」と声をかけながら、すれ違ってゆきました。
何かパワーをもらったようで、勇気づけられました。
最後のPC5(269.7km、セブンイレブン富津更和店)から、
いよいよ最後に難関、県道93号のマザー牧場への登り区間です。
最初、リア5速固定のまま、フロントインナーで登り始めましたが、
勾配は10~15%もあり、もちません。
仕方ないので、リアのギアを一番軽いほうにしました。
あとの下りの時にはまた止まって、今度は例の、ケーブルを手で引っ張って手動で変速する方法で5速に戻しました。
マザー牧場への登り。
マザー牧場に行楽でクルマで来たことはありますが、
自転車で、しかも南側から登るのは初めて。
これは、あの明神にも匹敵するような気がするほど、かなりの難敵でした。
登っても登っても、息つく暇もなく、10%以上の急な坂がずっと続きます。
つづら折りは少ないんですが、息抜きできる「踊り場」的な緩斜面も少ない、いわゆる直登のたぐい。
頑張って登っていましたが、さすがに途中で一度、脚をつき、呼吸を整えました。
ようやく登り切り、久しぶりにマザー牧場に来ましたが、
とてものどが渇いてきて、ボトルのCCDドリンクは味に嫌気がさしていたので、
冷たい炭酸水が飲みたくなってきました。
が、ここはマザー牧場。駐車場を含めて、外に自販機は一台もありません。
そんなこんな、で、写真も撮らず。
リアのギアをまた中段に手動で動かして、いよいよゴールの木更津に向けてマザー牧場からの下り坂をいきます。
東京湾を見渡す長い坂を下っていると、今度は急激な眠気に襲われました。
ペダルをこがないで、じっと座ってたまま下っていると、やはり眠くなってくるのです。
まして徹夜で走ってきたので、翌日午後まで走っていたら、こうなるのは無理もありません。
一度二度、走行中にうとうとしかけて、
(これは危ない)と思ったので、
下り切って木更津に入ったところで、日当たりのいいコンビニがあったので、
そこの前で座って、ちょっと15分ぐらい仮眠。
スマホに5分後のアラームかけておいたのに、気づかず!!
自然と15分後に目が覚めたのでよかったですが、もしそのまま寝込んでしまったら、、、大汗
ゴールまで残り20kmを切り、
木更津市街地を進みます。
後ろから追いついてきた1人、また1人と一緒になり、
ちょっとしたグループを形成しながら、ゴールの袖ヶ浦海浜公園に戻ってきました。
時間は午後3時55分ごろ。
ところが。
ゴールの公園まであと数百メートル。
数台で団子状態になりながら、片側2車線の最後の直線路を走っていたところ、
ここにはよく停まっているクルマがあるんですが、
集団でこれらのクルマを避けながら走っていたのですが、
さらに一台をかわすところで、グループの中の左側にいた私も、右側の車線に退避しようとしましたが、余地がなく、よけきれず、遅し。
あっという間に、停まっていたクルマの右側面にバイクが接触し、私は弾みでバイクごと前方に投げ出されました。
身体のあちこちを路面に打ちつけましたけど、幸いけがはありませんでした。
しかし、相手のクルマの側面にこすりキズをつけてしまいました。
すぐに警察に来てもらい、事故証明をとってもらいました。
相手の方への弁償については今後、損害賠償保険で対応することになります。
自分のバイクのほうはハンドルが曲がりましたが、これはすぐに締め直して直り、走行可能な状態に戻りました。
ということで、ゴールまで数百メートルのところで、こういうことになってしまい、さらに事故証明などの手続きで1時間程度の遅れ。この後、17時前にゴール受付しました。
停まっていた相手のクルマの方にはご迷惑をおかけし、そしてゴール目の前だっため、ほかの参加者のみなさんやAJ千葉のスタッフの方々にはご心配をおかけし、お騒がせしたことをこの場で改めてお詫びします。
ということで、今回のブルべは初めてのコースに加えて、なんだか不運つづきでしたが、
そういう中にあっても、大きなミスコースや体調不良はなく、なんとか完走したことは幸いでした。
次はBRM223東京200km曽我梅林です。
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