ブルベの魅力とは
「ブルベ記」第45話
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先日、近所の三省堂書店で立ち読みしていたら、
珍しく、複数の自転車雑誌でブルベライダーの方々の紹介記事が掲載されていた。
それはそれでいいとして、
自分がブルベを始めた今年初め以降、ブルベを取り上げる雑誌があまりにも少ないのにはちょっと困惑した。
今回もそうだが、「ロングライド」特集はよくあるが、ブルベについて一言も触れていないケースがあまりに多い。自分がブルベを知った当初は、「知る人ぞ知る世界」に映ったほど。
何故か?
自分はマスコミ関係なので、なんとなく編集サイドの都合が察せられる部分はあるのだが、
ひとつ考えられるのは、そもそも物理的にブルベを取材する機会が得にくい、ということがあるだろう。
雨天でも何でも、早朝や夜中にスタートして、しかも遠距離/長時間にまたがるスポーツイベントを取材するとなれば、それなりの手間がかかる。
というか、
実際にイベント参加を兼ねて取材でもしないと、遠く離れた場所での様子など分かるはずがなく、体験ルポも書きようがない。まして距離が長く、「ちょっとイベントで走ってみました」的なポタリング記事が手軽に出来ないのがつらいところだろう。
あるいは、
参加者の誰かに写真の撮影依頼だけ手配して、あとは結果の掲載や主催者側の講評を入れ込んだ短い原稿ぐらいなら、すぐに書けるかもしれない。だが、これでは臨場感は乏しく、無味乾燥な記事になりがちだ。
今回みかけたブルベライダーの方々の紹介記事は、使っているロードバイクや道具の紹介、本人の体験談を取材して執筆している。ま、取材サイドとしては、これはお手軽といえばお手軽に出来る企画なのだ。
そうなると例えば、今年のPBPはどう扱われるのだろうか?というのはちょっと気になる。
日本からの参加者は開催ごとに増えてきている。
だが、わざわざ出張取材に必要な多額の出費を出版社が計上するようなご時世ではない。
参加を兼ねて取材するならば、事前の仕込み(SR取得も含めて)にかなりのエネルギーを割くことになる。
そんなことまでつきあう出版社、あるいは担当記者はそうはめったにいないだろう(1人ぐらいはいるかもしれないが)。
ひとつアイデアとして考えられるのは、
出版社が、PBP参加予定者に、有償・無償は別にして、執筆(写真撮影も)依頼し、帰国後の秋号などに掲載する手だ。ブルベ関連の出版物は少ない一方、ネット上のブロガーが多いブルベライダーのことだ。そんなことは朝飯前、という人はいくらでもいるだろう(自分もその類の末席にいるのだが^^;)。
さて、
だいぶ前置きが長くなったが、
本日の本題、「ブルベの魅力」です。
上記のようなブルベライダーの紹介記事を読んでいて、
(自分にとってブルベの魅力とはなんだろう?)と改めて思ったりした次第。
換言すれば、ブルベのどこに惹かれているのだろう、と。
先日のBRM423青葉400km御坂みちの後、しばらくは(ひとりで苦行に立ち向かうブルベはやっぱりきついなあ)とちょっと敬遠気味になっていた。
が、ようやくここ数日で前向きな気持ちに戻ってきた。
(というか、そろそろ気持ちが高まらないと、次の土曜のBRM514青葉600km鳥坂峠に臨めないので^^;)
で、
あくまで「自分」にとってのブルベの魅力をざっと列記すると
■アマチュアスポーツでありながらも、国内大会の枠にとどまらず、国際的な共通ルールや表彰制度があるなど、そのスケールの大きさ(自分は、原発政策を除いて^^;基本的にフランス贔屓であるので、それも後押ししている。フラ語も大学時代にちょっとかじったし)。
■公道イベントであることから交通ルールをしっかり守る、などといった規範意識の高さ。
■一人で全てをまかなう、という基本ルール故に、知り合いやバックアップ体制がなくても、一人でも心おきなく参加できること。
■費用が安いこと(ロードバイク購入といった初期費用やPBP参加の場合は別にして)。
そして、
意外と大きな理由になったのが、
■自転車を含めて、道具の選択幅がとても広く、各自の裁量権、選択の自由度が高い、ということ。参加者のオリジナリテイを演出しやすく、それがイベントに活気を与え、あるいは事前準備にまつわるネット上(ブログなど)での情報発信のきっかけにもなっている、ということ。
さらに、
エンデュランスなので、
高価なカーボンロードバイクでなければタイム的に太刀打ちできない、とか、道具自体に高い基準を求められるような、ちょっとマニアックな「レース」ではないことは大きい。そして、強いて言えばカッコはどうでもいいようだ。ママチャリで200kmに挑戦することがあながち無謀とは思えないほど、バラエティさ、ユニークさに富んでいるイベントだ。
とはいえ、
上記と矛盾するようだが、ブルベ特有の装備が必要になる、という点が面白い。耐久走行ゆえに機能性・合理性が最も求められる部分だ。そこに各自の工夫のしどころがあったりする。例えばそれは雨具などの防水装備であったり、自家製コマ図ボックスであったり、何本ものLEDライトの装着方法であったり、ヘルメット装備であったり、と多岐にわたる。
こうした装備品はサイクルショップにとどまらず、既製品が手に入らなければ自作したりもする。ここがまた面白い。自分のイメージに合った材料(例えば、結束バンドとか)を探すため、ホームセンターへもよく足を運んだりする。
全てがブルベ完走を目指した全天候型の装備だ。
「武装」という言葉さえ浮かぶほど、ブルベ装備を施したバイクは精悍だ。
蛇足だが、
よくブルベはそのあまりの過酷さに「変態」とも揶揄されるが、それは実は、勲章のような特別なことで、むしろそう見られることが快感であったり?もする。その「非日常性」にこそ、ブルベの最大の魅力が潜んでいるのかもしれない。
■そして、参加者の年齢層が高めで、それでいて層が幅広いこと。自分は今年、44歳にしてブルベを始めたが、白髪交じりの年配者が多いことはとても励まされる。
■自分にとっては、目に見えてスポーツ効果、スポーツ純度が高いこと
(体脂肪率が15%を切って12%台になったこと、など)。
敢えてネガをいえば、
出走する週末には多くの時間を割くため、家庭的な理解が得にくい部分があるのだが、
週末ゴルフで交通費も含めて2万円以上の出費をして、同じように休みの1日、家を空けることと比較すれば、
まだ精神衛生上は救われるかな、という感じはするが(しかし、そうした意味では、自分には一カ月に出走2回が限度だろう)。
そんなこんな、で、今週末は家にいる。
で、今日は快晴、しかも気温はぐんぐん上がっている。
さくっと「1時間/30km」の、いつもの基礎トレ・コースへ。
今日は、読売ランドの例の坂(よみうりV通り)へ。
次の600kmをイメージしながら、
ダンシング無し、シッティングのみで黙々と一気に上がってみる。
急勾配区間(約700m/8.7~8.9%)の所要はほぼ3分ジャスト。
時折、サイコンをちら見すると、速度は15km/hぐらい。
鳥坂峠もこんなに短ければ、何~んの苦労も要らないのだろうがなあ^^;
(鳥坂峠はおそらく、BRM416西東京200km山中湖の時のような、須走への長~い登り直線路の県道+最後にくねくね急勾配が、といったイメージをもっているが)
それにしても暑かった。持参したポラールの500mlボトルは1時間であっという間にカラに。
こういう陽気でのブルベは、雨天と違ってまた大変だろうな、と想像したりもする。
(今日の基礎トレ・コース)
家→世田谷通り→狛江駅前→多摩川沿い→鶴川街道→京王よみうりランド駅前→(ヒルクライム=よみうりV通り)→津久井道→世田谷通り→家
AV.25.9km/h MAX.48.4km/h TIME1:08'17 DIS.29.49km
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