メッセージの力 | マーケティング・ブレイン

メッセージの力

昨日音楽のテーマを書いた余韻のリフレインです。最近わたしが好きな音楽はDixie Chicks (ディクシー・チックス)。カントリーにカテゴライズされるグループですが、曲の表現力が圧倒的だけでなく、率直なメッセージを発するミュージシャンとして注目です。


2003年3月、テキサス州出身のボーカリストのナタリーが、コンサート中にイラク戦争に関連してブッシュ大統領を批判 。彼女はこういったそうです。「ブッシュ大統領がわたしと同じ州の出身(テキサス)であることを恥じます」。


それがきっかけで、全米の「愛国者」から批判が轟々、3人のメンバーは脅迫され(自宅のドアまで壊され)、音楽ランキングからは抹殺され、当然受賞すべき賞にノミネートさえされず、さらにコンサートの収益をアメリカ赤十字社に寄付しようとして拒否された(ブッシュ大統領が後援者だから)。


その後ナタリーは自分のメッセージを「disrespectful(敬意を欠いていた)」とHP上で表明したが、彼女たちの今年5月リリースの新曲は「ノット・レデイ・トゥ・メイク・ナイス」(まだ、いい人なんかにはなれないわ)である。傷つきながらもメッセージを送る彼女たちの姿勢は率直で、的を得ているし、堂々としていると思う。


音楽だけがメッセージを売る商売ではない。われわれコンサルタント稼業はまさにメッセージの売り子だし、IT産業も情報化による仕事のパワーアップというメッセージを売る。レストランにしてもホテルにしてもクリーニング店でも、およそサービス業はメッセージを売っている。そのメッセージを信じて買っていただいている。


マーケティング大家のP・コトラー によると、マーケティング・コミュニケーションには5つの方法(広告、販促、PR、人的販売、ダイレクトマーケティング)がある。最近ではメルマガ、Blog、SNS、バナー広告、SEOなどさまざまな新メディアが増えた。みんな「売る」ためのメッセージ伝達方法であるが、根底には「メッセージを信じてもらうこと」がある。


メッセージには「率直さ」「ほんとうらしさ」「主張をかんたんに曲げないこと」が必要だろう。企業のメッセージのどれだけが本気で、ほんとうだろうか?偽装する食品会社やスーパー、インチキをする建築会社や土木会社、損保会社、生命保険会社・・からは、本気もほんとうも伝わってこない。


【今日のマーケティング・インサイト】
メッセージの本気・ほんとうさが、消費者の支持、信頼を生む時代である。



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